Nicotto Town


雪うさぎが呟く


戦争の話

ダンナが東京勤務で単身赴任だった頃、「青春18切符」で普通列車を乗り継ぎ、100の駅を眺めて何度か訪ねていった。途中名古屋の近くで、山とも言えないほんの小さな丘が見える。
その丘を見ると、父の話を思い出す。そのことを書こう。

父は、当時は普通だった何人もの兄妹の末っ子だった。当然母親は高齢で、姉たちが子守をして育ててくれたようなものだったようだ。戦争が始まって,徴兵年齢に当たっていた父にも召集令状がきた。

勇猛果敢ではない方で有名だったらしい?名古屋の連隊で訓練を受け、いよいよ父が海外へ派遣されるというとき、汽車の切符はいつでも買える物ではなく、また足腰の弱っていた私の祖母は面会に行くことができなかった。

それで人づてにこう言ったそうだ「うちの裏の山で、汽車が見えたらおらが(田舎の婆様だし)提灯を振るからな、きっと振るからな」(ポケットライトなど無い時代、念のため)

「それで、汽車の窓から,提灯見えたの?」と私が聞いたら,父は苦笑いして「団体行動だし,兵隊が一杯乗っているんだから,そんなもの見てはいられないんだよ」

その丘を見ると、闇の中を近づき走り去っていく汽車に向かって、精一杯提灯を振り回す祖母の姿と、「丘に母がいるのだろうに」と思いながら目を向ける事もできず戦地へ向かう父の姿を思い浮かべて、ちょい、泣けた。

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2011/08/12 14:45
切ないですね☆

お母様は戦地にお子さんなど
本音はやりたくなかったでしょうね。
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2011/08/12 10:32
Necolaboさん 父が話す戦闘や死体の話よりも、この話に「戦争は嫌だなぁ」と思いました。
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2011/08/12 09:00
う・・・また目頭が・・・(T T)



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