読書ノート/エラントリス鎖された都の物語 上下巻
- カテゴリ:レシピ
- 2011/09/11 20:56:15
読書ノート
「エラントリス鎖された都の物語上下巻」
著 ブランドン・サンダースン
ハヤカワファンタジー文庫♪
久し振りに
知らない作家さんに手を出してみました。
題名はともかく、表紙の絵が今ひとつ
好みではなかったので、
どうしようかなー。。。と
悩んだのですが、
借りて良かった^^
魔法都市エラントリス
そこは神々に選ばれた
内側から発光する銀色の肌を持つ人々が
魔法の力で様々な奇蹟を起こしながら
暮らしている都。
彼らは瓦礫を食物に変え、
複雑骨折もアオン文字という奇蹟の文字を
空中に書く事によって一瞬で癒す技を持ち、
周辺の国々へも惜しみなくその恩恵を授け、
また周辺の国々から神としてあがめられていたが、
10年前、
突然その魔法の力は失われ、
住人達はことごとく、呪われ、
都市は汚泥に包まれ滅びた。
というところから始まるのですが。
えー。。。
今回借りた本に
「携帯電話俺」があるのですが、
これと、エラントリスには共通点が。
それは。
朝起きたら、身体上に著しい変化がおきていた。
たまーに、こういう偶然があります。
全く関係ないジャンルの本、
書いた時期も違うし、
題名からそんな共通点がある事など、
窺い知れぬのに、
読んでみると、
アレ?
こっちでもあっちでも、
地震が起きてますけど…。
みたいな。
なんだか不思議な符号染みて面白いですが、
イカンイカン。
えー。
物語の中身ですが、
魔法の話は確かに出てくるのですが、
魔法が主体ではない。
処が面白いです。
なんていうのか。
先日読書ノートを書いた
「僕とおじいちゃんと魔法の塔」
の中で、
おじいちゃんが、
魔法は魔法、お前はお前。
魔法や幽霊が存在しているのと、
おまえ自身がしなければならない事、
選ばなければならない道は
必ずしも一致しない。
自分をしっかり持って生きなさい。
的な事をおっしゃってたんですが、
そんな感じ。
主人公は王子だったのに、
シャオド=変身
エラントリスが滅びるまでは、
その都に住む事を許された神々からの選別の証だった
筈の変化が、
呪いとしてその身に降りかかり、
いきなりエラントリス=現在は廃墟に
捨てられる事に。
髪は抜け、気味の悪いあざが全身に散り
恐ろしい飢餓感にさいなまれ、
一度負った傷は治らない
呪いを身に受けつつも、
それでも
同じ環境に身をおき、
絶望に疲れ果て、
狂気に溺れ、
暴力で他者を虐げる人々の中で、
なんとか人間らしい暮らしを
取り戻そう!!と、
協力者を得て、
周りの人々を動かし始める。
という
王族として、
国民を治める為の義務を
既に王族としての地位も名誉も失っているのにも関らず、
果たすという。。。
いや、面白かったです。
後半魔法の力も出てきて、
こっちも面白いのですが、
魔法の力の扱いが、
なんていうのか。
エネルギーの利用の仕方。
みたいな。
アプローチが面白くて
それも興味深かったです。
またネタバレるので、
伏せつつ話しますが、
今野敏さん的なキャラクターの味わいがあって
面白かったです。
ワルモノとかイイモンとか。
それだけで終らせない。
其々の人間の人生の厚みを感じさせる
辺りが、良かったです^^
ロマンスあり、
政略あり、
魔法あり、
人間ドラマありの
なかなか読みごたえのある作品でした^^
★★★★☆
良太郎の星の数は、
星5…凄く面白かった+感動した。
星4…凄く面白かった
星3…面白かった
星2…面白かった気がする。
星1…時間つぶしになった。
星0…読むのに掛かった時間を取り戻したい。
あくまでも個人的な嗜好で決めてます。
私もアンハッピーエンドはちょっと苦手です。
ネタバレは申し訳ないですが、そんな私が面白かった一冊です^^
ハッピーエンドで無い物は嫌いなのですが、
幸せの予感はします。