夜桜
- カテゴリ:日記
- 2012/03/26 18:15:48
浮かれた人達が帰った後、月の光に照らされた花盛りの桜の木。木の根方の暗がりには,美しい姫君の姿がある。
至る所で小さな戦が繰り返された時代、追い詰められた山城の桜の木の下で、彼女は喉を突いたのだ。
血がしぶいて、目の前が暗くなって、崩れ落ちる瞬間に、盛りの桜の花を彼女はうらやんだ。血を浴びた桜は,その思いを受け止め飲み込んだ。
春になって桜が咲くと、満開の桜の下で姫君は月を仰ぐ。月は彼女の白い顔を照らす。もっと生きたかった、人を恋うてもみたかった・・・。彼女が泣くと,花が散る。
夜桜はきれいだけれど恐ろしい。私はこんなことを思ってしまう。でも本当は,花だけ先に咲くソメイヨシノは,ずいぶん後に作出された品種なんだ。山桜は葉っぱも出るよね。
nagataさん 行き倒れみたいな坊さんがよこたわっていたら・・・全然ロマンチックではないかも。でも最期に見る光景が満開の桜というのは悪くないですね。
願わくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月の頃
その故事をもとに梶井基次郎氏が書いた作品 でした