Nicotto Town



読書ノート/スリーパインズ村シリーズ/L.P


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読書ノート

「スリーパインズ村の不思議な事件」
「スリーパインズ村と運命の女神」

著 ルイーズ・ペニー

ランダムハウス講談社


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この感想文は書こうか課構いか悩んだんですが。。。

二冊目を読み終えた今、吐き出さずには居られない気分なので。。。

えー。

良太郎♪には面白い!!と思ってもダメな作家さんが何人か居ます。

理由は、後味が悪い。

国内では大人気作家のHKさんとかMMさん。

MMさんの作品は一時期、手に入る全ての作品を読みましたが、

気が付くと…新刊情報を得ても図書館に借りに行こうという気が起きず。。。

古本屋さんで美本が50円で売られていても…買う気になれず・・・

そしてある日気が付いたのでした。

後味が嫌いなんだな。と。

事件が終っても動かしがたい悲劇が残り続ける。

そこが嫌なんですね。

殺人事件はそれ自体悲劇ですが、

その悲劇を探偵が解決した時に、

新しい明日へ踏み出せる。そういう終り方が良いです。

探偵が全てを解き明かしても、

解き明かした事で、

殺人を犯してまで隠されていた患部がさらけ出され、

眼も当てられない悲劇が公になっているのに

殺人事件は解決されたから事件はオシマイ。で

放り出される関係者。

吐きそう。

救いはどこに?

彼らはこれからどうなるの?

という所でダメなんです。

と、此処までは、上記の国内の作家さん、HKさんとMMさんについて

彼らの本はいくら薦められても二度と読みたくない理由なんですが、

それと似て非なる苦しさがこのシリーズの現在読んでいる二冊にあります。

イヴェット・ニコル…殺人課に配属されて張り切るも周りの人間と上手くコミュニケーション

とれず、自分の殻に閉じこもり、孤独を舐め、その孤独を癒す為に、事件関係者に不必要


牙を剥いて、心優しい上司ガマシュ警部に捜査チームから追い出される新人捜査員。

・・・・・・・・・・彼女はごく普通の女性なんです。

恐らく。。。ですけども、とりわけ悪意に満ちた女性という訳でも無いのでしょうし、

極めて無能。という訳でも無い筈です。殺人課に配属されるんですから。

しかし。

彼女は既に出来上がっているチームに入る際に、自分から打ち解けようとしなかった。

上司の気を引くためにコーヒーやエクレアを用意しても、

捜査前に一緒にコーヒーを飲んだりして他の捜査員と無駄話から始まる

コミュニケーションが取れなかった。

そこからどんどん歯車が狂って気が付くと、嘘の捜査報告をしてしまうまでになってしまう。

こういうのは痛い。読んでいて痛い。

誰しも上手くやれない時というのはあって、

平静ならばありえない事をしてしまう事もあるんじゃないかと。

そして「不思議な事件」では彼女はウソの報告をあげた後、チームから疎外された苦しさを

聞き込みの相手に誹謗中傷でぶつけて、ガマシュ警部から追放されてしまう。

これはそういう扱い難い新人、不器用な新人というキャラで終るのか…?

後味悪いな。。。と思いつつ読み終えていたら、

次の「運命の女神」でも出てくる。

・・・・・あの読んでて辛い女刑事か。会いたくないな。と思いつつ、読んでいると、

出てくるのがガマシュ警部とその右腕の警部補との会話や回想の中で、

無礼で傲慢で無能だった新人捜査員。もう二度と会いたくない。悪夢だった。と酷い思い出されようで・・・

辛さ倍増。

にも関らず、警視の意向でまた登場。また捜査チームに加わり、

今回は少し好感度を上げる。

こうして不器用な若者が少しずつ周りと上手くやっていけるようになる話なのだろうか。

とちょっと和んだら。。。。ネタバレになるので伏せますが…

事態は更に深刻で辛い展開に。。。

「不思議な事件」からずっと警部たちの会話の隅に現れていた謎の「アルノー事件」

これに端を発して事件とは別の所で、何かが起こっている事を

ずっと匂わされ続けていたのですが、

その何かが。

そして「アルノー事件」がどういうものだったのか、「運命の女神」で明らかにされますが…

それは明らかにされるだけで。。。

困難はこれからだ!!

みたいなー?

ジェイソンの恐怖は終らない。みたいなー?

・・・・・・・・・・・・という訳で…。

えー。二冊とも。

面白かったけど…この作家さんの本はもう読みたくない気分と…

三巻の表紙の折り返しにも出ていた、登場人物イヴェット・ニコルの文字の意味するものが・・・

彼女の再生の物語であればいい。なら読んでこの後味の悪さをナントカしたい。

という…欲求に揉まれて…ただ今惑乱中です。


読後感は…という訳で決して面白くなかった訳ではないのですが…

星ゼロ  ☆☆☆☆☆

読む前の時間に戻れるならば、

図書館でこの本を手に取ろうとしている自分を止めてやりたい。

独断と偏見に満ちた感想でした。

※ 私の読書ノートは書評ではなく、個人的な読書ノートです。
つまり、作品のよしあしに関係なく、自分が後で読み返して、もう一度読みたくなる本なのか、二度と読みたくない作品なのか、の手掛かりにするのが最重要なので、
極めて個人的な感想です。





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