読書ノート/ママ、手紙を書く/J・ヤッフェ
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/03/22 14:23:55
読書ノート
「ママ、手紙を書く」
著 ジェームズ・ヤッフェ
図書館の本です。
…
この読後感の納得のいかなさはなんだろうなぁ。
・・・
水戸黄門とか銭形平次とか、
暴れん坊将軍を見ていると、
時々、
運命に翻弄されて、
いけない事とは知りつつも、
つい悪事に手を染めて…
という哀しい犯罪者が現れて、
その人をどうするか。
が、
主人公の立場や性格で変わってくるのですが…。
まぁ、
大抵、他のワルモノどもは皆さん打ち首獄門台
のところを、
罪を減じて二年間の江戸ところ払いで済まされ、
罪を悔いて償って帰って来いよ。
か。
物語のクライマックスで主人公や大切な人を庇って
涙の落命。とあいなるのですが・・・。
今回のママは…。
うーーーん。。。。
なんと言うか・・・国民性というか
宗教性というか。
が、
根幹にある物語で、
その辺が興味深いですが、
理解がしきれない気がするのは、
私がユダヤ教徒じゃないからですかね。
つくづく、宗教というモノが作る人生観というか
ユダヤ人がいかに迫害されてきたのか。
というのが…。
日本は自然に恵まれたアジアの一角で、
ふんだんに天からもたらされる恵みに感謝し、
神々を感じて、
沼の神さま、池の神さまと、
八百万の神々に囲まれてきたので、
他所から来たキリストもエホバも、仏陀も
何でも新しい神さま増えたー。
テナ位の気持で、
受け入れちゃってるんですが…
それをだらしが無い無宗教な態度と見るか、
寛容さと見るか…。
人を裁く元になる、
善悪って、
結局その社会の維持の為に
何がもっとも適しているか。
になるんじゃないかなって。
で。
その社会の維持の根幹にあるのが、
宗教による一体感である場合、
宗教観は大きな判断材料になるわけで…
桜は散ってもまた来年咲く。と
当たり前に信じてきた我々と、
花は植えなければ咲かない。
咲く花は土地に居続けられなければ見られない。
なハングリーな歴史を持つ民族が持つ宗教観が違うのは当たり前であり、
其処から生まれる倫理観が違うのもまた必然。
となると・・・。
とかー・・・・
色々考えさせられるママの選択でした。
ネタバレを避けると
なんだか難解な感想になっちゃったんですが…
そういうところも含めて興味深い一冊でした。
…そういう意味で言えば、確かに面白いんですが…
ユダヤ教徒ではない私にはやはり最後どうにも気持悪かったので…
★★★☆☆
でも。
爽快感や面白かったという快楽ではなく、
考えさせられるから。という意味で、
何年かに一度読み返したい一冊でありました。
・*・*・*・*・*・
良太郎の星の数は、
星5…凄く面白かった+感動した。
星4…凄く面白かった(読み返したい)
星3…面白かった
星2…面白かった気がする。
星1…時間つぶしになった。
星0…読むのに掛かった時間を取り戻したい。
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