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読書ノート/犬はどこだ/米澤穂信




読書ノート

「 犬はどこだ 」
 
米澤穂信 著


文庫目録からの発見本

未見作家さんでしたー!

知らなかった昨日までの自分に教育的指導

テェィッ!!

この本に惹かれたのは、

文庫目録の紹介が揮っていたからです。

探偵を開業するにあたって、<紺屋S&R>が
想定していた業務内容はただ一種類。犬だ。犬探しをするのだ。
それなのに、舞い込んだ依頼は疾走人捜索と古文書の解読。
以下続くのですが、
これだけで十分!!
ぷんぷん匂ってくる面白さに
図書館に予約申請させて貰いました。

で。

結論。
面白い。

以前、マイケル・ムアコックの
ヒロイックファンタジーが古い作品なのに、
ヤル気の無い主人公、
イマドキのユルイヤル気の無さではなくて、
なんだろうー?
本気でヤル気の無い・・・・・。
で新しくて吃驚した。という日記を上げた事がありましたが、
これと似てる。

この作品は新しい作品なんですが、
普通、ハードボイルド小説ファンだの、
ミステりファンが探偵事務所を開くもんですが、
ココの主人公は単に、子供の頃に野犬から
妹を守った経験がある。というこの一点のみの
根拠で、犬探し専門の仕事をする。と
決めてたのに・・・・。という
そんな彼が、
押しかけ所員と共に事件を解決していく様が、
大変に面白かったです。

後、主人公がアトピーが原因で
順風満帆の筈だった人生からドロップアウトして・・・というのが、
イマドキで、凄くリアル。

簡単に人生はドロップアウトできて、
その後、どうしたら、
歩む筈だった人生に戻れるのかが
さっぱり判らない。
しかし
とにかく歩き出す。

舞い込んだ事件も
ネットストーカーの異常さ、
対人関係の微妙な緊張感。

凄く「今」な感覚が
生々し過ぎない絶妙なバランスで
描かれていて
凄く面白かったです。

個人的に謎なのが、
終わり方が、
私が嫌いな、
確固たる悲劇を飲み込んだままの
終結?であるのにも関らず、
何故か、過去MM作品やHK作品等に感じた
不愉快さがない。

飲み込んだ飴玉が胸に引っかかったままの様な、
苦しさ。
けれど、静かにこれは溶けていくのだろうか。と
経過を見ようと思える様な…。

米澤さんの作品は他の作品も
題名に強く惹かれるものを感じるので、
是非、他の作品も楽しませていただきたいと思います。




★★★★☆








良太郎の星の数は、

星5…凄く面白かった+感動した。
星4…凄く面白かった
星3…面白かった
星2…面白かった気がする。
星1…時間つぶしになった。
星0…読むのに掛かった時間を取り戻したい。

全ての感想はあくまでも個人的な感想であり、
それが、該当作品の価値を左右するものではありません。






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