読書ノート「太陽の石」乾石智子
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/05/11 00:59:25
読書ノート
「太陽の石」
著 乾石 智子
深い!
今回の読み終えての一言は、
この一言に尽きます。
面白かったーー!
今回の物語は、二冊目の「魔術師の月」
で起きた悲劇に深く関る物語でございました。
今回の光と闇の闇のパートを受け持ったのは、
とある女性なのですが、
彼女が、どのようにして心に闇を呼び込んでしまうのか。
これが凄く興味深かったです。
なんというか。
世の中には、
人を呪う事を生業か生きがいにしているのか?
と思うほど、悪意に満ちた人や事象もあり、
それらに触れた時、
良太郎♪は、それらについて考える事すら怖ろしい。
穢れとハレでいう、
穢れですな。
触れてはならぬもの語ってはならぬもの。
理解の叶わぬ理解の必要もないもの。
として、
遠巻きにしてしまうのですが、
この物語の中で、
やがて怖ろしい闇の化身と化してしまう女性の、
闇への道行きの追体験は、
とても身近なものでした。
ミステリの中に、
人を殺すか殺さないかは、
ほんの些細なきっかけであり、
それは自分は決してしない。
自分とは縁遠い他人事ではないのだ。
という様な記述が偶にあるのですが、
そんなカンジ。
闇は遠くにある穢れではなくて、
いつも人の傍にある危機。
人の痛みも苦しみも憎しみも知らずに
ただひたすらに光の中にあるならば、
闇の恐ろしさも他人の痛みも苦しみも憎しみも
知る事が出来ないままに終る。
闇を知り、知った上で染まらぬ強さが大切なのだ。
という・・・のは良太郎♪が感じたことですが、
本は読む人、読む人其々に違う顔を見せるもの。
他の人にはどの様な顔を見せるのか。
大変に面白かったこの本を、
また数年後に読み返して見たい。と
思いました。
時を経て変わった自分に、
この本はどのような顔を見せてくれるのか。
とても愉しみです。
★★★★☆
・*・*・*・*・*・
良太郎の星の数は、
星5…凄く面白かった+感動した。
星4…凄く面白かった(読み返したい)
星3…面白かった
星2…面白かった気がする。
星1…時間つぶしになった。
星0…読むのに掛かった時間を取り戻したい。
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