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読書ノート/さよならドビュッシー前奏曲/中山七里


 




読書ノート

「 さよならドビュッシー前奏曲 」
要介護探偵の事件簿 
中山 七里 著


図書館の返却棚で見つけたこの本。
このミス大賞受賞作。
という事で、気になったので借りてみました。

・・・って実は、このミス大賞よりも、
要介護探偵という言葉の方により惹かれました。

だって、このミスは・・その・・・
好みの問題で、なんじゃこりゃWWW
と思う作品もあるので…。

評価本の評価よりも、自分の嗅覚を信じて借りてみました。

結果。

すっごく面白かったです。

謎の方は・・・・・、
良太郎♪は本来、
犯人探しはしないで、物語を楽しむ派
なのにも関らず、

これ?

・・・・あ.合ってた・・・の・・・。

というちょっと気抜けする処がないじゃないんですが、
ソレを補って余りある
魅力的なキャラクターが素晴らしいです。

探偵役の要介護認定されている70歳代のお爺ちゃん。
この人が、
容赦ない!!!
しかし、その厳しさの裏にある深い愛情がスゴイ!

体罰か愛のムチか。
これの愛のムチを周囲の批判を恐れずに、
迷うことなく揮う。

そして見守る。

その愛は残念ながら相手に通じない事もあるのですが…
読んでいると、
愛のムチを揮う人の覚悟が見えてきて、
ウサ晴らしで殴っているのとは
一線を画しているのだという事が、
本当に良く解るというか・・・・。

要介護探偵と四つの署名

で、お爺ちゃんが最後に犯人達に署名をさせるくだり。
本当にありがたいなぁ。と
ぐっと胸に来るものがありました。

なんというか、
口先だけの奇麗事はたくさんこの世に溢れていて、
同じ位、
奇麗事を否定して賢い生き方はこうだ!
みたいな必要悪の正当化も溢れていて、

どっちも同じ位、辛いんですけど、

玄太郎おじいちゃんの
世の中でナニが奇麗事でナニがそうではないのかなんか知らん。
ワシはワシが正しいと思うことを、
したら良いと思うことをするだけじゃ!
好きなことをするだけじゃ!
文句があるなら言え!
ワシは批判される覚悟を持って好きなことをするから、
不満があるならワシに言い返される事を覚悟して、
文句を言って来い!!

みたいな潔さがなんともいえず…爽やかです。

あくまでも読んでいて、良太郎がそう感じただけで、
お爺ちゃんが上記の文章の通り喋った訳じゃないです。

こちら、既刊の「さよならドビュッシー」の
序章的な話。として、
二冊目に出された本のようです。

残念ながら、これしかなかったので、
これから予約を入れようと思ってるトコなんですが・・・
なんか前奏曲の推奨文?で、
さよならドビュッシーは面白いけど哀しい予感が・・・。
どどどどどうしよう~・・・。
もしもお爺ちゃんが亡くなられたりするのなら…
読まずに何時までも良太郎♪の頭の中では生きていて欲しい気が…。
うーん。うーん。


しかし…それにしても・・・・・
面白かった。

これは手に入れるチャンスがあれば、購入したいです。


★★★★★


良太郎の星の数は、

星5…凄く面白かった+感動した。
星4…凄く面白かった
星3…面白かった
星2…面白かった気がする。
星1…時間つぶしになった。
星0…読むのに掛かった時間を取り戻したい。

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