Nicotto Town


心理カウンセラー


【認知行動療法】

認知行動療法はアーロンベックが鬱病の治療などに率先的に取り入れた方法です。


日本でもベックの認知行動療法は有名で、本屋さんに行けばベックの認知行動療法の書籍がすぐ見つかります。


ただし、ベックの認知行動療法は、私から見ると非常に複雑で、精神的に重く落ちている方には、簡単にできる療法とは思えません。


認知行動療法とは、自分の考えている事や、悩んでいる事の内容を自分で第三者的に評価して、偏っている部分(バイアス部分)を自分で気が付いて、修正して行こうという心理療法を言います。


実際の臨床現場で使う認知行動療法は、色々な質問があらかじめ用意されており、24時間単位で細かく、その時の気分や原因、不快度、イライラ度、苦痛度などをチェックし、日誌の様な形態で毎日、毎時間、記載しながらカウンセラー等と一緒にアセスメントしていき、問題となる部分の改善を行動を通して試みて行く治療方法です。

本格的な認知行動療法は、時間もお金もかなりかかります。また認知行動療法を行っている専門の機関へ行く必要があります。

しかし、以上の様な本格的な認知行動療法を行わなくても自分である程度までなら、自分の心の問題に気が付いたり、改善したりする事ができる認知行動療法もあります。


これから、御説明するのは、私が考えた可能な限り簡素化した認知行動療法です。要領さえ御理解いただければ、御自分なりのやり方でも良いと思います。

では、ご説明させて頂きます。


まず、誰にも見せないノート、または心を許せる人にしか見せないと決めたノートを用意します。


そこに、「今日の気分」と言う欄を作り、さらに5段階評価、または10段階評価の欄も作り、その日の気分に点数をつけます。


良い・悪い・普通の3段階でも良いですが、5段階評価程度は理想として欲しい所です。


これは細かい評価であればあるほど、後で自分の気持ちを振り返った時に細かく分析できるからです。


次にその点数を付けた理由を記載する欄をさらに作り、その評価の理由を、その欄に記載します。


例えば「今日は最悪。評価1。理由は仕事で大きなミスをした。それも気に入らない部下のせい。」と言った感じに記載します。


次に、その評価に至った原因などを書く欄もさらに作り、自分なりの気持ちで良いので、思った事を書きます。わからない時は、その気持ちを書きます。


これは良い評価であっても、悪い評価であっても、その評価に至った原因を自分で考えて書きます。


書き方のフォーマット的な決まりは特になく、独自の形式でエクセルなどで作成しても良いでしょう。


日記の様な形態ですが、日記とは少し違います。その日の気分に点数をつける事と、その気持ちの原因を分析する所が、感情的に書きっぱなしの日記と違う所です。

なるべく簡潔に評価と、評価の根拠を記載するようにした方が日記の様にならないコツです。


そしてこの認知行動療法帳を数週間後、または数か月後ごとに見直して(毎日でも結構です)どんな時に精神的バランスが、良くなったり、悪くなったりするのかと言った自分固有の傾向性を自分なりにゆっくり見てみます。


また、毎日、自分の気分に評価点をつけているので、自分の気分変動グラフも作れます。

この時、可能であるならば、信頼できる知人と一緒に不振り返った方が、自分では気が付かないアドバイスを頂ける可能性が非常に高いです。


何故ならば、第三者と言う存在は、他人の傾向性を結構、冷静に見れるものなので。それが、集約された認知行動療法の記載記録となれば、さら冷静なコメントが貰える可能性が高まります。


これらの方法によって、自分の心の傾向性と、問題点のアセスメントを分析し、実際に改善に必要な行動に移していこうとするのが認知行動療法になります。


ちょっと、面倒に思われるかもしれませんが、これでも、本格的な臨床心理学のものと比べると、相当、簡単になっています。

繰り返しになりますが、認知行動療法は、隠された自分の心の問題点を毎日、少しづつ、ゆっくりと分析していき、それを積み重ねる事で、本当の心の問題点に徐々に近づき、そして自分には何が必要なのかを認知しようという方法です。

したがって、途中から結構、きつくなって来る場合があります。これは人間の本能で自分の持っている問題点に近づいていくと、そこから逃げたいという心理が働くためです。

ですので、
本来ならば、信頼できる友人や心理の専門家の優しいアドバイスを貰いながら、記録と行動を繰り返していく方ががベストなのですが、単独で行っても、隠れていた自分や、何かしらのヒントが見えてくると思います。




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