々の向こうに見え
- カテゴリ:日記
- 2013/08/26 10:39:49
フィオンが微笑みかけると、赤くなって少女は父親の後ろに隠れた。そんな可愛らしい姿に、フィオンとブラットナー伯爵の笑いがもれる。
「それではフィオンさま、今宵はここで。夏の女神の祝福がありますように」
「ブラットナー伯にも。そして、小さいレディにも、ね」
少し姿勢を低くして、フィオンは少女に笑いかけた。
ブラットナー伯の後ろに隠れていた少女がおずおずとスカートをつまんで頭を下げると、伯爵親子はその場を後にした。
組み木に火が灯されるあたりからがお祭りのメインである。
広場で直接その瞬間をみるには、そこは人でごった返している。そのため園内にあるドーム型の楼閣に席を確保していたフィオンは、そろそろその場に移動しようと振り返った。
コレットに言葉をかけようとして固まる。
さっきまですぐ側にいたはずの彼女がいなかった。
その場にコレットがいたことを示すように、フィオンがいる場所よりも数歩離れた場所にはコレットに贈った花冠が落ちている。
それを拾い上げると、フィオンは急いであたりに首をめぐらせた。つい今までいた形跡があるのだから、そんなに遠くにいけるわけがない。<a href="http://www.yadonqc.com/">tory burch 心斎橋</a>
「コレット!」
フィオンの声に、人ごみで少し離れてしまっていたロイドがその波をかき分けて近づいてきた。
「フィオンさま、どうされました?」
「コレットがいなくなった。ロイド、お前は見ていないのか?」
その言葉にロイドの顔からさあっと血の気が引いた。
ブラットナー伯爵が来たときに、ロイドの目からコレットが死角となっていた。伯爵が来る前までは確かにフィオンの少し後ろにいたのだが。
「探すんだっ!」
「はいっ!」
ロイドは頭を下げると、慌ててその場を後にした。
25.拘束
夏至の夜、徐々に薄暗くなっていく園内にランプが灯されていく。
空はまだ明るさをたもっているが、木々が並ぶ遊歩道や物見台となっている二階建ての楼閣などが落とす影は暗い。灯されたあかりはそんな暗がりをやさしく包んでいった。
そんな人ごみの中から、フィオンの知り合いらしい貴族の姿が近づいてくる。その姿に、あいさつをするのに手をあずけていては失礼になると、コレットはフィオンの腕からあずけていた手をそっとはずした。
手を離してフィオンから少し離れた瞬間、とんと肩がおされてコレットはよろめいた。その衝撃で花冠が頭から落ちる。
急に歩く速度を落としたためかと、コレットは腰を落として地に落ちた花冠に手を伸ばす。しかし、コレットが手に取るより早く、花冠は目の前からすいっと動いた。
顔を上げて花冠を目で追えば、それを手に取ったのは身なりのよい女性だった。ちょうど灯されたランプのあかりが逆光となって、女性の横顔ははっきりとは見えない。
それを返してもらうため、コレットが立ち上がり声をかけようとしたときだった。横から伸びてきた手にコレットの腕がつかまれる。<a href="http://www.yadonqc.com/">韓国 tory burch</a>
(えっ?)
自分の腕におかれた手に、コレットは目を瞬く。
自分の腕をつかんだ相手を確かめる間もなく、握られていた腕に力がこめられたかと思うと、ぐいっと引っ張られる。その力でよろめけば、相手はそのままコレットの腕をつかんで走り出した。
花冠を手にした女性は、ちらりとコレットのいた場所に視線をむける。そして再び花冠に視線を落とすと、眉根をひそめて花冠を投げ捨てた。そして何事もなかったように歩き出し、人ごみの中に消えていった。
腕をつかまれたまま、引きずられるようにコレットの足が動く。
いきなりのことで、何が起こっているのかわからなかった。
「や……」
慌てて声を上げようとすると、建物の影に引き込まれ口をふさがれる。その手を何とか引き離そうとコレットはもがくが、思っていた以上に相手の力が強い。
後ろから片手を拘束され口をふさがれているコレットは、背後に密着した相手を何とか確認しようと首を動かす。http://www.minqiaoedu.com/ kate spade shop
そこでやっと自分を拘束している相手の姿がちらりと見えた。
コレットよりほんの少し身長が高いぐらいの女性が、コレットの片手を後ろ手につかみ口をしっかりとふさいでいる。暗いため、女性であることは分かってもその姿をはっきりととらえることはできなかった。
コレットはあたりに視線をめぐらせた。何とかこの状況を回避しなくてはならない。
しかし、みなの興味が広場に向かっている現在、建物の影となって死角となっているこの場所に視線を向けるものなどいない。建物の裏側には木々が植えられていてさらに人目が向きにくい。木々の向こうに見えるあかりの下にはたくさんの人がいるのに、声も出せない状況では気が付いてさえももらえない。
コレットがまわりを確認していることを、反撃がやんだと思ったのか女が急に動いた。
コレット口を押さえていた手をはなし、腕をつかん