が雲宮で見かける少年た
- カテゴリ:日記
- 2013/09/17 11:14:29
郡ぁ⑹丐椁欷郡?
そのすべてを受けとめようとする右手。
「はい」
朱雀はうなずくと、左手で彼女にふれた
握って、立ち上がって
もう二度とその手を離さないと誓う。
視界の先は白くかすんでいた。
ふたりは息を吸い込むと、微笑みあって
はじめの一歩を、とんと踏み出した。■1話<黄色の風紋>の主な登場人物
狭霧(さぎり)…出雲(いずも)の武王の娘。極上の血筋を持つが、相応しい才能はない。
輝矢(かぐや)…出雲の敵国、伊邪那の王子。人質として幽閉されている。
高比古(たかひこ)…実力だけで出雲王の名代の地位を掴み取った、若い策士。
大国主(おおくにぬし)…英雄として名高い出雲の武王。狭霧の父。本名は穴持(なもち)。
安曇(あずみ)…大国主の側近であり片腕。狭霧の父代わり。
須勢理(すせり)…狭霧の母。伝説の女将軍として、死後も称賛される。
彦名(ひこな)…大国主と対を成す東の王家の王であり、出雲王。高比古の主。
須佐乃男(すさのお)…かつて出雲に繁栄をもたらした賢王。狭霧の祖父。
遠比古(とおひこ)…輝矢と引き換えに、人質として伊邪那へ渡った王子。狭霧の弟。
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序、野つ子
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狭霧(さぎり)にとって一番安心できる場所は、いつでも輝矢(かぐや)のそばだった。
うれしいことがあれば輝矢のもとへいくし、いやなことが起きても狭霧の足は輝矢の館に向かう。
いや、そこを輝矢の館と呼んでいるのは狭霧だけだった。たいてい人はそこを、別の名で呼んだのだから。その名は……貴人の牢屋といった。
夏が終わったばかりの風の強い日。
輝矢のもとへやってきたものの、その日の狭霧は、館の木壁に背を預けて黙り込むだけだった。十歳の狭霧の顔は暗く沈んでいた。
でも、言葉などなくても、そんなふうに狭霧がふさぎ込んでいる理由を見つけることくらい、輝矢にはたやすいことだった。
「かあさまのご病気、良くないんだって?」
輝矢に尋ねられると、狭霧は唇を突き出して答えた。
「わたしね、聞いちゃったの。呪いの病なんだって。野つ子っていうのがね、かあさまを死に呼んでるんだって」
狭霧はじわじわと膝を抱えていった。
「最近、へんなの。とうさまも安曇(あずみ)も侍女たちもみんな機嫌が悪いし、ぴりぴりしてて……。輝矢のことも悪くいうの。ひどいよね、輝矢はここから出してもらえなくても、文句もいわずにおとなしくしてるのに。輝矢はなんにもしてないのに」
狭霧はじんわりと涙目になる。なぜ輝矢が、この小さな館に閉じ込められているのか。幼い狭霧にそれは、えらく理不尽なことだった。
悔しがる狭霧の耳元に届いた輝矢の声は、とても小さかった。
「きっと伊邪那(いさな)で、大変なことが起きたんだよ」
そのうえ声は震えていた。輝矢はぽろぽろと涙をこぼしていた。
狭霧は首を傾げると、そばで自分以上にうなだれる同い年の少年の顔を覗き込む。
「どうしちゃったの。輝矢までへんよ」
それから細い腕を伸ばして、抱きしめた。
狭霧の小さな手に黒髪を撫でられながら、輝矢はぼんやりとしてつぶやいた。
「たぶん、野つ子って遠比古(とおひこ)のことだよ。……野つ子ってなにか知ってる? 死んだ子供の霊のことだよ」
「死んだ子供?」
狭霧はきょとんとして、輝矢の髪を撫でる手を止めてしまった。
伊邪那という異国の出の輝矢の目は愛らしい二重で、顎は細く、出雲(いずも)の顔とは幾分ちがっていた。普段からどこか凛とした振る舞いをする輝矢は、狭霧が雲宮で見かける少年たちとは比べものにならないほど落ち着いて見える。い