Nicotto Town



古本の魅力

おとといの晩のことでございました。

行きつけのスーパーのタイムセールでしこたま安いものを仕入れてホクホクしながら帰り道についた良太郎♪

いつも通るマンションの駐車場入り口に、なぜか。本が山積み。
見ればどれも面白そうな本ばかりです。
最初に目についたのは、サルトル・ニーチェなどのハードカバーで、
古き良き時代の出版物の匂いがプンプン♪
うお!!と思いましたが、
哲学者の本には暗い思い出があります。
中学生の頃、背伸びして読んだ「孤独な夢想者の散策」だったかな。
あれは…ひどかった。
哲学の施策があるのかと思いきや、あるのは学会から爪弾きにされ、
孤独と貧困にあえぐ作者の恨み言が延々と延々と…。
言いたいことはわかるんですよ。
わかるけどさ。
これ。
他人に読ませるもんか?みたいな。
哲学者というものに夢を持っていた時代だったので、
これは・・・・・とかなり幻滅した覚えが。
てなわけで、
そのへんは気になるけど・・・気になるけど・・・・と思いつつ、
見るだけにしておき、紐で束ねられた本をずっと見ていたら・・
小咄本があるじゃないですか。
これまた中学生の頃、図書館で借りて夢中になったものですよ。
フランスの小咄。
日本の小咄。
アメリカのホラ話。
わーーいvvv
これって、明日の紙ゴミとして出てるんだよね?
もらってもいいかなー。
ゴミだよね?
綺麗に積み上げてるけど、
誰かが来るまで取りに来る人のために積んであるんじゃないよね?
と、すでに買い物でいっぱいのかばんを抱えたまま、しばし熟考。
と、マンションのお向かいの奥さんが出てきて、
良い本ある?
これ、ゴミだから好きなのがあればもって帰ればいいわよ!

ほんまですか?
いや、ええ本あるなぁおもてたんです。

という訳で、2つばかりの塊を掴んで帰ったのですが、
小咄本は期待通り!!
アメリカのホラ話が冗長な割に今ひとつ面白くないのと、
フランスの小咄は愛の国と言われるだけあって、エロチカセブン。
・・・まぁ。
日本の話にもシモネタもあるんですけどさwww
艶笑って言葉もあるくらいで、
シモネタ親父のセクハラギャグ。
みたいなのは昔からあって、まぁ。それも良くも悪くも文化つーか。

それが対応として良いのか悪いのかは良太郎わかりませんけども、
そういうセクハラギャグというのは、
しょーがねーなーこのオッサン。という態度を全面に出して
笑って許してやるよ。という態度を取ることにしています。
悪意がなければさ。
何を面白く感じるかという事の、世代間のギャップというのはどうしようもない所もあるし、
相手からの探りで出てくる場合もあると思うので。
俺が若い頃、こういうギャグを先輩が言うと、
若い女の子、嫌がってたなぁ。
イマドキの子はだいぶアレらしいけど、どうなんだろう?
一つ試してみるか。的な?

まあ、アメリカのホラ話も冗長な部分も含めて文化だと思うし、
フランスも同じ。
日本の小咄は風俗が今では落語の中にか出てこないものもあって、
注釈がないものは、これはおそらく…このオチになにか通俗的なものがあるのだろうな。と
推測するばかりというのもあるのですが、それもまたよし。
面白いです。

一番良かったのが、日本の小咄が短いものは4・5行で終わる、どれもこれも極めて短い、
ツィッター小説的なものが多い所で、
これが認知症の家族の極めて短い集中力に耐えうる長さであり、
また面白いから次を読もうという気力を産んでくれているんですね。
最近は、認知症改善の為にして貰ってる新聞のテレビ欄の「見たい番組に印をつける」チェックさえ、
!とか▽を全部拾って印をつける。
肝心の番組は見落とす。
こちらからヒントを出しても
「わからん」「しらん」しか言わなかった家族にしては素晴らしい成果です。
読んで理解して笑う。
・・・ほんっとありがたい。

宝物を拾った思いです。
これが、筑摩書房で出版当時の価格で480円。
お金の価値が違っていたとはいえ・・・・

見た感じ・・・おそらく、蔵書主のお父様かお祖父様がお亡くなりになったあと、
家族が後片付けで捨てたんでしょうね。
古本屋さんに持っていけばいいのに。と思う反面。
こういう本を大事にしてくれた個人商店の本屋さんが今はもう随分潰れちまったからなぁ。と
しんみり。
ブックオフばかりになって、いや、ブックオフにはブックオフの良さがあって、
知識のないアルバイトが担当するので、価値のある本も捨て値で売っている可能性があるというせどり屋さんなんて商売が成り立つのもブックオフさんのおかげなんでしょうけども。
でも。
読み終わった流行の雑誌や小説ばかりではこういう本当の古本というのは手に入らないので、キピしい時代になったなぁ。。。と。

かくいう良太郎♪も認知症の家族から離れなれないので、
行きつけの古書店にも年に一度行ければ良い方。ですっかりご無沙汰してまして、
店主がご老体なのを思うと、次に行ったら閉店しているのではないかと戦々恐々している次第。

もっと行かねば・・・・・・。

なんとか時間を作って久しぶりに行ってみたいと思います。


・・・・しかし。
週に二回、午前中三時間ばかりあずかってくれていた老人会が週一回になっちまって…
図書館に行くのが精一杯みたいな状況なんすよね。
そして図書館は案外、本を廃棄する。

まぁ、無限に増え続ける出版物をどこかで整理しなければいけないという事なんでしょうけど、出版不況が深刻な為、出版社さんも見切りをつけるのが早くなってきているので…。

良太郎♪の愛読書に各出版社の文庫目録というのがあるのですが、
これで面白そうなものを見つけて図書館にお願いしても、新書では手に入りませんでした。
近隣の図書館と貸し借りをしてくれるシステムでも、手に入りませんでした。
なんて憂き目もしばしば。
これは古本屋さんを歩いて探すしかないんでしょうけど、私にはその時間がない。ときたもんだー。

あの本たち・・・どうなったんだろう。
よく、市役所が「資源ゴミの持ち帰りは条例違反」などと張り紙をしていますが、
廃棄されるだけならば、資源ゴミの中からめぼしいものを見つけて古本屋さんに持っていく、
彼らに活躍してもらいたい。と密かに願う良太郎♪です。







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