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読書ノート/トリポッド/ジョン・クリストファー



読書ノート

「 トリポッド 」
 
ジョン・クリストファー 著








思い出の本との再会。

良太郎♪には忘れられない本がいくつか有ります。
忘れられない。
のは、
その後二度と読めていないから。

そのうちの一つであった
「鋼鉄の三本足」シリーズと
再会出来たのはこの上もない幸福です。

って良太郎♪が知らなかっただけで、
随分前に復刊していたらしいんですが。

だがしかし。
題名も構成も変わってるんだもん。
びっくりですよ。


事の次第は・・・

図書館でいつものように本を探していたらですね…
トリポッド4というのがある。
変な名前だなあ。と
思いつつ手に取ると…
その表紙のイラストが…
記憶の扉を叩くのです。

えっ?

と驚きながらもとにかく1から3を確認して・・・と
大慌てで図書館内の所蔵を確認するべく
端末を叩かせて貰ったのですが、
所蔵なし。

しかし過去に所蔵されていた記録はあり…

つまり。
盗難にあったか…除籍されたか。
現在、最寄りの図書館にあるのは
4巻だけ。という
鬼畜なことになってたんですね。。。

なんちゅー…

しかし。嘆くなかれ。
図書館には相互貸借という素晴らしいシステムが。
近隣の図書館から借りてくださるという方法があるのです。
という訳で・・・・!!

借りてもらえませんか!!!

お願いしました。

ちなみにこれでもダメな時があります。
どこの図書館も持ってない。と
断られたのか…
もしくは…

と、まぁ。いろいろ不満に思うところはありますが、
本来ならば自分で購入しなければならない書物を
タダで読ませてくださるってんだから、
逆恨みするのもいかがなものかという。

さて。
今回は、幸運に恵まれ、
なんと近隣といえば近隣といえなくもない。
みたいな。
遠い県から借りてきて下さいましたよ!!!!

ありがたやーー!!!

という訳で、
とにかく早くお返ししなければならない1〜3を
先に読ませて頂きました。

いやいつもどおり二週間借りることは出来るのですが、
申し訳ないじゃん?
なので
個人的なルールというか心がけなんですが、
他の図書館から借りていただいた場合には
サクサク読み進める事にしています。


で。

読んでびっくり。
まず4冊構成になってたので、
あれ〜?
記憶の中では三部作だったはずだけど…。
1と2巻は図書館にあったけど3だけ読めなくて気になってたんだよね…。
文庫版になる時に編纂とか触ったのかなー?

思いつつ、第一巻を読んだら、
まず全然記憶と違う。

と思いつつあとがきをめくって納得。
鋼鉄の三本足シリーズは記憶通り三部作だったけれども、
近年、前日譚に当たる物語を作者さんが
新しく書きたしてくださって、
それが現在の1巻になってるんですね!!!

なるほど!!!!!


驚きながらも納得して
以前とは全く違う物語を驚きを感じつつ読み進めて、
現在は4巻です。

はい。お借りした本は読めたので傷めない様に梱包して
返却予定の本と一緒にしてます。
で。
これは安心の最寄りの図書館の4巻を現在読んでいるのですが…

いやはや!!!
面白い!!!

そして全然古くない。

そらね。
先日楽しませていただいた
Gene Mapperとか
アシモフとか
フィリップ・K・ディックとか
と比べると、
これでもかー!!!!
みたいな現在の技術というはないです。
しかし。

他の銀河からやってきた侵略者に侵略されていく惑星の有様。
そしてそこから反逆に向かう人々の有り様。
それらが物凄く良いのです。

はい。
簡単に言うと、
この物語は、

宇宙人に侵略された地球人が立ち上がり地球を取り戻す物語です。
・・・多分。
いや、まだ最後まで読んでないからw

そういうと、
あー…

と思うかもしれない。
しかし、
良太郎♪はあえて言いたい。

何も言わずに一度読んで欲しい。
子供の頃、
大好きだった物語に必ず居た
導き手がいる物語。

目指すべき大人がいる物語。
尊敬するべき大人がいる物語。

ゲド戦記におけるオジオンの様な、
ああ。
児童文学ってこういうものなんだ。と
いう感慨と共に、
SFとしても
最先端技術の可能性へのイマジネーション抜きに語られる
人間の未来の物語。

好きですよ。
現在の最先端技術を元に、
未来世界ではこんなこともこんなこともできるに違いない。
人の生活はこのように変わるに違いない。
というイマジネーション。
大好物です。

だがしかし。
それらがなくても
SFは成り立つ。
世界がどのように変わっても
人が人としてあることに変わりはない。
みたいな。

うーん。。。
良太郎♪は
実は、SFの認識が甘いです。
宇宙が舞台ならそれが科学的創作話と言えるほど、
科学と物語が密接に結びついていなくても、
SFだと思う位甘くて、
過去にはそれで
あなたはSFの本質を理解していない。

と言われたこともあります。

そうかなー。。。と
深く傷つきつつ、
しかし、
どこまで行ったって
最後は人間の物語になるんじゃねーの?
とか
思っていたのですが…

良太郎♪のSFの基本がこの物語にあるからなんだろうな。
と。

いや、この物語が科学的ではないと言ってるのではないです。
異星人の生態など
とても面白いです。
しかし。
人間をペットとして可愛がろうとする異星人と、
その愛情の発露をそれなりに認識しつつも、
どこまでも嫌悪感しか感じない主人公。
そういうのって人間ドラマだと思うんです。
良太郎♪はね。

そして
物語を牽引する主人公が決して「正義」ではなく、
まだまだ間違い続けているワカゾーであり、
目指すべき信頼されるべき大人には
まだまだ手が届かない子供である事。

私が深く惹かれたのは、
子供の頃の私が
第三巻がどうしても読みたい。と
ひたすら図書館に通い続け、
探し続けたその理由は、

あがき続ける子供の
頑張ったつもりだったけど
ダメだった。

やっぱりどこか失敗してた。
でも。
そこから学べと師は言う。
学んだつもりだったのにまた失敗する。
だが師はそれでも主人公を見捨てないで、
繰り返し学べ。
と背中を押す。

これだ。
これなんだ。と
児童文学の真髄を感じさせられました。

なんか現在社会は、
一度失敗したらそれでおしまい。
みたいになってるじゃないですか。

風潮というのは、
誰かが勝手にはじめるものではなく、
自然に生まれるもので、
つまり世相が自然に生み出すものなので、
コントロールはし難いものなんですけど、
何度失敗しても、
もう一度頑張ってみろ。
みたいな。
粘り強さと、
それを見守れる大人になれ。
みたいなそういうものを感じさせられました。

子供の頃にこの本に触れられて本当によかったと思います。
いや、
全然活かせていない現状。な気もしますが。。。

古典SFとしての素晴らしさ。
児童文学としての素晴らしさ。
そして
もちろん

ワクワクするような冒険譚

として。

すべての子供の小学生時代に是非読んでいただきたい。
そんな作品です。

・・・っていやまだ最後まで読んでないですがw


2005年に四部作として早川が復刊されてくださったトリポッド。
おそらくもう書店には並んでいないんだろうな。。。と
思われるので、
古本屋さんで探して入手したいと思います。





★★★★★







良太郎の星の数は、

星5…凄く面白かった+感動した。
星4…凄く面白かった
星3…面白かった
星2…面白かった気がする。
星1…時間つぶしになった。
星0…読むのに掛かった時間を取り戻したい。

全ての感想はあくまでも個人的な感想であり、
それが、該当作品の価値を左右するものではありません。





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