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キャンティとコカコーラ/シャルル・エクスブラヤ



読書ノート

「 キャンティとコカコーラ/シャルル・エクスブラヤ 」
 



その生涯で94作も産み出してくださったという
多産な作家、
シャルル・エクスブラヤを
今の今まで知らなかった自分が哀れで仕方が無い。

良太郎♪はユーモア小説というものが大好きで、
それはおそらく、読書が趣味になった小学生の頃、
ご近所のお兄さんの書棚で発掘した
加納一朗さんのホラ吹き探偵しリーズに端を発すると思われます。

だが、
実はその頃にすでに、本日読み終えた、
このキャンティとコカコーラもすでに出版済みだったとは!!!!

海外ミステリとして私にとって身近だったのは、
イギリス・そしてアメリカでした。
実は・・・フランスも
アルセーヌ・ルパンモノでルパンが探偵に扮しているシリーズがあって、
それは大好きだったのですが、
それだけだったんですね。
フランスにシャルル・エクスブラヤがいた事を
今の今まで知らずにいただなんて・・・


この素晴らしい作家さんを教えてくれた、杉江松恋さんに感謝です。

杉江さんのかかれた、

「読み出したら止まらない!海外ミステリーマストリード100」
これを図書館から借りて、
この厳しい出版不況の中で、
既に数々の名作が廃版となり、
読めなくなりつつある今、
今読める作品は逃さず読むべし!!!
そして絶版となろうとも、
この世の文化の光はまだ古書店にあり!!!
探しだして読むべし!!!
という
ミステリファンの鏡というか宣教師友言うべき素晴らしい
数々の作品のご紹介を読み、
借りてみた一冊が、
このキャンティとコカコーラでした。

主人公がまず素晴らしい!!!
愛を賛美するロメオ・タルキニーニ警部
警部はのっけからかなりおかしいwww
だが、それは愛すべき可笑しさなのだ。
彼はゆく先々でその情熱的な行動で
旋風を巻き起こし、
そして
人生における愛の重要性について
人々を啓蒙して歩く。

そして
すべての犯罪は愛が引き起こす。
という信念。

誤解してはいけない、
愛が厄介なものだと言っているのではない。
愛はあまりにも万能であるがゆえに、
犯罪すら引き起こすという
常にアイアイアイ!!

おさるさんより一個多い愛!!

この愛の為に走りまわるのです。

謎解きという意味では、
パズル的な楽しみは無い作品で、
現在のパズル的なミステリを読みあさっている人々からすれば、
作者自身がそれを隠そうとしてないこの作品は、
謎解き的にはさっぱり面白くないです。
ですが、
この作品の真価はそんなところには無いのです。

愛すべきロメオ・タルキニーニ!!

彼の生き様が素晴らしいのです。


1966年に書かれたこの作品の中で、
タルキニーニは
ピューリタンの上流家庭に滞在し、
その窮屈で、愛を軽視した生活に絶望視、抵抗します。
そして、アメリカ人は計算機のような合理性だけだと
愛の欠落した捜査に、
愛を知り、人生を知り、人を知る先達として、
この未開人の捜査陣に割り込んでいきます。

ああ!!

今の日本にエクスブラヤを知って作品にしてくださったら!!!

1906年から1989年

という決して短くは無い人生ですが、
ああ。どうしてあと40年ばかり生きてくれなかったのか?
そして作品を生み出してくれなかったのか。と
欲深い餓鬼な私なのでした。

★★★★★






良太郎の星の数は、

星5…凄く面白かった+感動した。
星4…凄く面白かった
星3…面白かった
星2…面白かった気がする。
星1…時間つぶしになった。
星0…読むのに掛かった時間を取り戻したい。

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それが、該当作品の価値を左右するものではありません。





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