私は感染したと思われる時期が１９６０年くらいである。
ＨＣＶ（Ｃ型肝炎）に感染しているのも知らずに献血なども数多くしてきた。

２００３年に陰性化し、Ｃ型肝炎キャリアではあるが、肝炎の発症の畏れはなくなっている。
４０年以上、さまざまな原因不明の疾病に悩ませられ、時に一日に数度の胸痛で立っていることすらできないような日々が連続してあった。

そのような日々が数年続いたので、覚悟を決めて専門医にかかった。
何事が起きても不思議ではない状態、という診断結果で、やむをえず飼育していた多くの動物たちの命を犠牲にして、心臓カテーテル、その後Ｃ型肝炎治療のインターフェロン投与が２４週、胆嚢摘出、大腸ポリープ手術、糖尿病と立て続けに闘病を続けている。

すべては未熟な医師の手術ミスによって起きたことだと認識しているものの、その損害賠償請求の先が今となっては確定しようもないのだ。
たくさんの人の死のみならず、実に多くの命の犠牲を余儀なくされて、いま私は生きている。

Ｃ型肝炎に限らないが、速やかな国の対応を望むのである。
感染している患者の思いに心を砕いて欲しい。
まだ数百万人の罹患者が居る。
しかし、例えば覚せい剤の常習者にも、いやとなるくらいにＣ型肝炎の患者もいる。
そのような理由で、私もすべての患者に救済が必要だとは思ってはいない。

また、かつてフィブリノゲンでＣ型肝炎になった方々の中で、訴訟を行っていた時点ですでにインターフェロンによってＣ型肝炎ウィルスが陰性化しているにもかかわらず、闘病中であるとしてテレビカメラの前で泣いて見せて、国から見舞金をせしめた若い女性が民主党から選挙の顔として、立候補し当選したのを見ると、言葉は悪いが一種の詐欺のように思えてならないことも事実である。

金額にして４千万円くらいの犠牲を払って、文無しになって闘病しても、運命を呪うことはあっても、国に賠償を求めたいという意識には、私はならなかった。

民主党政権に多くは望むべくもない。
国の賠償というなら、戦後の売血中心とした輸血によるＣ型肝炎患者すべてが対象となるべきだろうし、そうでないならむやみに保証などを行うべきではなく、治療費用の軽減にこそ力を注いでほしいと思っている。