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読書ノート/烏は主を選ばない/阿部千里



読書ノート



「烏は主を選ばない」

阿部智里 著


面白かったけど、身悶えしました。

このかたの本は本当に毎回予想を裏切られる・・・・・。

今回は、そういうウラ読みが楽しい方の作品だと思って
これは、この人の事を言っているのじゃないかな?
とか、いろいろ読みながら読んでいたのですが…。
一部当たったところもありましたが、
大きく外れて、えーーー!!!
な部分も。

ネタバレになるので書きませんが、
なんでそーいくかなぁ・・・。と
ホント、ハンカチかじって悔しがりたいです。

ネタバレ最小限で申し上げると、今回の本は、
シリーズ第一巻、「烏に単は似合わない」の、
若宮様方の話。
あの華やかな姫君達の競演の裏で、
若宮様は何をしていたか。という。
これがもう物凄く面白い。
なんというか。
この手の小説って、どうしてもどこか一部を語っている時って、
そこばっかり描かれて、
裏で起きている事件なんかも、主軸に沿った事件ばかりで、
そらまあ、主軸と関係ない雑多な物語を語られても邪魔なのは邪魔なのですが、
だがしかし、
まるで世界がひとつの事件を中心に動いている様な描き方をしているものが多いのですが・・・。
うーん。
うまく言えない・・・。
例えば、この物語の場合、
姫君たちが若宮の歓心をひこうと頑張る物語が描かれているとしたら、
その裏側の物語として描かれるのも、あくまでも姫君達の姿を傍から見たら・・。
みたいな感じになるものが多いのですが、
この方の場合・・というか、今回の本の場合、
姫君達の競演の裏で、若宮には若宮の戦いが在ったのだという事を、
物凄く丁寧に書いて下さっている。
だから、単・・・を思い出しつつ、なるほど、この時点で若宮はこんなことをしていたのか!!!
なるほど!!!
あのエピソードの裏ではこんなことが!!!
と、思わせる接地面もあるものの、
何より、
姫君達の競演とは別に動いている世界があるのだ。という
世界のリアリティ。
これにシビレました。



面白かったです。
続巻が楽しみ。



★★★★☆






良太郎の星の数は、

星5…凄く面白かった+感動した。
星4…凄く面白かった
星3…面白かった
星2…面白かった気がする。
星1…時間つぶしになった。
星0…読むのに掛かった時間を取り戻したい。

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それが、該当作品の価値を左右するものではありません。





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