Nicotto Town


雪うさぎが呟く


着物

母が亡くなって十余年。箪笥一さお分の着物をなんとかしてくれと兄に言われた。たまにきては風を通したり、防虫剤を取り替えたりしていたが、そのまま朽ちてしまいそうで。


車につんでもちかえってみたが、まああることあること。しつけ糸もそのままのものも。古いのはほどいてとってある。反物のままの大島紬(と書いてある)は兄に押し付け、畳んであるのをそうっとあけて様子をみる。

私の祖母の物、祖父の仙台ひらの袴も。若くして亡くなった伯母が小学生のころ、縫ったという子供の着物。たぶん伯父の宮参り衣装。染みと虫食い穴が目立つ。

今風のと、大正ロマン?ぽい布地は、妹におくろう。母がよくきて草臥れたのは捨てるかな…
ひまひまにほどいて、使えそうなものは小袋でも縫えばいいのかな。
 
値札がついたままの反物を見ると思う。現金でのこして欲しかったなと。そして、着物をきて、琴を爪弾くお嬢様には育たなかった自分を、ちょっと申し訳ないとも。




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