エリクソンの発達段階によると人生には年齢ごとにクリアーする課題というものがあると言われています。

0歳から１歳頃（乳児期）での発達課題は信頼感の獲得です。成功すると希望を持ちやすくなり、失敗すると不信感を持ちやすくなると言われています。

1歳から3歳頃（乳児期前期）での発達課題は、自立感の獲得です。成功すると強い意志の力を持ちやすくなり、失敗すると疑惑や、羞恥心を持ちやすくなると言われています。

3歳から6歳頃（幼児期後期）での発達課題は自発性や、積極性の獲得です。成功すると、目的や目標を持ちやすくなり、失敗すると罪悪感を持ちやすくなると言われています。

7歳から11歳頃（児童期または学童期）での発達課題は、勤勉性や物を作り出す事への獲得が課題です。成功すると、作業を行なう事で得られる適格感を持ちやすくなり、失敗すると劣等感を持ちやすくなると言われています。

12歳から20歳頃（青年期）での発達課題は、同一性の獲得です。同一性とは「自分とは、こう言う人間だ」と言った自覚の様なものです。この課題に成功すると社会に対する忠誠心を持ちやすくなると言われています。また失敗すると同一性拡散に陥ると言われています。同一性拡散とは、「自分とは一体何なんだろう？」と言った自分自身が何者であるかに迷った状態です。青年期では良くある迷いかも知れませんね。

20歳から30歳頃（成年期初期）での発達課題は、親密性の獲得です。成功すると親密な人間関係、特に結婚や家族の形成など、愛に関係する事を得る事ができ、失敗すると孤立や孤独につながると言われています。

30歳から65歳頃（成年期中期）での発達課題は、生殖性の獲得です。成功すると、「次の世代を育てていく」と言う世話をする事を得ると言われています。家庭での子育てや、会社で上司として部下を育てる能力を発揮するといった所でしょうか。失敗すると停滞と言われ、自分自身の精神的成長が進歩しにくくなると言われ、他者を育てるといった事が難しくなると言われています。

65歳頃以降（青年期後期または円熟期）での発達課題は、 統合感の獲得または自我の統合です。ここで言う統合感と言うのは自分自身の考え方がまとまっている事と解釈して良いと思います。成功すると英知を獲得できると言われています。英知とは、自身の人生の意味や価値などの新しい方向性を見いだせる段階と言えます。失敗すると絶望感を持つと言われています。

このほかにもピアジェの発達段階なども有名です。興味のある方は良かったらご覧になってみてください。

これらの理論はあくまでも理論ですので、すべての事例に当てはまるものではないと思います。例えば「自分とは一体何者であるか？」と言った難しい課題など小学生くらいの年齢で獲得し、そのまま大人として生き続けている子も居れば、６０歳頃に「自分とは何か？」を獲得する人も居るでしょう。

課題遂行の時期には個人差もあると思いますが、自分自身の中にある色々な課題に気が付いていく事は人生をより良いものにしてくれる事は間違いないと思います。