羽の生えた亀
- カテゴリ:日記
- 2010/06/28 15:27:34
ガラスをとかしていて、玉作りがうまくいかないので、気分転換に「なんちゃってガラス細工」をしてみようと思った。
手元のガラス、茶色を丸く溶かして、練乳色で点々をつけ溶かし込む。薄黄色を細くとがらせて6カ所につけ、さらに重ねてボリュームを出す。一カ所は細くとがるように、反対の一カ所はずんぐり丸くなるように。
残り4カ所に透明の黄色を少しだけつけて爪をつくり、ずんぐりしたところへ黒い小さな点を二つ打つと目になった。
すると亀が私に「羽をつけて」といった。「羽?」思わず聞き返したら、じれったそうに首を振って「そう、羽!」
「何で、亀に羽がいるの?」と汗を拭きながらいうと、亀は細い棒の先でため息をついた。
「私ね、団地に住んでいたの。」(へえ・・亀がねぇ、私と一緒じゃん)
「で、毎日つまらなかったから、神様に羽をくださいと頼んだの」(神様?亀の神様?)
「そうしたら、団地の5階から飛んでごらんっていわれて、飛んだらいつの間にか羽が生えていたの」(・・・・・・)
だったら、と私は亀に聞いた。「今は毎日が楽しい?」
亀はじっと私を見返した。
「亀なんて、普通は飛ばないものなの。やっぱり、どこへいってもつまらないわね」きっぱり言い切ると亀はガラス細工に戻った。
透明ガラスでくるんだ白の細引きを甲羅の2カ所に何度かつけて、羽のある亀ができあがり。