採集
- カテゴリ:自作小説
- 2018/02/13 21:47:36
ナビが教えてくれた近道は山越えだった。すっかり日が落ちてからの山越は神経を使う。ところどころに薄暗い電灯がともっているだけで、ヘッドライトに障害物が照らし出されないかとずっと気が張っている。
どうやら、山道を抜けてホッとしたとき、左手に灯りが見えた。近づきながらみると、コンビニだ。コーヒーと何か甘いものでも食べて一休みするか…
他には車はなく、深夜のコンビニは静かだ。山は抜けたが、住宅地はもう少し先にあるのだろう。
車を降り、自動ドアをくぐる。何のへんてつもないありふれた陳列棚を見渡しながら店内を探すが、レジには誰もいない。
バックヤードにいるのかなと思いながら、好きなドーナツの袋
を手に取る。その手がべったりとドーナツの袋ごと棚に張り付いた。
なんだ、これは!あわてて、左手で棚の支柱をつかみ、粘つくドーナツの袋を離そうとしたのだが、逆に両手ともべったりとくっついてしまう。蹴り飛ばそうとした足までも。
店内は一見普通のコンビニにみえる、ねばつくなにかでできていた。身動きとれなくなった時、その粘つくコンビニ状のものはひょいと持ち上げられ、ドアの向こうから巨大な目のようなものがよってきた。
………
(ねえ、パパ。地球人ホイホイはコンビニ型が一番よく入るね)
夢の話かと思ってしまいました。爆笑です。
コンビニ高いので、あまり利用しないから大丈夫かな。