Nicotto Town



大晦日

愛美(母)は、貴志の布団をがばっとめくった。
「いつまで寝てんの。早く、起きて、雪かきして。」
「まだ、暗いじゃん。大晦日くらいもっと寝かしてよ。」
「何、言ってんの。ご近所さんは、もう雪かきしてるわよ。」

貴志は、いやいやながら起きて、暖かい格好に着替えた。冬型の気圧配置が強まり、雪が降り続いて...

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マチルダ 禁断の恋

昨日のお昼は、日比谷公園の松本楼にランチに出かけた。明治36年の日比谷公園と同時にオープンしたレストラン。夏目漱石の「野分」や高村光太郎の「智恵子抄」にも登場する木々に囲まれた洋館。

普段は、会社のフロアまで販売に来てくれるお弁当を買っているが、午前中は打ち合わせで出かけていて、弁当を買うことがで...

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クリスマス

理子と貴志がテレビゲームの刀剣乱舞をしていると、玄関が騒がしくなり、一郎(父)と愛美(母)がリビングに入ってきた。
「理子~、貴志~帰ったわよ~。恵比寿は人でいっぱい。家でのんびりしていたほうがよかったわ。」

愛美は、新品のコートを脱ぐと、ソファーにどかっと腰をかけた。愛美は、テーブルの上に残って...

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クリスマス前夜

珍しく、家族4人で夕食を囲んでいた。普段は、姉が会社から帰ると母と二人で夕食を食べ、その後は、父が会社から帰るのが早かったり、僕が帰るのが早かったりするが、それぞれが、後から夕食を食べることが多い。家族4人が揃うのは、先月の母の誕生日以来だった。

「お父さん、早く帰るなら連絡してね。そしたら、ちゃ...

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はりせんぼん

珊瑚に囲まれたちっぽけな穴の中で、夢を見ていた。夢の中の僕は、キラキラと輝く水面の近くを泳いでいた。ウミガメが僕を追い越していく。海の底に降りていくと、好物の貝が転がっていた。貝を食べようとしているとサメがやってきた。サメに飲み込まれようとしたときに目が覚めた。

いつもの珊瑚の穴倉の中にいた。長い...

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