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男と女の間には・・・

もうすぐ七夕だが、言うまでもなく七夕とは天の川によって引き離された織姫と彦星が年の一度だけ会えるという伝説に基づく行事である。

天の川の正体は、我らが地球を含む太陽系が属する「天の川銀河」という円盤上の銀河系の横方向に固まっている星の集団である。
これを川と見るのは中国起源らしい。織姫と彦星ももともとは中国の伝説に出てくるカップルである。

川が男女を引き離す、あるいはこの世と異界の境界である、という伝説は日本には多い。
一番ポピュラーなのが「三途の川」だろう。言うまでもなくこの世と死後の世界の境を成す川であり、「地獄少女」の閻魔愛が舟を漕いでいたのも三途の川だろう。

男女を隔てるパターンでは「安珍・清姫伝説」がある。和歌山県の実在の川と寺院を舞台にしたちょっと怖くも悲しい伝説である。
これを元にした浄瑠璃や歌舞伎の作品がいくつもある。浄瑠璃なら「日高川」、歌舞伎では「娘道成寺」などのタイトルがついている。

これは安珍と言う名の旅の若い美男の僧侶に一目ぼれした清姫が再会を約束させるが、安珍は僧侶なので求婚に応じるわけにはいかず、そのまま去ろうとする。
恋に狂った清姫は安珍を追いかけるが、日高川を先に渡られてしまい追いつけない。

安珍は渡し船の船頭に若い女が来ても乗せないよう頼んで道成寺というお寺に入る。
ところが清姫は嫉妬のあまり大蛇の姿に変身し川を渡って寺に乗り込んでしまう。

安珍は寺の住職によって大きな釣鐘の中に隠されるが、清姫が変身した大蛇はその鐘に巻きついて全身から炎を発し、中の安珍を焼き殺してしまう。
そして清姫は大蛇の姿のまま川に身を投げて死ぬ、という話である。

この清姫、現代の感覚で言えばストーカーだが、安珍と言う僧侶それほどまでのイケメンだったという事だろうか。
川を渡るには大蛇に変身しなければならなかったのだから、昔の人を隔てる障壁としての川は、現代人には想像もつかないほど深刻な物だったようだ。

江戸時代にも、軍事上の理由から橋を架ける事が禁止され「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ」と歌われた大井川。
演歌で有名な「矢切りの渡し」も、その川を渡ると江戸の外であり、駆け落ちのカップルが無事この川を渡って武蔵の国(今の東京あたり)から下総の国(今の千葉県北部)へ入ってしまうと追手も手が出せないから、一種の境界線であった。

時は流れて20世紀、「黒の舟歌」という歌謡曲もあった。こんな歌詞である。
「男と女の間には 深くて暗い河がある
 誰も渡れぬ河なれど エンヤコラ 今夜も舟を出す
 ロウ・アンド・ロウ ロウ・アンド・ロウ
 振り返るな ロウ ロウ」

川が男と女を隔てる境界という考え方は日本人には時代を越えて普遍的なものらしい。
他にも各地に川に引き裂かれた男女の逸話があるかもしれない。そういうのを集めてみたら面白いかも。

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2010/07/07 15:57
安珍・清姫ってすざまじい話ですよね。
清姫が安珍を殺して終わるようだけど 蛇道に2人して転生、夫婦になっちゃうんでしたよね。
最後は仏教の有難さを説くために無理やりくっつけたような。
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2010/07/04 22:44
こんばんは。
はじめまして。

ありますねー、川。
一生いったりきたりです。
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2010/07/04 00:19
道成寺は能楽が最初だったようにも思いますが。
それだけこのストーカー殺人事件?が世間の注目を集めたということなのでしょうね。

川といえば「三枚のお札」。
小僧さんが逃げるためにお札を投げると大河になりますが山姥はそれを乗り越えて追いかけてきます。
別に惚れたわけではないでしょうけど。
でもこの話では山姥が和尚さんをどうにかしようという気配がないので、そこはちょっとひつかかるところです。

近い話では「千と千尋の神隠し」。
神様の世界と日常との境に大きな川が流れていました。

怪談では「累が淵」。
結構怖いのでストーリーは省略。
これは男女関係あるといえばありますね。やな感じだけど。

最初のお話に戻りますと、私達の地域では七夕は8月に行うのが普通です。
旧暦に倣ってということらしいのですが、日はそのまま7日なので正確に旧暦というわけではありません。
ついでに書くとひな祭りも1ヶ月遅れとなっています。
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2010/07/03 23:53
長谷川きよし?

野坂?だっけ??

川の字に、寝るとか、、あ、、関係ないか。。。




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