Nicotto Town



モンゴル起源の食べ物

今日はモンゴル料理の店へ行ってきた。と言ってもジンギスカンなのだが、馬乳酒が置いてあるというので神田まで行って来た。
大相撲のモンゴル人力士が増えた頃から東京にはモンゴル料理店が急激に増えたが、すぐにつぶれる所が多く、最近本格的な店だけが定着したようだ。

馬乳酒とは文字通り馬の乳で作った酒。酒とは言ってもアルコール分は低い。日本の甘酒ぐらい。
モンゴルの遊牧民はこれを水、お茶がわりに大量に飲むそうである。

13世紀から14世紀にかけての最盛期、東は朝鮮半島、西は中近東までを支配したモンゴル帝国は食文化の世界でも多大な影響を残している。

遊牧民は馬に乗って羊などの家畜を広大な草原で移動させながらの生活を送る。
馬も予備を含めて多く連れて行き、乗りつぶして役に立たなくなった馬を解体して食べる。
この時、草原の真ん中で煮たり焼いたりすると匂いで狼を呼び寄せてしまうので、生肉をタタキにして食べた。

これがヨーロッパに伝わってタルタルステーキになった。ヨーロッパの農耕民族にとっては馬は貴重品だったので牛肉に変えたようだ。
さらに生肉に抵抗があったか衛生上の心配があったか、ドイツの庶民はこれを円盤状に固めて焼いて食べた。これがハンバーグの原型。

ただしこれは平べったい単なる牛肉のパテで、日本のいわゆる「ハンバーグ」は日本人が作った独特の西洋風日本料理。
ヨーロッパのハンバーグを野菜と一緒にパンではさんでそれだけで食事になるようにアメリカ人が工夫したのがハンバーガー。

同じ物が東に伝わり、朝鮮半島でこれまた牛肉に変わりユッケになった。
日本でも熊本県では生の馬肉をスライスした「馬刺し」が名物だが、これも起源はユッケらしい。豊臣秀吉の朝鮮出兵で半島に渡った初代肥後藩主である加藤清正が持ち帰ったという説がある。であれば元々の起源はモンゴルという事になる。

またシャーベット(フランス料理で言うソルベ)もモンゴル起源説がある。
モンゴルでは新鮮な果物は貴重だったので、いろいろな果汁を混ぜて氷室で凍らせ、王族などの高貴な人が重病の時だけ薬として食べる「シャルバート」という物があった。

これがヨーロッパに伝わってシャーベットというデザート菓子になり、明治維新を経て日本には西洋料理として伝わった。
ただし「シャルバート」はアラビア起源説もあり、アラビア商人が直接ヨーロッパに伝えたという説と、アラビアから一旦モンゴル帝国に伝わりモンゴル帝国経由で伝わったという説の両方がある。

そして、日本人が発明した今でも人気の食品でモンゴル起源の物がある。これから夏の季節、飲む機会も多いはず。
それは「カルピス」である。

カルピスの歴史は意外と古く初めて発売されたのは大正時代。
創業者が今の中国内蒙古地区へ旅して、現地のモンゴル人からいろいろと御馳走された。
その中に家畜の乳を発酵させた飲み物があった。

当時は交通も宿泊も不便で、モンゴル地区への長旅は肉体的に非常に過酷だった。
疲れ切った体にその乳酒が非常に効いたそうだ。馬乳酒は乳酸飲料みたいな物だから、ヨーグルトのような整腸効果があるのだろう。

これに感銘を受けたカルピスの創業者が帰国後、安い牛の脱脂乳を原料にして作ったのがカルピスなのである。
ただし、その人が内蒙古で飲んだ物が馬乳酒だったかどうかは確実ではない。

カルピスの製法は長らく門外不出の企業秘密だったが、十数年前に公開された。その結果、カルピスの原液の発酵に使う酵母菌と、モンゴルで馬乳酒を作るのに使う酵母菌が同じ種類だと判明した。
だから、その飲み物が馬乳酒であった可能性は高い。

東京ではタルタルステーキもハンバーガーもユッケも全部気軽に食べられる。
そのオリジンである本格的モンゴル料理店もある。
モンゴルの草原から発した食文化が世界各地でアレンジされて、日本の地でまた一堂に会しているわけだ。

そう考えると歴史の面白さを感じる。

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2010/07/08 23:38
へーそうなんだ、、為に成るねー

馬刺は、長野でもありますね、

低脂肪で、鉄分が豊富、ヘルシーです。ユッケも好きだけど、馬刺も好きです。。
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2010/07/08 22:17
そうだったんですか・・・あちら こちらの国の食文化に影響を与えているんですね^^
すごいことですし ほんと 面白いですね^^





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