Nicotto Town



反戦平和のマンネリ化

終戦記念日になると、いいかげんにやり方考え直せばいいのに、と思う事がある。
閣僚の靖国神社参拝問題とテレビ番組などの終戦記念日特集である。

今年、この件が問題になり始めて記録が残されるようになった1985年以来初めて、8月15日に全閣僚が靖国神社に参拝に行かなかったそうだ。
行かなかった事がニュースになるという事自体に違和感を禁じえない。

菅直人首相は市民運動家あがりでどちらかと言えば左翼系の人だし、その人が首相やってる内閣のメンバーが「私は右寄りです」と言わんばかりの行動をするはずがない。
それでも参拝に行った閣僚がいた、という事がニュースになったのなら分かるのだが。

そもそも自民党政権時代に閣僚が8月15日に靖国神社参拝にこだわったのは選挙のためである。「日本遺族会」という戦没者、戦死者遺族の団体があって、この日に参拝に行かないと次の選挙で支持してもらえない危険があった。少なくとも自民党議員はそう思っていた。だから首相には参拝してもらわないと困る議員が多くいたのである。

日本遺族会は全国に支部を持つ団体で、会員数とかははっきりしないが選挙の際には「敵に回すと怖い存在」ではあったのだろう。
また自民党議員には、もっと極端ないわゆる「右翼団体」の支持で当選していた人も結構多い。

民主党にも元自民党議員や保守系政治家はいる。が、党の国会議員の中で日本遺族会に頼っている人は少ない。
日本遺族会の機嫌を損ねてかまわないなら、わざわざ火中のクリを拾うような真似をするはずがない。

閣僚が一人も参拝しなかったのは単にそういう理由からである。
大体、あからさまな右翼団体ならともかく、日本遺族会だって会員の全員が終戦記念日に閣僚が参拝しなかったという理由だけでご機嫌損ねて何かしでかすような人たちではあるまい。
ついでに言うと、冷戦終結以来日本でも「ニュー右翼」という過激な連中が出てきたが、これはほとんど戦争を知らない若者で日本遺族会のようなちゃんとした団体とは接点はない。

また終戦記念日のテレビ特番と言うと、完全にマンネリ化している。
あの戦争で日本の庶民がどれだけ苦しんだか、空襲、原爆、南方戦線の玉砕、社会の思想統制・・・それらがどれほど悲惨だったか。そればっかりである。

確かに未だに世界中で武力紛争が今も進行中である。
そして戦争が悲惨だという考えに反対する日本人は街宣車右翼でもない限りいないだろう。

だが、太平洋戦争であれ、日中戦争であれ、あるいは朝鮮併合であれ、主権国家同士の武力紛争や侵略であって、いわば20世紀型の戦争、紛争であった。
今世界各地で起きている武力紛争は全くパターンを異にしている。

アメリカでの9/11テロが21世紀の最初の年に起きたのは象徴的である。
あれをやらかしたアル・カイダという組織は特定の主権国家の軍隊ではない。どこの国家にも属さない私的な集団である。

今問題になっているソマリアの海賊もソマリアと言う主権国家に属する組織ではない。
ソマリアが無政府状態に陥った結果、犯罪者集団が国家機関を上回る力を持ってしまい、その結果として海賊行為が野放しになっている、という話である。

ソマリアに自衛隊を派遣すべきかどうか議論になった時「戦争反対!」と叫んでいた人たちが一部にいたようだが、とんでもない時代錯誤である。
国家自身が戦争をコントロール出来なくなってしまった。それが21世紀型の戦争なのである。

だから少なくとも今の日本の若者にとっては、第二次世界大戦がいかに悲惨であろうとそれは歴史上の出来事であって「今の自分の生活や人生には関係ない話」だというのが本音ではないだろうか?

そういう若者相手に65年前の悲劇をどれだけ見せつけても、21世紀型戦争の解決に役に立つとは思えない。
今の若者に必要なのは、自分の親さえまだ生まれていない時代の悲劇ではなく、今現在この地球上で起きている悲劇、悲惨をもっと知る事である。

もちろん我輩は20世紀に日本が経験した戦争の悲劇を語り継ぐ事の必要性、重要性を否定はしない。特に世界唯一の被爆国としての経験は風化させてはいけないと思う。
だが、若者へのアプローチの仕方が戦後65年間ずっと同じままで本当にいいのだろうか?

ドイツではナチスとその時代の政治体制を賛美するような行為はれっきとした犯罪行為である。それでもネオナチと呼ばれる右翼、民族主義の若者が次々に現れている。
これを見ても、60年以上前の歴史的悲劇をただ見せて聞かせるだけでは若者には効果がないのが分かる。

第二次世界大戦の悲劇を語り伝えるべく努力している人たちの行為は尊いと思う。
だが、その後の世代がもっと若い世代に戦争根絶を訴えるのなら時代とともにやり方を変える必要はないだろうか?

なにか今の反戦平和運動は戦争を体験した世代のやり方を上っ面だけ真似して自己満足しているように思える。

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2010/08/16 23:11
>国家自身が戦争をコントロール出来なくなってしまった。それが21世紀型の戦争なのである。

至言ですね。

戦争はすでに国家対国家によって引き起こされるものとは限らない。
テロリストによって一方的に引き起こされる戦争が続発している。
そのような紛争は必ずしも話し合いで解決できるようなものではない、
それどころか話し合いの対象すらわからないことを国民は今一度考え直すべきでしょう。
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2010/08/16 18:21
戦争を体験した世代と言っても、何らかの責任ある立場におられた方はもう少なくなっているでしょう。
空襲体験等軽んじるつもりはありませんが、彼らの主張が先の戦争の全てであると思うと本質とは違ってくると思います。
(戦争でなくても大阪万博などでも政府関係者、財界トップと観客だった人との視点は違っているのと同じことです。)

戦争を語り継ぐというのは、先人の犠牲を無駄にはしないということだと思う。
なぜ先の戦争に負けたのか。戦争に負けて何を失ったのか。次に悲劇を生まないためにはどうすればよいのか。などなど・・・
そう考えると、他国を十分威嚇できる軍備・体制も整えずに同盟関係を一方的に変えようとしたり、国家間の駆け引きに必要な情報収集も怠ったり、先の大戦の状況を戦勝国の目線で伝えたりしているこの状況がとんでもないこととわかるはずです。

憲法は国民を拘束するけど他国は拘束しないということも改めて認識すべきでしょう。
こちらが信義を持って接しても相手がどう返すかはその国次第。
それを前提として交渉するのが外交というものです。
そして外交の一手段が戦争。
これを手持ちのカードとして持たない国は、スイスのようなしたたかさを持たない限り半独立国に過ぎないのです。
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2010/08/16 15:21
普通に教育を受けてれば戦争はいけない事、勝っても負けても悲惨な結果が残るのはわかるはずですよね。
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2010/08/16 13:52
良くも悪くも
マスコミの叩く「官僚主義」じゃなく
日本中に蔓延する「空気読め主義」の、国体破壊力は凄まじいなと感じます

「当時は、弱肉強食の世界だったのだから、戦争に至ったのは仕方がない」
そうであるならば
「今もそうだ」と、声を大にして言いたい

どうして
戦争・戦略を、ビジネスとして合理的に考えないのか?

破綻した会社(国)ってのは、どうなりましたか?と
ビジネスパートナーや、お得意さん、取引先(同盟国)を、いきなり切ったらどうなりましたか?と
大企業(パワーエリート)は、いつも安全で有利な場所(ポジション)へ移動するでしょう
中小企業(利権)も、それに烏合するでしょう
労働者(国民)には、バツの悪い事は、何も知らせないでしょう

そう考えると
「もはや、戦後ではない」なと
またもや、「戦前のミスチョイス」と同じであると

米軍が居なくなったとしたら?
同盟国に見捨てられたら?
核戦争を望む望まないに関わらず、巻き込まれたら?
世界を牛耳る、謎の組織が存在したら?
「陰謀論」ではなく、「謀略」「策謀」であったとしたら?

歴史に「if」はないとしても
将来に対する予測は、ありとあらゆる事態を想定しなければ
それは、国を護ったとは言えないでしょう

道路交通法に則った、ウィンカーの付いた戦車や
高価なおもちゃに乗った、自衛隊に期待する事は何もありません
自衛隊より市民生活に対する影響が大きい、警察の所持してる武器は
ただの、ちびっこいニューナンブ
しかも、ちょっと空に向けて発砲しただけで、
「あ!彼方、人殺したい!」といったニュアンスの記事になる
特殊部隊のスナイパーが居ながら、ブンブン飛び回るヘリからのTV中継に写る
「一生懸命、説得して犯人と対話する光景」

過剰な平和教育の賜物です

ネトウヨ・ネトルピ・エセ右翼・エセ平和主義者の偽装愛国心(世迷言)が、
世界(取引先)に向けて、翻訳(心象悪)されない事を祈るのみです
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2010/08/16 01:32
 ほんとにねぇ~、21世紀になって、国家ならざる一部の集団が国家に対して喧嘩売れるようになった、現在において、
昔ながらの反戦平和を叫んでも自己満足以外役にはたたんでしょうに。

 やるなら、なぜ起きたのかという、根本原因まで踏み込んで分析したうえで、現在の状況を加味した平和運動すべきだろうに・・・。ま、自己満足のためにやっているような方々には何言っても意味ないけどねw。
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2010/08/16 00:56
いつもながら、、ごもっともな、ご指摘、、(^^)bb

一体どうすれば、戦争は、無くなるんでしょうか??

どうして、殺し合いをしなくちゃいけないんでしょうか??

大人だよね??





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