平成の黒船ならぬ白船
- カテゴリ:ニュース
- 2010/09/14 23:34:18
それ見ろ、言わんこっちゃない、という事件が経済の分野で起きている。
これに比べれば民主党代表選の結果なんか大した話じゃない、というすごい事だ。
遂に中国の家電メーカーが日本市場に参入したのである。
海爾集団という企業で国外では「ハイアール」という名前で知られている。
単に中国企業が日本のお家芸である家電市場で殴り込んで来た、という意味ではない。
このハイアール製の日本市場向け製品を設計、開発したのが日本企業から引き抜かれた日本人技術者だという点だ。
これこそが大ニュースであり日本にとって恐るべき脅威なのである。
そしてこの事は何年も前から予想されていたのに、日本政府も企業も本気で対策に取り組んでこなかった。
それ見たことか、と我輩が言うのはそういう意味で、である。
日本の政治家も役人も財界人も歴史から学ぶという事を知らないのだろうか?
低レベルの反中国論者は「中国の経済侵略」とか言い出すかもしれないが、今の中国はかつての日本経済の後追いをしているだけだ。
古くは明治維新後、日本を一刻も早く近代工業国家にするべく政府は大勢の欧米人技術者や学者を破格の高給で雇い入れた。いわゆる「お雇い外国人」である。
欧米に追い付くには本国で二流、三流の連中では困るから一流の技術者を本国より高い給料と待遇で迎えた。
第二次世界大戦で一度産業が壊滅したが、日本は明治時代からの「自国民の人材育成」という遺産があったため、戦後わずか十数年で経済が立ち直り、欧米からの輸入品で圧倒されていた国内の工業製品市場を民族資本が奪還した。
そして本家である欧米市場に日本製品が大量に輸出されるようになり、テレビ、ラジカセなどのAV機器に始まり、自動車などの重工業製品がアメリカの企業はもちろん政府をもあわてさせるほどになった。
その日本と同じ事を中国が日本に向けてやっても不思議はない。
日本がかつて欧米先進国相手にやった事だから、中国企業が日本に対してやってはいけないという理屈は成り立たない。
冷蔵庫、洗濯機のような大型家電は、以前は外側が白い色の物が大半だったから「白物」と呼ばれる。
これは戦後の日本企業のお家芸だった。その日本の白物家電市場が中国製に制圧されるかどうかの瀬戸際なのだ。
平成の黒船ならぬ「白船」と言っていい。
いかに事実上の首相選びだったとは言え、民主党の内輪の選挙で誰が勝ったかより、よっぽど重要なニュースのはずだ。
中国市場ではソニー、パナソニックに代表される日本のメーカーが大成功しているという話ばかりが長年日本国内では報道されてきた。
しかし数年前から、比較的構造が単純で原価が安い白物家電では、中国国内でもハイアールが日本製に太刀打ちできるようになってきた、という話は実はちゃんと日本にも伝わっていた。日本人が注意を払わなかっただけだ。
そしてこの平成の白船の最も恐るべき点は、中国企業が優れた日本人技術者を大量にヘッドハントして、その結果日本市場への進出が可能になったという事だ。
ノーテンキな政治家や財界人は「日本にはまだまだ中国より優れた技術がたくさんあるから大丈夫」なんて言って来たが、その技術なんて物は金さえ出せば買える物だという単純な事実を忘れた議論だった。それが今回のハイアールの動きで証明されたと言っていい。
そして日本企業の硬直化した人事制度が中国を利する事になったという話でもある。
日本企業を定年退職した、しかし優れた技術と経験の蓄積を持つ日本人を中国企業がヘッドハントしているという話は何年も前から聞こえていた。
日本企業、特に大企業は出世コースに乗った人以外は、優秀な人材もダメ社員も「平等」の名の下に年齢で十把一絡げに処遇してきた。
定年になったら、まだ充分貢献できる優秀な社員も月給泥棒も一緒くたに引退させてしまう。
定年の延長や定年後の再雇用も進んでいるとは言え、それはあくまで会社が「恩恵として雇ってやる」という姿勢である。
当然再雇用されても給料は大幅に下がるし、現場でバリバリ働く機会はもうない。
そこへ中国企業が現役時と同じかそれ以上の待遇で「これからうちで働きませんか?」と言って来たら、本当に優秀な人材は惹かれるのが当然だ。
特に職人気質で自分の腕に誇りを持っているような人が「あなたの腕を買いたいのです」とでも言われたら、なびかない方が不思議だ。
横並び、平等にこだわって優秀な人材を中国にかっさらわれたというのなら、日本企業の自業自得である。
これが定年後の熟練技術者だけでなく、これから日本を背負って立つ若い労働者に波及したらどうなる?
首相が誰になろうが、日本の優秀な人材が根こそぎ中国企業に持って行かれ、日本市場が中国製品であふれるような時代になったら、この国に未来はない。
いかに中国企業に正面から反撃するか、それこそが今の日本の最大の関心事でなければいけないはずなのだが・・・・・
ジム・ロジャースより先に、
8年前から、予想していたかも知れませんね~
http://www.youtube.com/watch?v=H7ydAXkeVAg
「アメリカに頭を下げて、中国にケンカを売る」
“不健全な愛国心”を持った人達は、聞く耳持ちませんし
ネットでも、まだまだ、お見かけするようなので
「日本という国は、20年後には消えてなくなる」
というより
「日本という国は、3年後には消えてなくなる」
と思います
中国製品を偽物とバカにして 高度経済成長の遺産の上にあぐらをかいてた日本。。
シュルツネッガー知事の接待もイマイチ、シュワちゃん、観光してるだけのような気がします。
それと同様に、企業から政界に対して働きかけが熱心ではなかったという面もあると思うのです。
特に国際優良銘柄と呼ばれるような輸出中心の製造業、特に電機・自動車メーカーは、
もっと「俺達が外貨を稼いでいるからお前らの食料を輸入できるんだ!」
などと思い切って自分を高く売り込んで、行政の面から自国産業保護を
要求してもいいのではないか?とまで思ってしまいます。
なんだかんだ言っても、日本がモノを輸入できるのは製造業が国際競争力を
維持しているからであり、製造業がつぶれてしまったら(あるいは国外へ脱出してしまったら)
日本はGDP世界3位どころか、二流国家へと転落してしまうでしょう。
場合によっては他国へ主権を譲り渡してしまうかも。
本当は製造業に代わる外貨獲得手段を確立しなければならないはずです。
たとえば金融技術、農作物、エネルギープラント等の基幹インフラ建造技術。
しかし、これらの産業で貿易黒字を確立する日までは、現状どおり
製造業に頑張ってもらわなければならないと思います。
の割に報道されていないのが怖い。
報道が鈍感なのか、意図的なのかはわかりませんが。
ここ何年かは団塊の世代の大量退職が続いています。
企業でも学校でも役所でも高度成長の時代を経験してきた世代がどんどん引退しています。
その中には、おっしゃるように「もうゆっくりしてください」と言いたい月給泥棒な人から「この人に抜けられると困る」という有意な人材まで様々いらっしゃいます。
能力に自信がある人は、高度成長の時代に国内外を相手にしていた人も多く海外資本にも抵抗が少ないでしょうし、成果が目に見える快感をもう一度というのもあるでしょう。
自分を(はっきり言えば能無しと思っている人と同様に)切り捨てる社会に愛情を抱き続けなさいというのも酷な話ですし。
本当は大手を始めとした世界相手の企業が年齢ではなく本人の仕事具合で評価するようになればいいのですがね。
高齢社会に突入した今、定年制も見直しの時代に来ていると思います。
日本企業は、沈む直前まで乗っていたもの勝ちの、チキンレースかも。
人を見るメガ、、、無いのかと、、いいたい、、、
お塩学ぶ、、、どころでは、、ないのである。。。