東京都青少年健全育成条例の誤解
- カテゴリ:マンガ
- 2010/12/20 21:19:41
まったく、親と学校は何をやっているんだろう、と思う。
ネット上で未だに「東京都青少年健全育成条例の改正反対」の文章が踊っている。
それもハンパな数ではない。
改正案が12月15日に既に可決されてしまっている事も知らない小学生、中学生が多いようだ。
もっと深刻なのは、この条例改正によって「すべてのマンガ、アニメの出版、製作、販売、放送が禁止される」というデマが未だに飛びかっている事だ。
ついでに年齢上しかたない面はあるが、これを日本全国に適用される「法律」だと信じ込んでしまっている子も多い。
ネットにわざわざ書き込みをする子は氷山の一角だろうから、実際の数は何十万人、あるいは何百万?
インターネットの負の部分がもろに表れてしまっているが、こういう時こそ親や学校がきちんと正しい情報を与えてやるべきではないのか?
分かっている人が多いとは思うが、この条例は東京都内だけで効力のあるローカル・ルールで、法律ではない。
程度の差はあれ、既に似たような規制をかけている府県は他にもたくさんある。
また今回の東京都の条例改正が狙い撃ちしたのは、「リアルの世界でやったら犯罪」になるような、露骨な性行為の描写があるマンガ、アニメなどである。
改正以前から、18歳未満の未成年にこのような作品を売ったり貸したりする事は、御法度である。
今回、出版社が猛反対したのは、将来この部分が拡大解釈されて、都知事あるいは都庁の役人の独断と偏見で、「わいせつな不健全図書」のレッテルを張る事が可能になるから、である。
戦前の検閲みたいな物を復活させられたら、たまったもんじゃない。
その危険性を内包している内容の条例改正だから反対、なのである。
逆に言えば、この改正条例が施行された途端に「すべてのマンガ、アニメが禁止される」というのは、完全なデマである。
個人的にはこの改正には反対だし、条例を再改正するための運動なら支援したい。
だが、条例と法律の区別もつかない子供をネット上でたきつけて、反対運動に利用するような事だけは止めて欲しい。
そういうやり方は逆効果になって、かえって危険だ。
こんなデマが飛び続けている責任の一端はマスコミ、特に新聞社にもある。
マンガ、アニメの話だから、という理由で取り上げようとしなかったのなら、「若者が新聞離れするのは当然」という事になる。
小中高生にとって、マンガやアニメは生活必需品である。これは何も近年始まった話ではない。
もう何十年も前からそうだ。
それが規制されるべきかどうか、という話は「マンガ、アニメの事を取り上げる」というのとは次元が違うはずだ。
条例と法律の区別もつかないのが当然の小中生が、あれだけネットで一年ぐらい前から大騒ぎしていたのだから、子供向けに事の次第をやさしく解説する特集ぐらいやってあげてもよかったのではないか?
我輩の知る限り、この件に関して、大人向けの、東京都議会の動向の記事を載せた新聞はあっても、子供向けの特集を組んだ新聞はないように思う。
雑誌などのメディアは出版社が発行元で、直接の当事者、利害関係者だから、やはりここは新聞の出番だったろう。
十代の若者は、十年後の「二十代の消費者」である。
もっとも消費意欲が高く、また進学、就職、結婚などで、一人暮らしを始めたり、新しく世帯をかまえるようになる「将来の読者」だ。
新聞に限らず、どんなビジネスでも、今現在の青少年世代をないがしろにしていると、十年後、二十年後に必ず、手痛いしっぺ返しをくらう。
今からでも遅くはない。
新聞社がこれ以上の新聞離れを食い止めたいなら、こういう「若者のニーズ」をこそ満たしてやってはどうか?
逆効果、というのは正しいですね。ヒステリックな反対が増えると、条例が正しく見える。
相手を感情的にさせればOK,というの、ネットで学びました。
今回の条例はモロに影響を受ける部類ですが
お恥ずかしながら、「この条例の意味するところ」が何なのか、
「条例の良いところ、悪いところ」がまだ曖昧にしか理解できていません。
ネットで見聞きする情報を聞いた範囲ではありますが
この条例は良くない、自分達に影響がある、
と分かっているので、もちろん反対はしていますが、
今ネットに飛び交っているさまざまな情報は
どれが正しくどれが間違っているのか、
そしてどれを信じるべきなのかが正直分からない状況です。
後からこれはデマですと言われたところで
拡散はされてしまった後であり、
また、そのデマです発言がデマである可能性もあるわけで。
「条例の真実」を、
信頼のおける誰か(著名人でもマスコミでも)が、
その条例によって影響を受ける東京都の自分含む18歳未満向けに
「これが本当なんだよ」と発信してほしいです。
事実を、きちんと、子どもたちにわかるように教えることは
「大人の義務」だと私は思ってます。
そのためのマスメディアでしょう。