Nicotto Town



「逃げ切り世代」と新聞離れ

購読しているメルマガで知ったのだが、二十代の若者の間で「逃げ切り世代」という言葉が使われているそうだ。
そしてこれが現在の若者の、少なくともその一部の、新聞離れの原因だというのだ。

一回読んだだけでは我輩も「はあっ?」だったのだが、公的年金制度の崩壊と新聞離れがリンクしているというのだ。

「逃げ切り世代」というのは、今の公的年金制度が20~30年後に崩壊してしまっても、「どうせその頃には俺たちゃもう生きてないだろうから、どうでもいいもんねー」と言える世代の事らしい。
どこへ逃げ切るのかと言うと、あの世へ、なわけだ。

確かにこのままでは公的年金制度が崩壊する、という声はあちこちから出ている。
仮に20年後に崩壊して、日本人の寿命が80歳とすると、今現在60歳以上が「逃げ切り世代」という事になる。
崩壊が30年後なら現在50歳以上が「逃げ切れる」という事だ。

もちろん今の若者世代は、保険料取られただけで年金は一円ももらえず、逃げ切り世代の尻ぬぐいだけを押しつけられる・・・・・・少なくとも、そう思っている若者が多いという話らしい。

若者世代がそういう不安を抱くのは分からないでもない。しかし、それと新聞離れと何の関係が?と思ったら、こういう話だそうで。
「逃げ切り世代ほど新聞を取っている。だから新聞を読むのはダサい」なのだそうだ。

確かに年齢が上になるほど新聞を宅配で購読している率は高いだろう。
つまり、上記のような若者にとって、逃げ切り世代は憎むべき仇であり、その仇がごひいきにしている「新聞」を若者が読むのは「ダサい、カッコ悪い」という理屈になってしまうらしい。

我輩、前から新聞業界が「新聞離れ」と口にすな、そりゃ「読者離れ」だ、と言ってきたのだが、新聞を読みたくない理由がこういう事だというのなら、これは確かに「新聞離れ」としか表現のしようがない。

内容がつまんないとか、分かりにくいとかいう理由なら、新聞社側の努力で何とかできる。
紙の新聞という物理的形状がダサい、という話なら、従来の新聞とは別に若者向けの電子新聞を出せばいい。スマートフォンの普及はいい追い風になる。

しかし、「逃げ切り世代のメディアだから」というのでは、新聞社サイドにはどうしようもないだろう。
これは完全にイメージの問題だからだ。

もちろん若者世代の全部がそう思っているわけでもないだろうが、少し前に20代の74%が全然新聞を取っていないという話を紹介したばかりである。
4人に一人しか新聞読まないという原因というか、理由がこれではNIE運動も意味がない事になる。

NIEとは Newspaper In Education の略で、教育に新聞を、という意味だ。
学校で新聞を取ってもらって社会科の授業などに使ってもらう。また、教育委員会の管轄下にある公立図書館などにも新聞をもっと置いて、若者に読んでもらおうという運動だ。

もちろん、将来の読者を学生のうちから囲い込んでおこう、というビジネス戦略でもあるのだろう。
しかし当の若者の頭の中に「新聞=逃げ切り世代の味方=自分たちの敵」という図式が出来上がってしまっているとしたら、この先新聞の購読率は落ちる一方だ。

新聞社の経営もお先真っ暗という事になってしまう。
現在のお得意さんである「逃げ切り世代」は順に冥土へ行ってしまうわけだから。

かくいう我輩も逃げ切れない世代だから、他人事ではない。
もっとも、この話、公的年金制度が絶対に崩壊するという事を大前提にした論理だ。

今の若者がそれほどに上の世代を信用していない、という事なら、こっちの方が深刻な事態なのかもしれない。

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2011/01/18 21:27
「逃げ切り世代」・・・ですか
初めて分かりました。

もう3~4年位前から、区からの大事なお知らせ新聞が、宅配になってます。
新聞を取らない家が増えたから・・・
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2011/01/18 06:00
私は新聞を2種(地元のと日経)取る家庭に育ちましたが、今は取っていませんねー。
正確には専門誌を一つ取ってますが、お付き合いで^^;
今は情報が色々な所から得られるので地元のニュースならさほど困りませんしね。
新聞社の方のセールスもよく来られますが、だいたい折込チラシが入ってて買い物にいいですよ!とか
読んだときに得られる得点とかを言われ
新聞のアピールは無いですね。。。絶対変だ(笑)
必要ではない気がしますもん。
年金崩壊は・・・やはりどうしようもないのか。


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2011/01/17 23:43
世代間格差なんて、縮小する日本市場に固執してる人ばかりでは困っちゃいますね。
でも、老人は目が悪いので読書離れが進んでいるっていう話もあれば、新聞は老人のほうがとっているって話もあるんですねー。
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2011/01/17 23:08
そうですね、新聞の未来はどうなっちゃうんでしょうね。

私は、ぎりぎり新聞購読している世代ですが、別になくてもいいって思ってしまう(^^;;すみません
(ちなみに ウチは2種の新聞購読しています)
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2011/01/17 22:56
新聞代もバカに成らないってことも、あるでしょうし、

新聞の中身が、やはり問題では??

広告ばかりだし、、記事も、、なんだかねぇ??
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2011/01/17 22:38
なるほど、それでは今の若い人は「逃げ遅れ世代」ですね。
逃げ遅れた先にはどんな将来が待っているんでしょうね…
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2011/01/17 22:27
そういえば「うちの新聞は大学入試で一番使われています」なんてのを売りにしていた新聞もありましたね。
かわら版の昔からすれば随分お高い媒体になってしまったものです。
新聞記者自体が「自分たちはどこからも責められない特権階級だ」と認識している節もないではないし。

かたや掛け金よりはるかに効率のよい年金を孫世代に借金を押し付ける形で受け取っている「逃げ切り世代」。
彼らも自分たちの掛け金の計算くらいできますから「もらいすぎ」は理解しているでしょうが、だからといって自分たちの老後の生活設計を大幅変更してまで自ら減額を提案するなんてことはない。
これを特権階級だと若者が考えるというのは十分あり得ます。

本当はこのような状態になると容易に想像できたのに、バブル崩壊に到るまで対策を取らず放置してきた歴代の政府(及び有権者)の責任なんですがね。
実際問題、「逃げ切り世代」もそうでない世代も痛みを伴わない改革なんてないだろうというのが「逃げ切れない世代」の感想ではあります。




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