菅政権は「可処分所得」が分かってない
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- 2011/02/10 21:24:32
増税すべきかどうかで、内閣がまた迷走している。
子供手当の財源を確保するために消費税を上げるかどうか?が論点になっているが、経済の基本原則を分かっているのだろうか?
増税するかしないか、子供手当などを継続するかしないか、これらは全て「家計の可処分所得」をどうするのか?という観点から論じるべきだ。
可処分所得とは、簡単に言えば給料などの収入から税金や社会保険料などを引いた残り。俗に言う「手取り」の事である。
この可処分所得を増やしたいのか、減らして何かをしたいのか、それが全然見えて来ない。
だから国民には何の事やら理解不能な議論になってしまうのだ。
そもそも発足当初の民主党政権の政策は、「家計の可処分所得を増やす」という方向性だった。
子供手当にせよ、高校無償化にせよ、農家への戸別所得補償にせよ、それによって可処分所得が増える事になる。
子供手当はその金額分だけ家計に余裕が出るわけだから、「じゃあ、何か買おうか」という話になる。
高校の授業料の負担が実質ゼロになれば、親の懐がその分あったかくなるから、「月に一回ぐらいは外食してぜいたくしようか」という話になる。
農家への所得補償も、不作や過剰な豊作での収入減のショックが小さくなるから、「農閑期には旅行にでも行くべか?」という話になる。
これらは商品やサービスを買う事、つまり「消費」を増やすから、企業の売り上げも上がり、その会社の従業員の給料も良くなり、その人たちがまた消費して・・・・・・という連鎖反応が起きる。
一方増税は、家計の可処分所得を減らす。
税金で持っていかれる金額が増えれば手取りの収入は当然減る。
消費税も、生活必需品は買わないで我慢するわけにはいかないから、上がれば家計の可処分所得が減る。
最低限の生活必需品以外の物に使えるお金が少なくなるのだから、誰でも娯楽や外食などにお金を使わなくなり、サービス業などの売り上げは減る。
そうなるとまず、サービス業で働いている人たちの収入も減り、その人たちがまたお金を使わなくなり・・・・・・という連鎖反応が起きる。
子供手当などは福祉政策としてではなく、「可処分所得を増やす方法」として見るべきなのだ。
将来ちゃんと継続してもらえるかどうか不安だと、消費に回らず貯金されてしまう。
増税は一時的に政府の財政状況を好転させる効果はある。
しかし日本経済全体が右肩上がりだった時代なら、いずれ自然に可処分所得も上昇に転じたが、現代の日本で増税をやると長期的に消費を抑制して経済成長を阻害してしまう危険がある。
だから子供手当などを続けて支給し、同時に消費税増税をやるというのは経済の基本を無視した政策である。
家計の可処分所得を増やす政策と減らす政策を同時に実施すると、お互いに効果を相殺してしまう。
自動車の運転に例えれば、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなものだ。
これでは全ての経済政策が効果を相殺し合って、結局何も変わらなかった、という結果になる危険性が高い。
増税をして、かつ家計の可処分所得も増やす、これは現在ではもう不可能である。
そんな事が出来たのは日本が成長期の国家で、経済が毎年右肩上がりという状態が当然だった時代の話だ。
今の日本は成長期を終えた成熟期の国家である。いつまで過ぎ去った日の栄光を追いかけるつもりなのか?
景気を良くする、国家財政を再建する、そのどちらもやります、はもう不可能な時代なのである。
政府がやるべきなのは「苦渋の二者択一」だ。
消費を増やして景気を良くしたいのなら、「放漫財政」のそしりを敢えて受けて、可処分所得を増やす政策を続ける。
こちらを選ぶのなら増税は、消費税を含めてもっての外である。
財政の悪化には当面目をつむる。
財政再建が最も大事なら、経済成長だの景気刺激だのはあきらめるしかない。
「弱者切り捨て」という批判を覚悟の上で、可処分所得を減らす政策を取るしかない。
景気は悪化し、国民の生活はますます苦しくなるが、「日本国が破産するよりマシでしょう?我慢して下さい」と開き直るしかない。
こちらを立てればあちらが立たず、これが日本経済の現実である。
こちらもあちらも立てます、というような事をやっている限り、二兎を追う者は一兎も得ず、という結果になる。
日本にとって、庶民にとって、最悪のシナリオは実はこれであろう。
あまりいい事では、ないですよね(><)
同感です^^
将来のため事を、かんがえてほしいです!
(くわしいことは、よく分かりませんが・・・)
王道は増税する前に、景気回復です。
まず税を増やすことを考えるのは結果的に国民のためにはならず、政府を大きくする道
にしかないりません。膨らんだ政府はますます税を必要とします。悪循環なんです。
今必要なのは国防と、景気回復です。そう思いませんか?単純に日本の国民として
暮らしやすいほうがいいに決まってるんですから。
マスコミは外国人が多いので、テレビや新聞雑誌みてると、何が大事なのか
わからなくなってしまいます。
現政府の増税論にしても、諸手当にしても目先のことばかり見ているような気がします。
不和詠人さんが仰るように、日本は成熟期の国家です。経済規模が現在よりも大きくなっていくとは考えにくいと思います。(太平洋で開発しようとしている海底資源が成功したりとか何かサプライズ的なものがあれば別かもしれませんが)
長期的にリターンが最大になるように、コストをかけてもらいたいものです。
これまで日本の国債は大半を自国で賄っているので安心だといわれていましたが、政府への信用がなくなれば、これとて紙切れに変わる可能性すらあるのですから、放漫財政を続けるのは実質的に難しいでしょうね。
ですから、増税を控えて子ども手当てを支給し続けるというのも難しく、いつ打ち切られるかわからない不安があれば大半は貯蓄に回されるというのが道理であるように思えます。
そうなると財政再建しかありませんが、そうなるとどこに重点的に投資するかという話になる。
それならこれからの人に投資してパイを維持しようというのが現実的。
教育にかかる費用に投資するのが一番でしょう。
(ただし、助成は日本国の所管する学校だけで十分。)
それから軍隊を徴兵制にすること。
現在のような情報社会において軍隊の実態を一般国民が知っているということは、国家間の力関係の現状を理解するということでもあり、暴走の抑止力にもなりえます。
なんといっても防衛費に占める人件費を抑制できる。
みんなが思う施策を全て実施して矛盾がないならそれが一番ですが、ない袖は振れないし矛盾は必ず起こる。
それなら将来のためにどうすればいいのかという視点で考えるのがベターなのではと思います。