Nicotto Town



自作小説倶楽部 3月 「視点を変えたひな祭り」

*明かりを付けましょ、ぼんぼりに♪~
 お花をあげましょ、桃の花♪~
 五人囃子の笛太鼓♪~
 今日は楽しいひな祭り♪~
・・・そうか、もう我の・・いや、我々の出番か。
紙に包まれて箱に閉じこめられていたから1年が100年近くに感じられる
・・・ま、眩しい。
その間にも、手慣れた手つきで我々を置いていく。
ようやく、目が光になれてきたのでそっと開くと
さゆりとその娘のすももが可愛らしいものをみるかのように見ていた。
毎年の事ながら、何故そのような目で見てくるのだ?我には分からぬが。
すると、
*「あなた、いいかげんそのように仏頂面はお止め下さい」
隣のひながそう言ってきた。けど、我々は女性の身代わりに厄を受けるのが仕事の筈だか・・・
す「やっぱ、ひな人形ってかわいいよね~ずっと飾っていたいと思わない、母さん?」
さ「あんたね~。そんな事を12年も言い続けているから適齢期から12年も遅れているのを自覚してる?」
す「夢がない母さんだね~、簡単に末永く結ばれていたら出生率上がっているよ~」
さ「はぁ~」(溜め息)
と、このようにすももの愚痴とさゆりの皮肉を聞くのが仕事になっていないか、ひなよ・・・
あ、澄まし顔で無視するか・・まぁ、良い。
さゆりよ、今年も貴様とすももの厄を祓ってやるから我やひなに濡れ衣を着せないでくれないか?

<完>

アバター
2011/03/20 17:25
楽しく拝読させていただきました。
ひな人形視点のためか、おっとりと感じられますね。
「あ、澄まし顔…」の部分が特に好きです。
アバター
2011/03/11 19:09
婚期が遅れるって、濡れ衣なんだ~w
おもしろいね~^^
季節の短編シリーズいいねぇ♪
アバター
2011/03/09 00:50
(^0^)<こんばんは♪ 

最近はあまりテレビ見ないけど、フジ系の【ほこ×たて】をよく見てます♪
アバター
2011/03/05 11:51
雛人形視点の雅なお話です。

「あ、済澄まし顔~」の文章あたりなど実際の雛の顔を思い出し、ニヤニヤしてしまいました。
それにしても、雛人形が纏っているあの豪奢な衣は、実は濡れ衣だったとは、雅な視点もあったものです。ニヤニヤ。
アバター
2011/03/05 08:01
本日21時カフェで自作小説倶楽部集会です。
アバター
2011/03/02 22:34
リアでも おひな様、飾ったのかな?
アバター
2011/03/02 13:30
冷さん風の雛人形の視点に和やかさを感じました!(^-^)

人形を飾る二人の今風なやりとりがとてもリアルで、それを受け止める人形たちまでもちゃんと家風に染まっているところがとても微笑ましかったです!(^0^)・・・凝縮されてるのにとても深みのある作品だと思いました!
アバター
2011/03/01 15:42
すごいですね♪

雛人形がこんなことを・・・^p^
おもしろいです。
アバター
2011/03/01 00:45
子供の頃、雛人形の7段くらいになってるヤツが羨ましかったです。
アバター
2011/02/28 22:56
雛人形の苦悩を垣間見させていただきました^^



Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.