自作小説倶楽部 4月 ~花見ならぬ人見~
- カテゴリ:自作小説
- 2011/03/23 19:51:03
花見と言えば、桜を肴に弁当食べたりお酒を飲んだりして楽しむ日本人特有の行事・・・
ミツバチである自分は、毎日あくせくと女王様や後輩の為に働いているのに、
たった20%しか働くことがないアリを見て「ありさんって、みんな働き者ね。」と人間は言葉をかけているのを知ってミツバチ族のプライドが壊される。
だから、化粧姿をめでられる桜が羨ましい・・・同じ女性なのに・・不公平。
~昼~
桜「あら、今日は元気ないわね・・どうかしたの?」
私は、“あなたに嫉妬しているのに平然と仕事しなきゃいけないから元気がなくなるのよ”と思っていたが、我慢して桜の質問を無視して仕事しようとしたら・・・
桜「花にも言えない悩み事のようね~・・・あ、そうだ!今夜は私と一緒に人見しましょ♪~よし、女王バチさんに手紙を書かなくちゃ。♪~」
私が反対の声を発する前にてきぱきと一番目立たないところから数枚の花びらでできた手紙を女王様に・・・て、うわぁー!!!
私「・・・」(絶対に女王様に叱られる~・・・処刑される~)
桜「いつも懸命に働いているんだから、たまには息抜きしないとね♪~それともストレスかかえて土に帰りたいの?」
私は、いいえと答えたその時、返信用の花びらが来た。
桜「今日一日だけ許す。桜に迷惑行為をしでかしたら、くもの巣の刑に処す。ってあのハチらしいわ~」
桜は、くすくす笑いながら返事を読んでくれた。私はその言葉に改めて優しさと怖さを知った。
~夜~
桜の言う通り、人間共が集まってきた。
白い肌、黒い肌が赤くなっている・・・私を見てキャーと叫びながら逃げる人間だよね・・・本当に?面白い。
桜「どぉ?人見は。・・・あなたの思っているように楽しむ姿が見られるけど・・・人見はそう甘くないの。」
何で?と思って尋ねてみようみようとしたら・・・酔った人が桜の枝を・・・折った!!私はその事が許せなくて針を刺そうとしたら・・・
桜「だめよ。そんな事をしちゃ。このくらいの事、私は平気よ。」
私「でも・・・」
桜「桜に迷惑行為をしでかしたらくもの巣の刑に処する。忘れてないでしょ?それにこんなの花の世界では当たり前よ。だから気にしないの」
花見は桜が自分を見て楽しむ人に特別な事をしたり危害を加える人に仕返ししない。
けど、人見はたまに酒の酔いを伝って桜や同種に危害を加える事がある。だから面白いけど危ない。
やっぱり、不公平じゃないわ。ごめんね、桜・・・
桜の木の下のバーベキューも、根っこに良くないらしいですね
大切に扱って、美しい花を毎年楽しませてもらいたいものですね
自分に与えられた仕事を真面目にやっていこぉ^0^
ミツバチの仕事は花にとってものすごく重要だしね!
楽しかったです♪
手折られた時、擬人化された桜の傷みが伝わってきて蜂の代わりに私が殴ってやろうかって気持ちになりました。
桜の木にとって病気の原因となるアブラムシなどの病害虫の天敵は、ハチやクモだという話を聞いたことがあります。それを知っているせいか、妙にリアルな感じがしました。
しばらく桜の木からは、人ならざる視線を感じそうです。
なかなかの人見ができます^^オンタイムの人見ですが。
花見ではオフタイムの人見ができて、さぞ興味深いことと思います^^
面白かったです。
サイボーグドッグもけっこう好きだけど、自然や季節を主題にした短編、
いけてると思う。
言われてみると・・・アリが働いても特に人間の役には立たないけど
ミツバチの働きは人間の役に立ちますよね♪
ニュースでミツバチがいなくなって甘いイチゴが
出来なくなったとか何とか・・・何処へ行ったのでしょう・・・(--;