Nicotto Town



被災地の経済を回せ

東日本大震災は、原発事故で近寄れない福島県の沿岸部は別として、「生き残った者がどうやってこの先生計を立てていくか?」を考える段階に入ったと思う。

原発の周辺でも今頃になって、30キロ圏外の市町村を含めて「やっぱり避難して下さい」と政府が言い出して、収拾がつかない状況になっている。
それも避難先や避難先での生活は自分で何とかしろ、というのだから、無責任この上ない。

今被災地で一番深刻なのは職である。
特に津波の直撃を受けた地域が非常に広く、かつ大規模な漁港が軒並み壊滅的な被害を受けた。
漁業で栄えていた街は漁船、港湾、加工施設などが全て破壊され、廃業、倒産、社員の大量解雇が既に起きている。

今政府がやるべき事は、被災地の経済を回す事だ。
物と金が流れる仕組みを作ってやれば、後は民間に任せておけば勝手に軌道に乗る。
それが経済という物である。

まず瓦礫の撤去。現在は自治体が建設業者に依頼してやっているが、これを政府が直接監督して、被災地の働ける住民を動員して人海戦術で行う。
本業の続行が当面不可能になっている地元企業に、人員派遣を要請し政府から直接その賃金を支払う。原資には義捐金の一部を使ってもいいだろう。

津波でまっ平らにされた土地はとにかく一旦更地に戻すしかない。
小規模な解体作業や手作業での小さな瓦礫撤去なら、素人でも出来るから、日雇い仕事でいいから地元の人たちに金を払ってやってもらうのである。

瓦礫の処理方法だが、コンクリートやレンガなどの鉱物性の物をより分けて、海岸線の埋め立てに使う。
今回の震災では海岸線の広範囲の土地が地盤沈下している。
地理学者が大真面目に地図を描き直す必要を論じているほどだ。

恒久的に水没してしまった場所は仕方ないとして、震災前は海から離れた陸地だったのに今は波打ち際、という場所がたくさんあるはずだ。
こういう場所はざっとでいいから埋め立てしておかないと、どんどん海水に浸食されてしまう。

仮設住宅だけでも膨大な材木が必要になる。街が本格的に復興し始めたらなおさらだ。
この材木の最初の供給を政府が行う。
内陸部の人工林の木を、強制的に買い上げるのである。

北関東もそうだが、東北にも杉などの針葉樹林ばかりが不自然に密植された人工林が多いと思う。
これは戦後まもなく、将来材木として売れる事を期待して植えたが、育った頃には輸入木材があふれていて、伐採して出荷も出来ず、手入れされないままほったらかしになっているケースが多い。

所有者の意思に関係なく、一定の割合の木を政府が強制的に買い上げ、ただで民間に供給する。
伐採作業は、専門家でないと出来ない部分以外は、被災地の失業者を優先的に短期契約で雇用する。
一時的な出稼ぎ仕事なら、遠距離から応募してくる人もいるだろう。

そうすると製材所などがフル稼働するようになり人手が要るようになるから、近隣の被災地から短期で労働者を募集する。
元値がただの材木なら全体のコストが下がるから、とりあえずの賃貸用住宅などが供給されやすくなる。

一番大事なのは、とりあえずの日雇い仕事でもいいから被災者が職と現金収入を得る道を確保する事である。
働いていれば気持ちも前向きになれるし、元の職業に戻るまでのつなぎの仕事であれば、被災者が職をえり好みはしまい。

初期の段階では援助頼みでも仕方ないが、復興は最終的にはその地域の住民の自助努力で行わざるを得ない。政府はその最初の点火を助けてやるしかない。

一方、原発事故での長期にわたる避難は、自己責任、自助努力でどうにか出来る性質の物ではない。
今の政府のやっている事は、この点であべこべである。

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2011/04/14 06:38
原発事故を天災だけのためと主張するために滅茶苦茶なことになっています。
人災だということから始めないと何も解決はしないでしょうに。
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2011/04/12 20:32
東北では、津波で会社がつぶれて、職を失った方が多いです。
また漁船が、津波で、壊れてしまった漁師さんが、たくさんいます。
ハローワークにも、仕事の依頼が少ないらしいです。
先ずは、職を見つけることと仮設住宅をなんとかしろよ政府は!!なにやってるんだ。
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2011/04/11 22:32
こういう時こそ、官僚をきちんと指導するという公約を実行すべきなのに出来ない。政治家に知恵があるとは
国民の誰も思ってはいない。内外の叡智を集めて、それに基づいて可及的速やかに決断すべきなのに・・・。
仰るとおり、被災地の職と住の確保が最重要課題ですね。




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