Nicotto Town



5月自作小説倶楽部 ~教室の時計~


初めまして、本日3年4組に配置されました、時計です。(名前は、時計なのでないのです・・すいません。)
さて、張り切って仕事開始です!
と、張り切って仕事したのはいいですけど・・・
あの、廊下側の4列目の子が僕をじっと見つめている・・・何でだろう、は、恥ずかしいです。・・・
あ、今度は教師まで見つめてるよ~僕の顔を見つめないでーお願いだからー!!
しばらくして、教室に誰もいなくなりました。
僕は、今日の失態に思わずため息をつくと
*「どうした、新人?悩み事なら俺の胸に吐いてしまいな。」
*「時計に胸ないじゃん。・・・とにかく話なよ。話した方がすっきりするよ。」
隣にある3年5組の時計先輩と3年3組の時計先輩が声(テレパシー)をかけてきた(送り込んできた)。
とりあえず、先輩達に悩み事を打ち明けると2個とも大笑いした。
*「あんた、それは早く授業終わんないかな~か 弁当の時間まだかな~のどちらかに決まってんじゃん!ハハハハ」
*「それで、お前は恥ずかしがってる訳かーかなり情けねぇー。まぁ、いつか慣れるさ。」
*「そうそう。3年5組の時計なんて配置された日が大雨に雷が鳴っている時だから、独りぼっちになった時に怖さのあまり、4時間も進めてしかも、修理に来た時計屋にこってりしぼられてたもんね~」
*「なんだと!自分だって、この間長針がつって時間を正確に伝えられてないじゃねぇかー」
あ~3年3組の時計先輩と3年5組の時計先輩が喧嘩し始めてしまいました・・・どうしようと悩んでいると、カウセリング室の時計先輩が止めてくれた。
*「うるさいよ、3年3組のと、3年5組の。後輩が悩み事を打ち明けているのに喧嘩してどうするの!」
3年3組の時計先輩と3年5組の時計先輩がカウンセリング室の時計先輩に謝った。
そして、僕を励ましてくれた。
*「時計は、いつでも人間に見られている物よ。恥ずかしがっても正確に時間を教えればそれでいいじゃないの。恥ずかしがるのを悩んでなくてもいいよ。」
個性豊かな先輩達がいて本当によかった。

〈完〉







アバター
2011/05/09 21:38
時計に宿った心が、読んでて素直に受け取れる雰囲気が好きです。

『修理にきた時計屋さんにこってりしぼられた』というところが特にイメージできて楽しくなりました。
アバター
2011/04/29 10:38
3年4組の新しい時計。
と、いうことは、その前にあった3年4組の古い時計は引退?
その辺のエピソードも読んでみたいな。
他の時計がまた、思い出語りでもしてくれるといいな。
アバター
2011/04/28 21:33
こんにちは^^
新人さんは時計でも緊張するんですね。
そのうちベテランになって、修理もしてもらって箔をつけて、ずーっと3年4組に居座ってほしいもんです^^
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2011/04/28 16:58
お久しぶりです。
時計に新人・ベテランの差があるのは面白い観点だと思いました。(^-^)
それに、カウンセリング室の時計がカウンセリングするという設定にも合点が行きました。www
見られるのが時計の務め・・・擬人化されているので、もしこれを人間で表現するとしたら、面白さよりも深刻さを感じさせる作品になっていたのではと、関係ないところで考えてしまいました・・・例えば初舞台に臨む俳優の言葉とかで考えたらと・・・
アバター
2011/04/28 14:06
ご無沙汰しております。
確かに教室の時計には、誰もが熱い視線を注ぎますよね。
余談ですが私の通っていた大学の教室には時計がありませんでした。


『自作小説倶楽部』よりお知らせです。
心さんが入会されました。よろしくお願いします。
アバター
2011/04/28 00:57
俺は時計はアナログの方が好きです♪(^0^)
デジタルも使うけど・・・w (^^;

俺も学生時代は授業終わりを心待ちにして
ジーーッと時計を見てました。



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