Nicotto Town



6月自作小説倶楽部 ~雨の演奏~

 雨雲は、耳を澄ませながら聞いていた。
 音楽室から聞こえる生き生きとしたリコーダーの音と1台のピアノの音を
 雨雲は聞いている内に自分も参加したくなったが、
 雨音にドレミの音がないので参加出来ずにいた。
 その事で悩む雨雲を見かねて雷雲がこえをかけた。
雷「何を悩んでいるんだい、お前?」
 
雨雲は悩み事を雷雲に打ち明けると、雷雲は少し考えて1つ提案した。
雷「なら、お前は大雨を降らせよ。オイラは雷を落とすからよ」
 
雨雲は何故かその提案に賛成し、2つの雲は実行した。
 時折、音楽室から生徒達が悲鳴をあげていたこと知らずにやり続けた。
 しばらくして、太陽の化身であるアマテラスがやってきた。
ア「雷を落とすのを止めなさい!!」
 アマテラスの叫びに落雷を止めると、2つの雲は生徒達が悲鳴をあげていたことにようやく気づいた。
ア「まったく、さっきから様子を・・・」
 
説教の途中で2つの雲が聞いていた曲とは別の曲が聞こえた。
*てるてる坊主、てる坊主♪~
 3,4人分の歌声も聞こえると言うことは、その3,4人はリコーダーを忘れたのだろう。
ア「よほど、怖がっていたのね・・・」
 
その言葉に2つの雲は苦笑する以外何も出来なかった。
ア「ほら、雨雲。もう少し雨音を弱くして・・・そうそう。」
 アマテラスの指示に従って、音楽記号で表すとmf(少し強く)ぐらいに雨水を調節すると、音楽室から「マジで、先生の言う通りになった。このまま3番までやろうぜ男子の声がした。
 2番目をmfからmp(少し弱く)、3番目をmpからp(弱く)もすると生徒達は喜んでくれた
雨「・・・あれ、もしかして共演できてるよね?」
 雨雲の言葉にアマテラスと雷雲は微笑んで頷いた。

 みんなも雨の日に愛用の傘を差して出かけでごらん。
 そして、もし学校の音楽室から音楽が聞こえていたら
 それはきっと雨雲が共演しているのに違いないから
 耳を澄ませてみてよ。
 
 

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2011/06/07 16:59
雨の日にこそ出かけたくなりますね★
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2011/06/05 19:25
とても楽しい雨の日になりましたね^^
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2011/06/04 11:07
場面の色んな想像ができてとても面白かったです。(^0^)
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2011/06/02 19:37
いいね!(facebookか???)
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2011/05/31 19:34
うん。今月も楽しく読ませて頂きましたよ。
きらんはサークルとは関係ないけど…

冷ちゃんの視点や感性はとてもいいなぁ、って思います。
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2011/05/31 05:24
スイーツマンさんへ
誤字の指摘を感謝します。
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2011/05/31 01:10
雨雲や雷や太陽を擬人化してるあたりが童話っぽくていいですね♪
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2011/05/30 22:55
あら、今回のお話は、情緒があっていいわね^^
雪だと、音を吸収して、ほんとに静かになるのにね
雨だと、いろんな音がするわよね
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2011/05/30 21:51
空の住人達に仕立てた擬人表現と
リアルな地上の学生たちの対比が
楽しいですね



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