6月自作小説倶楽部 ~雨の演奏~
- カテゴリ:自作小説
- 2011/05/30 21:25:29
雨雲は、耳を澄ませながら聞いていた。
音楽室から聞こえる生き生きとしたリコーダーの音と1台のピアノの音を
雨雲は聞いている内に自分も参加したくなったが、
雨音にドレミの音がないので参加出来ずにいた。
その事で悩む雨雲を見かねて雷雲がこえをかけた。
雷「何を悩んでいるんだい、お前?」
雨雲は悩み事を雷雲に打ち明けると、雷雲は少し考えて1つ提案した。
雷「なら、お前は大雨を降らせよ。オイラは雷を落とすからよ」
雨雲は何故かその提案に賛成し、2つの雲は実行した。
時折、音楽室から生徒達が悲鳴をあげていたこと知らずにやり続けた。
しばらくして、太陽の化身であるアマテラスがやってきた。
ア「雷を落とすのを止めなさい!!」
アマテラスの叫びに落雷を止めると、2つの雲は生徒達が悲鳴をあげていたことにようやく気づいた。
ア「まったく、さっきから様子を・・・」
説教の途中で2つの雲が聞いていた曲とは別の曲が聞こえた。
*てるてる坊主、てる坊主♪~
3,4人分の歌声も聞こえると言うことは、その3,4人はリコーダーを忘れたのだろう。
ア「よほど、怖がっていたのね・・・」
その言葉に2つの雲は苦笑する以外何も出来なかった。
ア「ほら、雨雲。もう少し雨音を弱くして・・・そうそう。」
アマテラスの指示に従って、音楽記号で表すとmf(少し強く)ぐらいに雨水を調節すると、音楽室から「マジで、先生の言う通りになった。このまま3番までやろうぜ」と男子の声がした。
2番目をmfからmp(少し弱く)、3番目をmpからp(弱く)もすると生徒達は喜んでくれた
雨「・・・あれ、もしかして共演できてるよね?」
雨雲の言葉にアマテラスと雷雲は微笑んで頷いた。
みんなも雨の日に愛用の傘を差して出かけでごらん。
そして、もし学校の音楽室から音楽が聞こえていたら
それはきっと雨雲が共演しているのに違いないから
耳を澄ませてみてよ。
きらんはサークルとは関係ないけど…
冷ちゃんの視点や感性はとてもいいなぁ、って思います。
誤字の指摘を感謝します。
雪だと、音を吸収して、ほんとに静かになるのにね
雨だと、いろんな音がするわよね
リアルな地上の学生たちの対比が
楽しいですね