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日本121位の原因

何年か前まで、少年向けマンガと少女向けマンガの違いに、こういうのがあった。
曰く、少年向けマンガは脇役のキャラが全てそれなりの個性を持っているのに対し、少女向けマンガは主人公と主人公に近しい関係のキャラ以外は全て「その他大勢」として描写される、という理論である。

ひと昔前までの少女マンガやレディースコミックになら結構当てはまるのではないだろうか。
これは男性が、同性なら潜在的な競争相手、異性なら狙い目の1番、2番……という見方で周りの人間を見るのに対し、女性は同性なら友人か否か、異性なら特定のお目当てか否か、の二分法で周りの人間を見るから、という説に基づいている。

上記のマンガの理論ではこれを生まれつきの性差だとしているのだが、我輩はジェンダー差ではないかと思う。
それも歴史的なジェンダーで、上記の差は中年以上の日本人女性にはあてはまるが、30代以下の世代ではどうかな?とも思っている。

なぜこんな話を思い出したかと言うと、2011年版の男女共同参画白書で2009年の国会議員(日本では衆議院、他の国ではいわゆる下院)に占める女性の割合が11.3%で、世界186ヶ国中121位という結果だったからである。
日本以上に男尊女卑の風潮が強いと言われる韓国でさえ、女性議員は14.7%であった。

だから男尊女卑の風潮があるから女性議員が増えないという従来の理屈は日本では成り立たない。
やはり中年以上の日本女性のメンタリティー自体に原因があると考える。
それを表しているのが、上記のマンガの理論だろうと思う。

政治の世界でも企業でもそうだが、部下をきちんと統制できない管理職は女性の方に多い。
それは自分の取り巻き以外を「その他大勢」として扱ってしまうせいだ。

これはアニメ版の「セーラームーン」を見るとよく分かる。
男性キャラは次々と登場するが、地場衛以外のキャラは段々存在感が希薄になり最終回が近くなると全く出番がなくなる。
グランドストーリーに最後までからんでいたのはS編の「教授」ぐらいではないか?

つまり主人公にとって重要な存在と言える異性の登場人物は基本的に「マモちゃん」だけであり、男性キャラはあくまで物語の舞台を構成する「背景」でしかないわけだ。
敵役にも多少男性キャラはいたが、グランドストーリーでセーラームーンの敵として最後までからむのは全て女性キャラである。

これが30代半ばぐらい以上の年代の日本人女性の基本的メンタリティーであり、これを職場に持ち込むと派閥になってしまう。
だから日本の女性管理職は部下を「自分の敵か味方か」という二分法でしか見ようとせず、その結果職場の全員をうまく動かすという事ができない人が多い。

もちろん個々人には例外もあるし、どこかの総理大臣のように、男でもそういう派閥感覚でしか物を考えられない政治家もいるから、あくまで一般的傾向なのだが。
だが政治の世界ではなおさらこういうメンタリティーではやっていけない。
これが日本の女性政治家の比率が低い原因だろう。

もちろん男性側にも責任はある。
長年の「男社会」の既得権にしがみつく男性が多い結果、いい意味で「男性的なリーダーシップ」を発揮できる女性が職場などで冷や飯を食わされて活躍できない、という状況を作ってきたからだ。

しかし、これは性差ではなくジェンダーである、と我輩が思うのは若い女性のポップカルチャーの嗜好が明らかに変化しているからだ。

マンガはまだしもアニメではもう「男の子向け、女の子向け」という区分自体が意味をなさなくなっている。
同性、異性双方のキャラが複雑な人間関係を織り成しているストーリーのアニメを若い女の子が好んでいるというのが現在の実情だろう。

これを端的に表してるのが「君に届け」だろう。
翔太君以外の男の子キャラも、それぞれ特異な性格と生活のバックグラウンドを持つ登場人物として丁寧に描かれ、「その他大勢」ではない顔のある人物になっている。

「マリア様がみてる」は基本的に女性キャラだけの話だが、これも人間関係を見る目が広くなっている傾向が分かる。
従来の少女マンガのセオリーなら、グランドストーリーは赤薔薇姉妹の中でだけ進行し、白薔薇、黄薔薇ファミリーのエピソードは番外編になったはずだ。
だが、3グループの物語が同時進行し、かつ複雑に相互に影響し合っている。

だから最初に書いた少年向け、少女向けのマンガのセオリーは現在では古くなっている。
むしろ少年向けのアニメの方が「萌えキャラ」過多になって、同性の登場人物を「その他大勢」として描くようになっているような気がする。

だから若い世代の場合、ジェンダー的傾向が逆転しているのではないか?という気もする。
女性の方が世の中を見る視野が広く、男性の方が自分中心にしか物事を見られない、という世の中になっているのでなければいいのだが。
あくまで男女半々が一番である。

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2011/06/23 13:06
たぶんね、男性社会の行き詰まりでしょう。
背景にあるのは。

女性はずっと社会的地位に虐げられていた。
いわばチャレンジャー。守るよりも攻めの方が強く映るのです。
地位や社会的地位にもとより、関心の薄い
女性の方が、多方面に興味を映しやすいということでしょう。

固定観念に縛りつけられている男の子に比べ
女の子の方が選択肢が広いのね。
もともと厳しい社会情勢化に置かれていた女の子は打たれ強いけれど
慣れない男の子は、内向きに守る方に流れているのかも。

アニメはほとんど見ないけれど、時代を現しているからね。

まぁ、生物的にも男が弱く、だからこそたくさん生まれてくるのね。
幼児期の死亡率が減ったことで、自然淘汰がされず、男あまりもある。
おまけに、彼らを育てた母親たちも、自立志向世代。

男の子だって、家事ができなければならないか
完全擁護型の育て方をされているのかも。
いわば、男性が誰よりも強くという昔ながらの教育法は消滅したのかも。

現代のジェンダー論は深いよ。
アニメでも、垣間見れるね。

わたしも男女半々がベストだと思っているのは同感。
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2011/06/22 03:45
初めてコメントします☆
漫画は、同性でもそれぞれ個性が
ある方が面白いですね♪
我が家は、長い間
主人が稼ぎ手で
私が専業主婦でした(^^)
それでも主人に家事を手伝って貰っていた
駄目主婦ですが(苦笑)
最近私も短時間勤めに出だして
少し2人の関係が変わって来ました♪♪
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2011/06/22 02:41
時代が進むにつれ、色々と変わっていきますからね。
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2011/06/22 01:28
まあ、男性でも女性でもいろんな人がいるのでしょうね。

「日本で男女の役割差ができたのは女性がはかまを履かなくなってから」という説もあるらしいですよ。
時代でいうなら室町時代後半くらいの肖像画から女性のはかま姿はなくなってくるとか。
外に出るならはかま姿の方が便利ですから、この頃から性別による役割分担ができたんじゃないかという。
(もちろん戦国時代でも馬に乗って戦うお姫様もいましたから、例外はありますが。)

ただ、現在ではおっしゃるように意識が徐々に変わりつつあるのでしょうね。
男性がおとなしくなってきた分女性が前に出ているのかもしれませんが。

働いている立場でいうのもアレですが、本来は夫婦のうちの稼ぎのよい方が稼いで、もうひとりはしっかり家庭を守るという生活ができるのが理想なのだろうと思います。
でも、今はひとりの稼ぎではなかなか生活していけないから共稼ぎが増えているし、腰掛けではなく長く勤めているのであれば、女性も仕事に評価を求めるのは当然の流れなのかなとも思います。
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2011/06/22 00:27
私の世代だと、好きな男性は「あなた」(実際には呼ばないけど)ですが、
若い世代は「キミ」なんですってね。

日本の女性は管理職になりたがらない、
管理し責任を負う立場になるより、誰かについていく方が楽、
というメンタリティがあるように思います。
そういう私も、管理職の登用試験を辞退しました…
会社が求める役割は、私には果たせそうにないので。
女性が自分を語る言葉がないというのと同じような感覚です。
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2011/06/21 22:55
いきなりですが失礼します。
とてもよくお考えだと思います。私はとても意見を言えるような考えを持っていないのでアレですが、読んでみてたしかにそうだと共感できる部分が多々ありました。
やはり小説家の方とあって、文章を書くのがお上手ですね。




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