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肉牛生産に関する疑問

放射性セシウムに汚染された稲ワラを餌として与えられた肉牛の問題が話題になっている。
健康被害や畜産農家への補償の問題もそれは重要だろう。
しかし一連の報道から垣間見えてきた肉牛生産の実態に違和感を持ったのは我輩だけだろうか?

出荷停止をくらった畜産農家の悲鳴として、こんな声が報道で紹介されてきた。
曰く、出荷時期の肉牛は倒れると自力で起き上がれずそのまま死んでしまう事がある。
曰く、出荷時期を過ぎた牛は夏の暑さに耐え切れずに死んでしまう惧れがある。

確かに畜産農家にとっては死活問題だろう。
だが、我輩が持っていた肉牛飼育のイメージとかけ離れている気がする。

通常肉牛は生後30カ月で出荷されて牛肉に加工される。
これを過ぎると値段が下がるそうだ。
かつ、出荷前の数カ月は稲ワラを餌として与えないと霜降り肉にならず、どうしてもワラが必要なためよその県から稲ワラを購入した結果、日本各地に汚染された稲ワラが出回ってしまったという事らしい。

ちなみに出荷時期の牛が倒れると立ち上がれないというのは意図的にビタミン欠乏の状態にするためらしい。
人間で言えば脚気の状態になっているわけだろう。だったら普通の夏の暑さに耐え切れず死んでしまうとしても不思議はない。
霜降りと言うのも、人間で言えば肥満ないしメタボではないだろうか?

つまり国産牛肉というのは、肥満気味で栄養失調の状態にある肉牛でないと高く売れないという事になるのではないだろうか?
もっと言えば、ほとんどビョーキで倒れる寸前の牛が食肉には最適という常識がまかり通っている事になる。
畜産農家にとっては常識なのかもしれないが、消費者の「旨い肉が取れる牛」のイメージと合致しているだろうか?

福島県沿岸部の畜産農家の場合は原発事故で物資が入って来なくなり、牛を餓死させるわけにはいかない、という切羽詰まった事情があった。
しかし、三重県などの西にまで東北産の稲ワラが流通したというのは理解に苦しむ。

野菜、果物、水産物などは過剰なまでに敬遠された。だったら危険かどうかは別にして、牛の餌のワラで「東北産?とんでもない!」という反応がなぜ起きなかったのか?
「出荷前には稲ワラを食べさせる」という畜産の常識が、あの異常事態の最中でも何の疑いもなく順守されたからだろう。

稲ワラが必要なら各県で稲作はやっているのだから地元で調達すればよさそうなものだが、どうも宮城県の稲ワラというのが牛の餌としての「ブランド品」になっていた面もあるようだ。

もちろん個々の畜産農家は市場の要請、つまりは消費者の嗜好に合わせてきた結果だろうから、農家を非難、批判するつもりはない。
しかし、汚染稲ワラ騒動が図らずもあぶり出した国産肉牛の実態は、何かおかしいんじゃないか?という気にさせる。

確かに霜降り、柔らかい肉質というのは安い輸入牛肉に対抗するための国産牛生産農家の長年の努力の結晶である。
だが、それが人間で言えばメタボとビタミンなどの欠乏、栄養失調の結果だとしたら、そんな牛肉、果たして食べる方の健康にはどうなのだろう?

食材としての旨さと、家畜の健康状態は別の話という考え方はあるだろう。
たとえば世界三大珍味の一つであるフォアグラは、病的に肥満させたアヒルやガチョウの肝臓である。
野生の鳥に比べたら異常にギタギタ脂ぎった肝臓なはずだが、だから人間様には美味、珍味なのだ。

我輩は昔オーストラリアで牛肉の味を覚えたので、赤身の方が好みだ。
このあたりは個人の好みの問題なのでどちらが正しいとか良いという話ではないが、「競争力のある国産牛肉」が全て極端に柔らかい霜降りでなければならないのだろうか?
日本人でも海外生活、海外経験がある人は珍しくなくなっているのだから、欧米式の「赤身の旨さ」を求めている消費者もいるのではないか?

我輩が持っていた旨い肉が取れる牛のイメージは、広々とした牧場で放し飼いでたっぷり餌を食べ、その結果丸々太った牛、というものだった。
ブランド牛肉の産地にはそういう所もあるかもしれないが、コストの点で日本中の全ての肉牛畜産農家がそういう育て方はできないだろう。

牛はあくまで健康で、手間暇かけて柔らかい霜降りにした超高級品か、味はそこそこだが値段もそこそこの中級の国産牛肉、の二つに分かれてもいいのではないか?
何がなんでも安いのがいい消費者は輸入牛肉を買えばいい。
それに安い輸入牛肉がいつまでも洪水のように日本に入って来るかは分からない。
中国、インドなどの経済新興国の食生活が向上すると、牛肉の国際価格は上がっていく可能性が高いし、流通量がひっ迫すれば日本市場だけを狙う必要はなくなる。

国産牛肉の生産を守る必要性には賛同するが、今の肉牛の生産方法はどのみち長くは続かない気がする。
もっと無理のない、自然な飼育方法に転換した方がいいと思う。
原発事故がそのきっかけになるなら怪我の功名かもしれない。

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2011/08/02 19:59
今安全なのは、すき屋の牛丼かもね。
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2011/08/02 19:51
フランスのお肉も赤身です。
霜降りは捨てられるそうです。
でも、不思議なのは、日本の赤身肉は焼くとパサパサで美味しくないのに、
こちらのお肉は、焼いても肉汁がいっぱいでます。

日本の放射能汚染、ほんとはもっと深刻なのを
隠しているとしか思えません。
現に6月には、静岡茶に許容範囲のセシウム500の倍以上が発見され、フランスで廃棄処分になっています。
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2011/08/02 01:59
インドはヒンズー教徒が多いから牛の食肉としての消費量が爆発的に増えるとは考えにくいですが、中国はあるかもしれませんね。
今でもマグロの買い付けが増えつつあるという話は聞きますし、基本的に食のタブーがない民族ですから。

牛肉に限らず家畜の肉は食糧生産効率は決してよくない。
市場に出すまでのえさの量だとか、牧畜している面積を田畑にした場合との比較を考えたらね。

将来世界的な食糧難がくると言われてたりするのだから、日本も自給率の考え方を見直したほうがいいのかもしれませんね。
カロリーベースに頼ると現状から抜けられない気がする。
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2011/08/01 19:15
うはぁ〜〜〜そうなんですか??

もともとトロや霜降り豚トロなどの、お肉は、好みじゃないのですが、、そんな裏技があったとは、、、、

知りませんでした。私も赤身派です。

一億総ダイエットになりそうですね〜〜??

魚、海産物、お米、肉、、食べる物が少なく成るんだったら、メタボ気味な大人はこの際、ダイエットした方が

いいです。その分子供達に、まわしてあげましょう。




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