Nicotto Town



被災松送り火騒動の問題点

岩手県陸前高田市で津波になぎ倒された松の木を、犠牲者の鎮魂のために京都の大文字焼きで燃やしてもらう計画が二転三転、とんだ騒ぎになった。

まず陸前高田側が京都市に要望、京都市民の一部から放射性物質が心配という声が上がり一旦中止。
その後被災地と京都市民双方から批判が出て、「放射性物質は検出されなかった」という理由で一旦使用する事になった。

ところが今日になって京都市側の検査で放射性セシウムが検出され、再度一転して現地から送られた薪を使わない事に決定した、という展開だった。

薪を送った被災地側と、中止を批判した京都市民双方のメンツがつぶれた格好だが、それは最も重要な問題点ではない。
行政とマスコミが今早急に解明すべきなのは、なぜ検査結果が正反対になったのか?という点だ。

事が事だから、どちらかが嘘をついたとか、いいかげんな検査をしたという事はないだろう。
送り出した側もきちんと検査をした上で「放射性物質は含まれていない」と主張したはずで、京都市の検査では検出された、という部分が非常に困った問題なのだ。

考えられるとすれば、検査した機材か検査の方法、あるいはその両方が違っていたという事だ。
一口に放射線測定機と言っても、いろんなタイプがあるし検出の精度も製品によってまちまちだと聞く。
同じ機械でも、計測の仕方によって大きく異なる数値が出る事もあるという。

もう一つの可能性は「放射性物質はない」という言葉の定義が食い違っていた、という事だ。
現在、放射性物質の検出値が1キログラムあたり8000ベクレル以下であれば焼却してよい、という事になっている場合が多い。
京都に送られた薪から検出されたのは1130ベクレルだったそうだが、これが1キログラムあたりの数値かどうか、現時点での報道でははっきりしない。

仮に1キログラムあたりだったとすれば、送り出した被災地側が8000ベクレルよりずっと低いので「放射性物質はない」と言ってしまった可能性がある。
あるいは低かったため検出出来なかったという事も考えられる。

どんな種類の検出器を使って、どういう条件下で測定したのか、これが被災地側と京都市側で大きく異なっていたのではないだろうか?
もしそうだとすれば、日本各地でてんでばらばらな放射性物質検出方法が取られている事になる。
そうなのかどうか、この点を大至急調査すべきだろう。

もしそうなら、放射性物質の有無、量の検出に使う機材と検査方法を全国で統一しないと、似たような事が引き続き起きる危険がある。
その場合、「安全です」という検査結果を国民が信用しなくなる可能性が出てくる。
これが一番怖い。

福島県では桃などの主要農産物の出荷を控えて必死に放射性物質の検査を行っている。
しかし県庁や生産者がどれだけ必死に安全性を検査しても、「いやあ、でも京都での被災松の薪の件があったじゃん」の一言で全てぶち壊しになってしまいかねない。

また市民団体などが独自に放射能汚染の調査を各地でやっているが、そういう団体が安全宣言をしたとしても、「信用できんの?」と言われたらそれまで、になってしまう。
逆に汚染の程度を過大に発表してしまう危険もある。

政府はただちに被災地で行われた検査に使われた機器と方法が、京都市の検査のそれと同じだったのかどうか、違うとしたら何がどう違っていたのか、詳しく調査すべきである。
その上で、少なくとも自治体などの公的機関が放射性物質の有無、量を検査する場合の機材の種類と検査方法を全国的に統一すべきである。

放射性物質の有無の公的な機関による検査さえ、ばらつきが大きくて信用できないと国民が思い始めたら、福島県のみならず多少なりとも放射性物質が降り注いだ地域の食糧生産産業が壊滅しかねない。
関東地方にとっても決して他人事ではない。

アバター
2011/08/17 19:47
私の住んでる茨城の野菜とかも風評被害で売れ残りが激しいです
お肉もみんなアメリカ産とかを選ぶらしいし

今度は伝統行事も風評被害ですか・・・
一言、日本はどうなるんですかね
アバター
2011/08/15 09:15
食べるものでもないのに、少しの事で大騒ぎ><
過剰反応が、風評被害を助長するのではないかと思います。
アバター
2011/08/14 21:27
まったくそのとおりだと思う。

ところで、放射性物質が「ある」、「ない」のゼロ一にしたがるのは、日本伝統の悪い癖なんだよな。天気予報みたいに確率何%とか言われるのは、自分で判断しないといけないので、非常に嫌がる。

まあ、材木はともかく食品は一応標準検査方法が決まってるはずだけども、マスコミなんかで独自に安い中国製検査機使って測定したものなんかは、キャリブレーションがいい加減なのでまったく信用できない。でもマスコミ報道だから、新聞に文字になってるからって事の方が信憑性がたかいと思われるので、どうしようもない。
アバター
2011/08/13 07:46
検査方法に統一基準がなく、検査結果にもばらつきがあるということになると、危険を避けるためには「危ない可能性のある地域のものは使用しない」となってしまう。
事実、外国は日本製のものに対して多少なりともそのような見方をしているはず。
ことは国内問題でもあり国際問題でもあるのだから、エコがどうのというより優先して対応していただきたいものです。
アバター
2011/08/12 23:35
農薬も、検査の性能が良くなって「基準値外の農薬が検出される」ことになっていますが、これはどうなのか、はっきりして欲しいですね。
被災地の食品を頑張って購入している、一般の消費者としても立場が無いです。
アバター
2011/08/12 22:38
思ったことをそのまま書いて頂いて……!
まったくそのとおりだと思います!
放射性物質なんて危険かつシビアなものを
検査方法も統一していないとなれば怖ろしいことですね><

検査方法によって結果が変わるのであれば、そのような検査を
幾つか行った上で総括して安全かどうかを判断をすればいいと思うんですけど。。。
経済的に難ありかもしれませんね……




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.