Nicotto Town



9月自作小説倶楽部 ~バラの嫉妬~

赤い姉さんは、「」や「」や「情熱」で・・・
妹のピンクは、「感銘」や「上品」や「しとやか」で・・・
弟の白は、「尊敬」や「私はあなたに相応しい」・・・
っで、何で僕は「嫉妬」や「不貞」と花言葉があるんだ!!
高貴」とか「優美」とか「誇り」とか言われて嬉しくなるような言葉を花言葉
に付けて欲しいものだ!
*「・・そうやって姉と妹と弟に嫉妬しているから付けられたのも理由の1つかもね。」
僕がぼやいているのを聞いてそう言ったのはよく密を吸いに来る黒アゲハ蝶さん。
動けない僕を含める花達に色んな事を教えてくれる優しい近所のオバ・・いやお姉さん。
僕「だってさ、僕だけなんだよ。こんな否定的な言葉を持っているのは」
黒アゲハ蝶さんに悩みを打ち明けると黒アゲハ蝶さんは小首を傾げて考えながらこう言った。
蝶「確かにそうね~。でも高貴は無理じゃないかしら。」
僕「どうして?」
蝶「ほら、菊って知っているでしょ?」
僕は頷いた。
蝶「あの子は高貴と花言葉を持っているけど何故か必ずお葬式という悲しい行事に出ているからあの子が言っていたわ。」
僕「何て?」
蝶「花言葉が高貴と言うだけの理由なら高貴って花言葉なんていらない。喪主があくせくと泣きたいのを我慢して動くのを見るのはつらいし、お坊さんのお経が涙を誘っているように聞こえて我慢できそうにないからって言っていたわ。あんたはそんなの平気?」
僕は、自分が高貴と花言葉を持っている菊に嫉妬していた事を思い出して自分を責めたと同時に菊に謝りたくもなった。
蝶「それに弟切草という花はね、昔、鷹の傷を治す秘薬として弟切草を使っていた鷹匠がいた。けれど弟切草のことを誰にも秘密にしていたの。けれどある日、鷹匠の弟が草の事を他人に話してしまってそれを知った兄が弟を殺してしまったの。その時に弟の血潮を飛び散って付いてしまったと言うお話が名前の由来でもあって、迷信恨み、そして敵意と花言葉付いた訳よ。」
僕の知らない花に同情した。そして、まさか自分の花言葉の由来もそんな怖い事が由来しているのではないかと思って黒アゲハ蝶さんにおそるおそる尋ねた。
僕「・・・じゃあ、・・・僕のは?」
蝶「あなたのはね・・確か、ローマ帝国時代・・・じゃわからないわね。大昔に皇帝という偉い人の色なの、黄色は。だから、弾圧時代を連想するあなたの色に否定的な言葉を付けたの、人間が嫉妬や不貞と。それがあなたなのよ。」
僕は、どう反応すればいいのか分からなかった。
すると、黒アゲハ蝶さんは言葉を続けた。
蝶「あなたは、花言葉が否定的な言葉で嫌だとか言っているけどほとんどは調べないと分からないから大丈夫よ。誰にも負けないように強くて美しく咲いていればいいのよ。」
その言葉に感動してありがとうと涙を溢れそうになるのをグッと堪えてお礼を言った。
黒アゲハ蝶さんはどういたしましてと言ってから次の花の蜜を吸いに行った。



 

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2011/09/12 11:47
花言葉は人間が勝手につけたものだしね。
花はどんな花であれ、堂々と咲いていればね^^
人がどうこういうことなんてただの雑音♪
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2011/09/09 00:56
こんばんは^^
花言葉は不思議ですね。
花自体は 自分の名前さえ知らないだろうに。
 
まるで人のお話のようで 
無垢な少年を想わせる作品のように感じられました。
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2011/09/02 15:53
初めて読ませていただきました。最後の下げで「ほとんどは調べないとわからないから大丈夫よ」この部分がせっかくの良文をお笑いコントにしてしまってますね。感動してありがとうと涙を溢れそうになるのをぐっと堪えての部分も豊かな感情を持つ薔薇にしては唯一あっさりしてますね。やや、深さが足りない。心のないはずのものたちが心を持って表現されているのは良作だと思います。ショートはラストに厚みと深みを持たせることが大事ですよ^^頑張って。
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2011/09/02 00:51
花言葉の意味・・・なぜ付けられたのか不思議に思うものがいっぱいありますよね!(^?^)
単に色だけで嫌われる意味を付けられるなんて酷い話だけれど、それを心配するなと勇気付けた黒アゲハ姉さんの言葉こそが一番大事なこと(咲き誇る=堂々と生きること)なのだと教えているのですね!(^0^)
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2011/08/28 19:11
やっぱり色系できましたか。

いま、悩んでます。
薔薇ものは書きたいけど、さてどうしますか、ってね
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2011/08/28 08:58
うーん、勉強になります^^
そういえば黄薔薇を人に贈るのを躊躇した記憶があります。
否定的な花言葉は売上にも影響ありそうですね^^;
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2011/08/26 19:07
「思考」を伝えるには文字で充分だったけども、「感情」を伝えるには花の方が素敵だと考えた昔の人が作った花言葉。それはそれは素敵な伝統だとは思いますけれども、所詮は人の業。目の前で美しく咲く黄色い花を否定する理由にはなりません。


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2011/08/25 09:19
花言葉は、奥が深いものだよね…
このお話に出てくるように、一見嬉しい花言葉も、実はその影で何かがあったり…という。
でも、確かに菊は少しかわいそうね…

いつも、お葬式などに使われる。そなえられる。
死人の家族や友人知人の泣く姿を見せつけられる。
挙句の果てには死人と一緒に焼かれたり…

菊は、本当はもっと…明るくて、華やかな事が、一度でもいいからしてみたいのではないかな、
と、少し思ってしまったのでした(*^_^*)
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2011/08/25 01:11
花言葉っていっぱい有りますよね♪(・_・)
全ての花にあるのでしょうか?
世界統一のものなのかな?

お葬式のメインの花が菊っていうのは日本だけかもしれませんね。
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2011/08/24 21:22
「自分らしく生きていく事」を強く感じさせられました
ちょっと話はそれますが色んなモノの擬人化の話は結構好きだったりします
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2011/08/24 20:01
黄色好きですよ^^
そんな花言葉がついているんですね
勉強になりました
先入観でイメージを勝手に持っちゃうのは良くないよね~
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2011/08/24 16:44
今回は、テーマが「バラ」と言う訳で花言葉を調べながら書きました。
下に掲載しているのは調べる時に使った時に役立ったサイトと本です。
花言葉辞典 花言葉をかいせつする花ことば、誕生花の辞典サイト
http://www.hanakotoba.name/

黄色いバラの花言葉の由来のみ
写真&監修夏梅陸夫の花言葉【花図鑑】FLOWERS MESSAGEという本で調べてみました。


*サイトや本に不利益な事があっても責任はいっさい受けません!!
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2011/08/24 12:53
擬人化したお話
またあとで読みに来ます
昼休みなので



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