Nicotto Town



待ってました!土壌のセシウム除去に成功

産業技術総合研究所という国の独立行政法人が、土壌中の放射性セシウムを除去する実験に成功した。
ほぼ100%のセシウムを土壌から取り除けるとの事だ。
これまで怪しげな「除去出来ました」という話があったが、今回は国の公的研究機関が出した成果である。
大いに期待したい。

除去の手順は以下のような感じである。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20110831/pr20110831.html

汚染された土をまず酸性の溶液に溶かし、そこにプルシアンブルーという染料のナノ粒子を混ぜる。
そのまま200度ぐらいまで熱して撹拌すると、この染料の粒子がセシウムと結合。
その結合した粒子を化学的に分離すれば、セシウムが除かれた土の粒子になる。

こうなった土はもう住宅地や校庭に戻しても大丈夫になる。
農地などの土が露呈している土地に大量の放射性物質が降り積もってしまった地域でも、手間と時間はそれなりにかかるだろうが、土壌の状態を原発事故以前の状態に戻す事が可能だ。

福島原発事故での放射性物質による汚染の一番厄介な点は、肉眼では見えないほどの粉塵、微粒子の形で薄く広く放射性物質がばらまかれてしまった事だ。
どれほど放射線レベルが高かろうと、全ての放射性物質が例えば拳大の塊になってばらまかれたのなら、拾い集める事は容易だ。

だが、微粒子状の放射性物質が数千キロ平方もの地域にまき散らされたため、放射性物質だけを選り分ける事が不可能であった。
福島市周辺のように高濃度に汚染され、しかし避難させられる程ではない、中途半端に汚染された人口密集地にはとりわけ朗報であろう。

また福島第一原発からの新たな漏えいが止まれば、現在の警戒区域や飯舘村のようなホットスポットが多数存在する場所でも、原発事故以前に近い状態まで戻す事も可能だ。

分離したセシウムの塊をどこへ持って行くか、という難問は残るが、放射性セシウムだけでも環境中から取り除いて一か所に集められれば、住民への被曝をかなり低減出来る。
農地を浄化出来れば、今後の福島県および周辺地域の農業も安泰になる。

ただ実用化するには相当大規模な装置をこれから建造しなければならないし、費用をどうするのか、という問題もある。
政府には是非、この技術を一日も早く実用化すべく、財政上の措置を取って欲しい。

この技術が実用化されれば、原発の周囲3キロ圏内も数年で再び「人が住める場所」になる。
「フクシマ」が福島に戻れる日は、もう遠い先の事ではない。

アバター
2011/09/07 22:05
訪問ありがとうございます。

土壌除染の技術の進歩に関わる人たちの努力に期待します。
どのようなプラントになるか解からないけれど、技術の実用化には
各メーカーの結集が必要だと思います。
車載できる化学プラントが放射能セシウム土壌汚染を取り除くような感じでしょうか?
廃棄土壌の量が1/150になるのは埋める穴の数が少なくなって良い事ですね。

しかしながら同時並行して子どもが外で遊べないような汚染地域の住民の
大規模移住も必要だと俺は考えます。
将来の医療費と代替地や移住支援の費用どちらが高いのでしょうか?
農家の方優先で代替地事業も必要だと思います。

あと、誰でも不味い野菜や米は食べたくないからね。 ^・ェ・^ノ
アバター
2011/09/04 22:12
訪問&Blogにコメ有難うございます。

とてもスゴイことが出来るようになったんですね!
でも、一つ疑問なのが、土から取り除かれたセシウムは、どこに捨てるのかなぁと思いました。

放射線汚染された土壌や灰を捨てるよりも遥かに量が少なくていいとは思いますが、やはりセシウムはセシウムとして残って、別な物質にはなってくれないんだろうな~と思いまして。

放射性廃棄物は安全になるための10万年に比べたらセシウムの半減期なんて大したことは無いのかも知れませんが、セシウム134は約2年間だし、セシウム137は約30年間だし…

更に研究が進むといいなぁと思いました。
アバター
2011/09/03 22:14
実用化するには様々な障害があるのでしょうけど、「こうやればここが改善できる」とわかっただけでも大きな進歩。
一挙に改善とはいかないでしょうが、たとえ時間がかかっても人に悪影響のない土壌を取り戻したいものです。
アバター
2011/09/03 21:15
良かったです、これは最近一番いいニュースです、
今周りの人は野菜が心配するのうちに
福島に住んでいる方達はきっと毎日もっと困っているでしょう
不知詠人さんもお疲れ様でした、日本の技術に信じます
アバター
2011/09/03 20:04
素朴な疑問なのですが、セシウムが除去できたとして
他の放射性物質はどうなるのでしょう?
プルトニウムも原発周辺では検出されているし
福島県内にどのような放射性物質が飛散しているかが
ちゃんと調べられていない現在、セシウムだけ除去できても
即安全とは言い切れない気がするんですけど…
アバター
2011/09/02 09:31
プルシャンブルー、浮世絵ではベロ藍と呼ばれていましたね。
北斎やゴッホ等が愛した青です。

現在油絵の具としてはやや割高な絵の具ですが、開発された当時としては、
青の染料としては革命的な程安価だったそうです。
(それ以前はラピスラズリ等の宝石を砕いていました)

それが土壌の汚染を取り除くのに使われるとは、感慨深いです。
何とも風情のある除染ではないでしょうか。
アバター
2011/09/02 09:15
ごめんなさい。
下のコメントに誤りがありました。
セシウムの吸着は100%成功していたようですね。
そうやって取りだした放射性物質が
従来の除染方法の150分の1の量になる、ということでした。
記事の読解不足……失礼しました。
いずれにしても、本当に、一日も早く実用化して欲しいものです。
アバター
2011/09/02 05:49
お知らせありがとうございました。
福島県内でも、このニュースはいち早く話題になっています。
この処理をすることで、放射性物質の濃度は、150分のまで下がったし、
溶液は繰り返し使えるということなので
作業を繰り返せば、かなり完璧に元に戻せるということだと思います。
酸性度もあまり強くないので、農地に施しても作付けに影響は出ないだろう、といいますね。
本当にありがたいことです。

まだ実験が成功した段階なので、
一刻も早く実用化してほしいと、心から願っています。
元の町に戻れるまで20年以上も待たずに済むように。
アバター
2011/09/02 01:18
日本にとどまらず、世界中で必要とされる技術だと思います。
税金はこういうことに投入してほしいですね。




Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.