TPPと武器輸出三原則緩和
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- 2011/10/14 22:04:36
日本がTPPに参加するかどうか、騒然とした論争が起きている。
一方、先日政府が日本の武器輸出規制を緩和する方針を示して、これも論議を呼びそうだ。
さて、両方の是非は別として、どちらも実現してしまった場合の日本の進むべき道を考えてみよう。
日本の武器輸出三原則は、まず冷戦時代に共産主義国に武器を輸出しないという点から始まった。まあ、これは現在事実上意味を失くしているが。
「国連決議により武器輸出が禁止されている国」が2番目。これは現在でも意味がある。
3番目として「国際紛争の当事国またはそのおそれのある国」への輸出も禁止。これで事実上、日本が輸出出来る国はなくなる。
その後、「武器製造関連設備」も輸出禁止の対象となったため、アメリカを除いていかなる国へも武器に少しでも関係がある製品の輸出は事実上不可能になっている。
冷戦も終わった事だし、これをもう少し緩和してもいいのではないか?というわけだ。
一方TPPについては、産業界がやんや催促しているが、何を売るのか?という点では、どうも現状の延長線上でメリットを期待しているように見える。
だが、今現在日本が強い製品が5年後10年後にもTPP加盟国で売れるという保証はない。
TPPが発効した場合、工業製品として何を他の加盟国に売るのか、という点ももっとよく考えた方がいい。
この二つを同時に解決する方法がある。
自衛隊のFX、次世代戦闘機の候補にアメリカ主導のF-35とヨーロッパのユーロファイターが挙がっている。
この共同開発に今からでも参加するのだ。
そして日本でライセンス生産するか、基幹部品を日本で製造してTPP加盟国に売る。
これをTPPでの主要輸出品の一つにするのだ。
今さら日本が対等な開発パートナーとして割り込む余地があるのか?
可能性としては充分ある。
それは「次世代戦闘機の無人化」である。
無人軍用機は既に米軍が実戦に投入している。
「プレデター」という無人プロペラ機があって、イラク戦争、アフガン戦争に投入され、戦争の本番が終わった後になって激化したゲリラ勢力の掃討に威力を発揮した。
プレデターは全長8メートルちょいの前部がずんぐりした不格好な飛行機だが、地上をビデオカメラ、赤外線カメラ、レーダーで監視しながら、偵察だけなら丸一日中でも飛んでいられる。
近くの基地からリモートコントロールで制御され、アメリカ本土の空軍基地から衛星経由でイラクのプレデターを制御した、という話もある。
最新型は小型のミサイルを搭載可能で、内蔵コンピューターで自動的に一定の範囲を偵察飛行し、ゲリラのリーダーの車などが見つかったら、遠隔操作でミサイルを発射する事も可能だ。
こうなると「飛行機の形をしたロボット」と言いたくなる。
福島第一原発事故の直後、日本の対応のモタモタぶりに業を煮やした在日米軍が原発上空に飛ばして放射線測定をした「グローバル・ホーク」はそのジェット機版だ。
そして、アメリカはF-35を、ヨーロッパの開発国はユーロファイターを、近い将来無人化しようと計画している。
そのための基礎研究は既に始まっている。
日本はホンダのアシモのような精巧なロボットを作れる技術を既に持っている。
自動車や家電の工場で使われている産業用組み立てロボットの技術も世界最高水準だ。
画像などの情報加工技術もテレビゲーム機などの分野で豊富な蓄積がある。
北朝鮮のようなアブナイ国への輸出禁止品の中にプレーステーションが含まれているぐらいだ。内部の電子部品は軍事転用可能な物だからだ。
この日本の世界最高のロボット技術をF-35の無人化に提供して、日本製の無人F-35あるいはその制御装置をTPP加盟国に売ればいい。
TPPの既存加盟国はシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド。
これから加盟する可能性が高い国はアメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルー、マレーシア。
このうち、アメリカは当然としてオーストラリアとシンガポールがF-35の導入を計画している。
無人軍用機のメリットは、乗組員の安全を考えなくていいので製造コストが安く、撃墜されても財布がそれほど痛まない事。
プレデターも多数撃墜されているが、当然ながら米軍の「人的被害」はゼロである。
現在の制御技術では超音速で飛ぶ戦闘機を無人化するまでには至っていないが、もし無人戦闘機が実現すれば万が一の事態の人的被害を最小に出来る。
またそういう航空戦力を持っていれば、潜在敵国に対する抑止力になる。
TPPがこのままのメンバーで発足した場合、近い将来に「帝国主義的野心」から戦争をやらかしそうな国はない。
アメリカは多少心配だが、それがどうしても気になるならユーロファイターの無人化に参加すればいい。
そこで得た技術を民生用ロボットに転用すれば日本の新産業になる。
「戦争抑止のための武器」なら憲法9条の精神にも反しないのではないだろうか?
先日はご訪問ありがとうございました
TPPに関連した
先日のニュージーランドの会議は
ある目的があったみたいです
詳しくは
直接しかお話しできません
すみません
先ず、農業関係は打撃を受けると思いますよ。関税撤廃ですからね。
>「戦争抑止のための武器」
が実際に戦闘に使用された場合は?という疑問も
ありますしねぇ。。。
作る側と使う側では、異なる考えって事も多い世の
中ですから^^;
昔は人をなぐるということは痛いことだと経験で知っていたものだけど、ゲームがリアルになりすぎて(且つなぐられた経験がなくなって)感覚が麻痺して加減ができなくなっているともいわれていますよね。
自分が傷つかない武器を安易に使用しないというのにはそれなりの胆力が必要だと思うのですが、今の政府は手にしても理性を保てるのでしょうか。
アメリカが韓国と貿易協定を結んだことを殊更に宣伝しているのは、ひとつには日本への催促という意味があるのでしょう。
「おまえはどちらを選択するんだ」という。
中国は今は強気に出られる状態だから、この問題に関しては問題外。
日本はアメリカとの距離をどうするのか検討すべき時期に差し掛かっているのでしょうね。
(現状を考えたら独立という手段はなさそうだけど、心中も避けたいところ。)