Nicotto Town



TPPが起こすもう一つの移民問題

なぜ日本の政治家はここまで老人視線なのだろうか?と思う。
20代、30代の国会議員ですらそうだ。
それがTPPの議論、特に反対派の論調に色濃く表れている。

TPPは、どの程度になるかはまだ不明だが「人の移動の自由化」も含まれている。
それで反対派は「外国人労働者が大量に流入して日本人から職を奪う」と言っている。
だが、ギリシャ、ポルトガル、スペインで起きている現象に誰も言及しないのは何故か?
もしそれを知りもしないというのなら、国政を託される資格はない。

まだ少数だが、ポルトガル、スペインから南米へ移住する若者が増えているそうだ。
不法入国も含めれば既に結構な数になっているかもしれない。
南米はスペイン語、ポルトガル語を公用語にしている国が多い。
またスペイン語とポルトガル語は、お互いゆっくりしゃべれば何を言いたいか程度は分かると言う程近い言語である。
スペイン人がポルトガル語を、ポルトガル人がスペイン語を習得するのは割と簡単だ。

ギリシャでも若者がオーストラリアに移住する例が増えている。
オーストラリアは白豪主義の時代からギリシャ移民を多く受け入れて来たので、ツテがあるギリシャ人は結構多い。
数はスペイン、ポルトガル程ではないが、これは言葉の壁がより高いせいだろう。

以上の3カ国に共通しているのは、財政破綻寸前と言われている事だ。
そして国内産業が恐ろしく停滞していて、若年層の失業率が数十%にも達し、かつ大学を卒業したとしても低賃金単純労働の職しかない、という状況に若者が直面している。
どれも日本にとっては他人事ではないはずだ。

TPP反対派も賛成派も、移民と言うと国外から日本に入って来る事ばかりを論じている。
日本の若者がTPP加盟国へ移民してしまう、言いかえれば日本から大量に脱出してしまう、という危険性に誰も言及しないのは何故だ?

正式に外国に移民して、その国で労働ビザを取るのは結構難しい。
だが日本人が「そちらの国に行って働きたいんですが」と言ったら、東南アジアや南米のTPP加盟国は大歓迎するだろう。
TPPが部分的にせよ労働者の移動制限を緩和するなら、日本で学歴にふさわしい職に就けない「日本人の若者の大脱出」が起きないとは言い切れない。

実際、戦後すぐの混乱期には南米へ移住した日本人が多くいた。
もともと海洋通商民族であった沖縄県民も多く海外に移住している。
これまで日本から国外への移民が少なかったのは主に言葉の壁のせいだ。

だが今日本は国を挙げて英語教育のレベルアップを図っている。
小学校から英語に慣れ親しんで、英語ペラペラの社会人を大量に養成しようという事だ。
ALTなどの外国人と日常的に接する機会も増えて、異なる文化習慣への適応力も高まる。
だがこれは「その気になれば日本から逃げ出せる能力」を育てているとも言えるはずだ。

日本の財政がいよいよ危機的になり、あるいはそれを解決するために現役世代の税、社会保険料負担が過大になり、今の就職難、格差固定がますます進んだ状態で、TPPによる「開国」をやったら、日本から若者が大量に逃げ出してしまう危険を何故考えない?

その時日本を逃げ出すのはどんなタイプの若者か?
一流大学を出て大企業の正社員として終身雇用の恩恵を受けられそうなエリートは出て行かないだろう。
逆に英語もろくにしゃべれない低学力層にそんな選択は出来まい。

ならば、そこそこの教育水準はあるが「勝ち組」になるまでは行かず、しかしフリーター的な仕事に甘んじるのはもったいない、というレベルの若者が脱出組になるはずだ。
そしてこの層は、本来なら将来の日本社会の実働部隊として活躍してもらわねばならない人たちのはずだ。

スペイン、ポルトガル、ギリシャから脱出しているのも、まさにこういうタイプの若年層なのである。
日本で同じ事が起きないと何故言える?

これが日本で論じられないのは、「こんなに豊かな日本から出て行く奴がいるわけはない」と考えているからだろう。
あるいは中高年世代が外国へ移住する必要性など感じた事がないからだろう。
だがそれはあくまで中高年世代の「常識」であって、十年後の若者世代が同じ様に考え、同じような人生の選択をする事の保証にはならない。

英語教育の充実は結構だが、無条件に「日本企業の社員として海外で活躍するため」という方向に働くという保証はない。
たたでさえ現役労働人口で高齢者福祉を支えきれなくなりつつある日本から、労働人口の中核を成す「中レベルの労働者」である若者が大量脱出したら、年金と健康保険の破綻は十年は早まる。

TPPで国を開くならなおさら「十年後の若者に見捨てられない国」に日本をするには何をどうすべきか?
そういう議論も同時に起きてこないとおかしい。

そんな議論が起きないという事自体、日本が「老人視線でしか物を見られなくなっている国」になってしまっている事の証拠ではないだろうか?

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2011/11/11 18:39
優秀な若い日本人とは、どんな人たちかな?
自分を優秀だと思い込むことこそ、地獄への第一歩だよ・・・
私も、大昔勘違いさせられて、酷い目にあった。
日本は、君たちのものだよ。
逃げても、何も解決しない・・・
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2011/11/10 08:12
野田首相が参加するか、どうか、しないか。今後の事を考えているか
日本の産業を守るのか?
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2011/11/10 00:15
問題の投げかけありがとう。

私もこの件に関しては、賛成、反対の気持ちは日々揺れ動いています。
5年後、10年後、20年後に日本が素晴らしい国になれるには・・・と。

そう思うと私たち一人ひとりで出来ることを諦めずに続けたい。
出来るまでやめない。
そう思って、日々自分の行動を見つめ直しています。
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2011/11/08 10:07
TPP参加は、民主党のんかでも意見が分かれています。
野田首相が、どう決断するかですね。
反対すべきだと思います。アメリカの言いなりになってしまう。
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2011/11/07 19:11
この記事に書かれている「若者」である自分ですが、
なるほど、その発想はなかったなあと素直に関心いたしました。
また、就職や年金、あるいは政治について等、
多くの不安をひしひしと感じていたので、
ここに書かれているようなことは、正直「アリ」かなと思います。
自分は英語が苦手なのですが、
実際に移民する・しないは別として、「万が一」に備えて
もう少し真面目に英語を頑張ってみようかと思いました。
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2011/11/07 10:21
やはり、TPP参加は問題があるような気がしてなりませんね。
アメリカのいいなりになってるような気がしてなりません。
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2011/11/06 13:29
今でも日本の若年層のお金で多額の年金を受け取りつつ、物価の安いアジア諸国で優雅に暮らしていなさる高齢者もいらっしゃるようですから、高齢者が実態をまるで知らないということもないのでしょうけど。

関税云々以前の問題として日本が住みにくかったら出ていく人は増えるでしょう。
おっしゃるようにTPPがそれを加速させる可能性はあるでしょうけど。
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2011/11/06 10:42
こういう見方もあるんですね、勉強になります^^
タイトルだけでは、「老人視線」の意味が掴め
ませんでした(^^ゞ
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2011/11/06 08:55
TPPは経済問題だけでなく、人権問題になる。
そこが問題だからみんな反対している。

関税フリーはなんのメリットにもならない。
そもそも日本が輸出できるような産業は基本的に関税の向こう側に工場があり、関税云々の話ではない。
輸入に関して。個々が問題。
値段が安くなるが強調されている。しかし、食品の安全基準値がアメリカの要求で緩和されるだろう。
医療・保険もアメリカの干渉に合う。要するに内政干渉で来てしまうのがTPP。
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2011/11/06 07:04
関税がフリーでも、現在の円は80円以下で~
大昔で言えば日本の製品は外国で4倍になっている!
少し前でも2倍しています!
そんな高いモノを関税が無いと言って外国が買ってくれると思えません。
最近やっとTVでも国民保険がTPPで無くなるコトを言い始めたと聞きました。
農作物の問題より深刻です。
TPPで老人医療でTPPによって介護や看護に大量に人が流入するようですが・・・
2025年には人口統計で上がっていますが老人の人口は凄く減るのが予想されています。
介護や看護で来た外国の方が仕事が無くなったからと言って
自国に帰ると思えませんから・・・日本人の雇用はここでも圧迫されるハズです。
日本から出たいと思う人も多いでしゅょうが・・・・
白人より下の黒人。黒より下の黄色人種と言う差別の世界で
日本人はどうしたら良いのかと・・・考えたりします・・・orz
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2011/11/06 05:36
TPPの問題は、今かなり注目されていますね。
民主党の中でも意見が割れています。
JAは反対するし、しかし関税フリーならばメリットもみえてくる。
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2011/11/05 22:09
まったくその通りですね〜

老人は、もう放射能の影響をあたふた考えずともいい?

おかしいよ。




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