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福島県に宇宙ロケット発射基地を

福島県知事が福島第一、第二両方の原発の全面廃止を要求している。
あの事故の後では無理もないが、では福島県浜通り地域のその後の経済をどうするのか、という点は悩ましい。

最近見たテレビの報道番組でこんな事を言っていた。
福島県浜通りは東京に「近過ぎず遠過ぎず」という立地の故に、首都圏への「供給基地」に利用される運命を昔から背負って来たのだ、と。

浜通り地域は海に面した広大な平野だが、塩害を受けやすく農業は不振だった。
その農業も首都圏という大市場に依存するタイプだった。農産物を東京へ運ぶにはちょうどいい距離だからだ。
しかし当時の農家は一年の半分は出稼ぎに行かないと生活できなかった。

広大な平地なので、戦前には軍の飛行場があった時代もある。
これも当時のSLでも東京から半日で行ける距離ということで、ちょうどいい距離感だった。

1960年代まではいわき市辺りは炭鉱の町として栄えたが、この石炭も東京とその周辺へ運ぶのに都合が良かったからだ。

国策でエネルギー源が石油に変わり、つぶされた炭鉱の町が温泉リゾートの町に変身する苦闘は映画「フラガール」で有名だ。
しかし、海外旅行が庶民には夢のまた夢だった時代の「ハワイのイメージのリゾート」では魅力は薄れて行き、それだけで浜通り全体が食べていけるものではなかった。

そこへ電気を大量に首都圏に送るのに「近過ぎず遠過ぎず」という立地が東京電力の原発を呼びこんでしまったわけだ。

福島原発を全て廃止した場合、それに代わる産業が必要になる。
宇宙ロケット発射基地を誘致したらどうだろうか?

現在日本の宇宙ロケットはほとんどが鹿児島県の離島にある種子島宇宙センターから発射されている。
だが1969年の開設なので総面積は8.6キロ平方しかなく、今後どんどん大型化する宇宙ロケットの発射基地としては手狭になりつつある。
また東京から遠いのも不便と言えば不便。

福島原発の周辺地域は広大な空き地になる可能性が高い。
阿武隈山地の向う側でも放射能汚染で農業が大打撃を受けているから、原発周辺の浜通り地域では今後農業は厳しい。
そして原発は二度と御免だと言う事なら、土地を借り上げるか買い上げて大規模な宇宙ロケット発射基地を作ってはどうか。

広大な平地だから発射場にはうってつけの地形だし、安全のために広い敷地を取る必要があるから、ある程度除染ができたら、持って来いの土地だ。

そして政府の衛星であれ商業衛星であれ、その打ち上げ主体のほとんどは東京にある。
東京から「近過ぎず遠過ぎず」という立地がこれまた有利に働く。
現在では数時間の用事なら東京から日帰りできる場所だ。

上空の航空路線などを変更する必要は出るだろうが、そんな事は政府が本気になれば簡単に出来る。
種子島と相互補完的に運用すれば騒音などの問題も最低限に抑えられるはずだ。

今のペースで商業衛星の打ち上げが増えて行き、外国の衛星打ち上げを日本で受注するということになれば、いつかは種子島宇宙センターのキャパは限界になる。
どうせ必要になる新しいもっと大きな発射基地なら福島県浜通りに建設すればどうか?
宇宙ロケットなら最悪の事故が起きたとしても、原発事故よりははるかにマシだろう。

そして福島第一原発の1号から4号炉の建物は、可能であればあのまま永久保存する。
原子炉や核燃料は運び出さねばならないが、建物は爆発で壊れたままの状態で補強し硬化プラスチックで表面を固めて、できるだけ事故の最悪期の状態を保ったまま残す。
つまり広島の原爆ドームのような歴史遺産にするのだ。

先日退任した吉田昌郎所長たちが事故後に奮闘した免振棟の制御室なんかはそっくりそのまま残して一般公開できるだろう。
原子炉建屋も安全が確保できるなら壊れた原子炉や飛散したがれきのレプリカを運び入れて事故時の状況を再現する。

周りには事故の経過を記録した写真やビデオを見られる資料館、原発の仕組みを模型で説明する科学館、事故処理に使われた機材やロボットを展示する施設などを置き、いわば「原発事故博物館」にするのだ。
人類が過去に起こした過ちを後世に伝え、今後も原子力を使い続ける諸外国に対する警鐘の地として残すのである。

そしてスパリゾートハワイアンズ。
ホテルの窓から宇宙ロケットの発射を生で見られる観光地なんて、世界中探してもそんなにはないだろう。
海外旅行が珍しくもなくなった今、いつまでもフラガールのみなさんの頑張りに頼りっぱなしというわけにもいかなくなる。

複数の原子炉が一斉に暴走したという点では世界初の原発事故の歴史的記念館、宇宙ロケット発射基地、ロケット発射を部屋の窓から見られる温泉リゾート。
これが浜通り地域に勢ぞろいすれば、福島県は世界有数の観光地になれるかもしれない。

#日記広場:その他

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2011/12/11 12:22
福島の方が今後何で生計を立てていきたいと考えているかによるでしょうね。

大震災に関する同情はしてくれるけど、他にいろいろあったら興味関心はあっという間に薄れるものだというのは私たちは体験済みだし、今福島に国民の目が向いているのは原発事故が現在進行形だから。
放射性物質の危険性があの周囲でどのくらい継続するものなのかわからないと観光化って発想も中々難しいようにも思われます。

今は福島に最大限の支援が必要。
でも福島を補助金漬けにして自立の力をそぐようなやり方も望ましくはない。
だからこそ福島の住民自身の主体的な動きがどうなのかという情報は知りたかったりします。
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2011/12/11 10:59
面白い提案ですね^^地域振興産業としてみた場合、十分な可能性もあるでしょうね。
あいまいな話で申し訳ないのですが、ロケット発射基地は赤道付近が有利だと聞い
たことがあり、そのため各国でその南端に近い地域にロケット発射基地があるのだと
か聞きました。実際の効果効力がどれほどのものか知りませんが、そこら辺は問題
とはならないでしょうかねぇ?
また私個人的には、逆に原発誘致をもっとすすめるっというのもありなのでは?とも
思います。反原発・脱原発の機運は各地で高まりつつあります。それらを全て移設し、
原発都市として再興を果たすなんてのはどうでしょうか?もちろん廃棄物処理場も含
めて全て県内で完結する。そして北は北海道から南は沖縄離島まで送電するって考
えもありなように思いますが...
あるいは、沖縄米軍基地移設問題も福島で引き受けては?それこそ広大な土地が利
用出来そうな気もします(^^ゞ




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