Nicotto Town



福山市ホテル火災と高速バス事故の共通点

広島県福山市で先日起きたホテル火災は痛ましい事件だったが、格安高速バスの事故と共通する原因があるような気がする。
安ければいい、という風潮に客も事業者も血眼になった結果、「命の安全」という一番大事な部分が「安かろう、悪かろう」になっているのではないか、という点である。

この「ホテルプリンス」というホテル、営業免許はラブホテルとして取っていたそうだ。
そもそも客室数が全部で18しかないホテルなんて今どき経営が成り立つはずはない。
客室数から考えて、建物自体はラブホ仕様だったとしか思えない。
(念のため断っておくが、我輩はラブホなどに行った事はない)

火事が発生したのが朝の8時ごろだったというのに、勤務していた従業員が70代の女性一人だけだったという点も、典型的なラブホの人員配置である。
ラブホなら泊まりでもあわただしく出ていくだけで、朝食取る人なんていないだろうから、高齢の女性一人がフロントに座っているだけというのが普通だ。
(繰り返すが、我輩はラブホなどに行った事はない)

高齢の女性従業員というのもラブホの特徴で、そりゃまあ自分のカノジョであれ風俗嬢であれ、入った瞬間男の従業員と顔を合わせるのは男性客は嫌だろうから、必然的にフロントにいるのは女性になる。
かと言って、それが若い女性で自分のツレより美人だったりしたら、これもまたまずいので、最低でも見るからにオバサンという女性を配置する。

今回、廊下が狭すぎた、窓が無いかふさがれていた事が被害を大きくしたらしいが、窓のあるラブホの部屋なんて滅多にないだろう。
周りの建物より図抜けて高い建物の最上階なら、東京にはそんな部屋もあるが、下手なシティホテルより高い。
(くどいようだが、我輩はラブホなどに行った事はない)

ただ問題がそう単純でないのは、このホテル、ラブホの造りのまま、格安ビジネスホテルに業態転換を図っていたらしい点だ。
近年一目でそれと分かるラブホは若い人には敬遠される傾向があると聞く。
特に女の子にはムードもへったくれもない感じがするのだろう。

都会ではもっとおしゃれなファッションホテルというのが最近の主流だし、普通のシティホテルだってカップルで泊まる事は出来るから、安っぽいラブホのカップルの利用は減っていると聞く。

そこで長年ラブホとして営業してきた業者が、格安ホテルに衣替えしようとしたのではないだろうか?
今回の犠牲者の多くも、ラブホとして利用していたとは思えない人たちばかりである。
ひょっとしたら元ラブホ(あるいは兼ラブホ)である事実を知らずに宿泊してしまった可能性の方が高い。

宿泊施設には違いないから、宿泊費を1円でも安くあげたいというニーズに応えるために、ラブホが一般宿泊施設を兼ねようと言うのなら、それはそれで悪いとは言わない。
だが、一般のホテルとして営業するなら、火災などの際の安全対策は一般ホテル同様にする義務がある。

だいたいラブホの経営者に安全だの防災基準だのを、まともに順守する意識があるはずはない。
このホテルプリンスも消防署などからの再三の改善命令を長年無視し続け、当局も匙を投げた状態だったらしい。

昔から普通のホテルより安いという理由でラブホに泊まる旅行者はいたので、その点に目をつけての業態転換なのだろうが、安易に黙認する行政にも責任はある。
もともと安全のコストに無頓着な経営者が多いのだから、一般宿泊施設として堂々と宣伝させる事は禁止すべきだ。

遠方からの旅行者の場合、ラブホの転用あるいは兼用かどうかは、着いてみないと分からない。
避難経路や消防施設が不備だと思ったからと言って、じゃあ予約取り消し、あるいは別のホテルを探すという選択はできまい。
そんな事が出来るのなら、最初からそんなホテルを予約しないはずだ。

何でもかんでも安ければ安いほどいい、という風潮は危険である。
格安高速バスと同じ構造だ。
また普通の格安ホテルだと信じて泊まって、今回のような火災が起きた場合、たとえ無事だったとしても相当世間体が悪い。
被害者にとってはとんだ追い討ちである。

やはり宿泊も出来るラブホというのは、通常の使い道が使い道なだけに、中から鍵を完全にロック出来ないとか、天井のスプリンクラーの数が妙に多いとか、フロントにつながる内線電話機がドアの横とベッド脇に二つもあるとか、エレベーターは必ず各階の部屋の並びのちょうど真ん中に位置しているとか、そういう構造にしておくべきである。
(しつこいようだが、我輩はラブホなどに行った事は……)

日本のような物価の高い国では、やはりあまり値段が安いのは何かある、と思ってかかった方がいい。
もはや日本でも水も安全もタダではないのだ。

なお今回のこのブログの内容、うちのカミさんにはくれぐれもご内密に。
シィ~~~!

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2012/05/19 16:47
う~ん、
>だが、一般のホテルとして営業するなら、火災などの際の安全対策は一般ホテル同様にする義務がある。
っていうか、ラブホの場合は、一般ホテル以上に厳しい安全基準にしておいてもらった方が利用者にとっては
安全なのかも?って思ったんですが(^^ゞ
一般のホテルよりも無防備な格好になっているであろうし、防音完備の中で夢中になっていたら周りの状況な
んて分からないだろうしねぇ(^^ゞ
亡くなった方々には大変申し訳ないとは思いますが、でも使用の際には細心の注意とそれなりの覚悟が必要
だと世間に広く知らせる事件だったという点は評価できるのかもしれない。
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2012/05/16 13:55
こんにちは。
消防法を順守させていなかった消防組合も問題ですが、基本的にはサービスや製品を
信用し過ぎないように、自己責任で注意するしかないのが日本の現状ですね。
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2012/05/16 06:39
全く 同感です^^
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2012/05/15 23:44
窓をふさいであったと聞いて昔多数の死者を出した風俗店の火災を思い出しました。レベルは一緒なのかな。
高速バスなんて旅行会社はバス会社に責任を押し付けたし、確かにバス会社も悪いけど、保険とかどうなってるんだろうと思うと被害者が気の毒です。
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2012/05/15 21:36
本当に、行ったことが、、無いの?(´∀`*)ウフフ(´∀`*)ウフフ

笑い事じゃないですよね、、

安全第一、、これが、、原発問題にも、あてはまると思いますよ。




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