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選挙制度改正考察(2)小選挙区・比例代表並立制

現在のところ衆議院の選挙制度は「小選挙区・比例代表並立制」と言う。
全国を300の小選挙区に分けてそれぞれ1人だけ当選可能にする。
同時に全国をいくつかのブロックに分け、それぞれで比例代表で合計180人を選出する。

これから有権者になる若者のために説明しておくと、現在の制度のままだと、選挙に行くとこういう手順になる。

まず選挙通知のはがきを受付で見せて、小選挙区の投票用紙を渡される。
自分の選挙区に立候補している候補者の中から当選させたい人を1人だけ選び、その名前を書いて投票箱に入れる。

その後奥へ行くと、今度は比例代表の投票用紙を渡される。
原則として自分が議席を取らせたい政党の名前を書いて別の投票箱に入れる。

小選挙区では一番得票数が多い候補者が1人だけ当選する。
比例代表では各ブロックごとにどの政党が何票獲得したかを集計し、(1)で書いたドント方式によってA党が何議席、B党が何議席、という風に議席を配分する。

「並立制」というのは、ごく大雑把に言えば小選挙区の結果と比例代表の結果が、お互いに独立していて相互に影響しない、という意味である。
重複立候補と言って、同じ人が小選挙区でも立候補し、かつ政党の比例代表候補者のリストにも載っているという事がある。
この場合、小選挙区で落選した候補者が、比例代表の方でいわゆる「復活当選」する場合がある。

この復活当選、有権者には評判が悪いのだが、現在の制度上は許されている。
この点で、小選挙区と比例代表が例外的にリンクする場合があるが、それでも特定の政党が小選挙区で得た議席数と、比例代表で得た議席数はお互いに無関係に決まる。
だから「並立制」と呼ぶのである。

さて、小選挙区では1人しか当選できないから、自由民主党、民主党の2大政党が全ての小選挙区で候補者を立てると、それ以外の政党の候補者が小選挙区で当選する事はかなり困難になる。
そこで比例代表を同時に使う事によって、2大政党以外の政党を支持する人の意見も少しは反映されるようにしましょう、というのが現在の制度の趣旨である。

今制度改正が議論されているのは、民主党が比例代表で選ばれる議席数を大幅に減らすと主張してきて、野田政権が次の選挙までにそれを実行しようと言い出したからだ。
しかしこれには公明党などの中小政党が猛反対している。

自民党、民主党の人気が両方ともドカンと低下しているので、実際にはどうなるか分からないが、基本的に現在の小選挙区・比例代表並立制では、小選挙区では2大政党以外の中小政党は議席を取れない可能性が高い。
だから比例代表で獲得できる議席が頼みの綱という中小政党が多い。

ところが民主党の言うように比例代表を50とか80とか大幅に減らしてしまうと、中小政党はますます議席を取りにくくなる。
小政党の中には議席ゼロになってしまうところも出るかもしれない。
そこまで行かなくても、小選挙区で議席がほとんど取れず、比例代表の定員そのものが大幅に減れば、中小政党の「衆議院の議席の何%を持っているか」の数字は大幅に低下する可能性が高くなる。

中小政党にとっては死活問題であり、だから公明党をはじめ中小政党は反対した。
ここで民主党が衆議院、参議院の両方で過半数を持っていれば、そんな反対は無視して選挙制度を改正してしまえるのだが、現在参議院では野党が過半数を抑えている。
いわゆる「ねじれ国会」であるため、与党である民主党が衆議院で法案を通せても参議院で否決されてしまうのは目に見えている。

そこで比例代表の議席配分の方式を現在の並立制から「併用性」あるいは「連用制」に変える事で、中小政党が賛成可能な制度改正にしようとしているわけだ。
つまり2大政党以外の中小政党が、比例代表で今より有利になる制度に変えようという話である。

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2012/07/02 13:49
確かにそうしないとまた自民党かよって事ですからね新党立ち上げても今は貴方の仰る通りですから
影口しか叩けれない空気みたいな物ですし4で記載された事も名古屋では有る意味問題で
創価学会のせいでここ20年間近くは民主党あるいは旧社会党を直ぐ大勝ちさせて右翼団体使ってまで
大勝させてる状況でした貴方の御指摘通り併用性、連用性に変えないと選挙してもまた同じかで終了ですよ
だからと言って公明、共産、国民新党、幸福実現党小沢が立ち上げる新党が良くなる保障は有りませんがね
政治方面は今プログ。ツィッター、動画では今までに無い炎上状態ですので画期的な策を得ないと
もう国民は納得致しませんでしょう。




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