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デジタル・ネイティブの中のデジタル・ディバイド

経済協力開発機構(OECD)が先日発表した「国際成人力調査」というのがある。
早い話が加盟各国の国民の「おつむのレベルの高さ」を比較したものだ。
OECDは「先進国クラブ」などと言われる。
「ITを活用した問題解決能力」という項目では24カ国中、日本は総合で10位。

まあ、そんな物かな、という感じだ。
だが、非常に気になるのは16歳から24歳の年齢グループでは14位に転落している点だ。
つまり若者のIT活用能力が、日本の場合全体の平均点より低いという事になるからだ。

普通逆だろう? と思う。
今の若者は「デジタル・ネイティブ世代」と呼ばれ、物心ついた時からパソコン、インターネットがあって当たり前の環境で育っているからだ。

この原因として思い当たる事象を先日、とあるサイトが主宰した教室に参加して直接見聞した。
サイトに書き込みをする時、PCでやるかケータイ(スマートフォンを含む)でやるか? という講師の質問で、PC派は我輩を含めて4分の1程度だったからだ。

若者がケータイを買ったからという理由で、固定電話の回線を解約するという話は前からあった。
一人暮らしを始めるにあたって最初から固定電話の回線を引かない若者も多いという。

電話機能だけならそれでもいいが、スマホを買ったのを機に、ネット回線の解約をする若者が増えているらしい。
これがOECDの調査の、若者世代の順位低下の原因ではないか?

インターネット接続の手段がスマホを含むケータイだけ、という若者が増えているのではないだろうか?
前述の教室の比較的若い人たちが、サイトへの書き込みをケータイでしかしないというのも、その人たちが「両刀使いだから」という理由なら特に問題はない。

スマホはどんどん高機能化しているから、簡単な操作なら場所を選ばず使えるケータイでやる、というのなら「さすが若者」と言うべきだろう。
だが、どうも経済的な理由からPCを使わない、使えない若者も増えているようなのだ。

スマホを買ったから自宅のネット回線を解約する理由は、接続料金がもったいないから、であるらしい。
あるいはスマホの月額料金はガラケーより高いので、固定ネット回線の料金を払えないという切実なケースもあるようだ。

スマホがどれほど高機能化していると言っても、フルスペックPCでないと出来ない事はまだまだたくさんある。
特に企業のビジネス用ソフトはフルスペックPCでないと使えない物が多い。

侍の刀に例えれば、自宅にデスクトップやハイエンド・ノートPCがあるのは大刀。ガラケー、スマホ、機能が限定されたタブレット端末は小太刀。
大小2本の刀を両方携えて初めて一人前の侍である。

お金がないから、という理由でフルスペックPCを持てず、ケータイからしかネットを利用出来ない若者は、いわば小太刀しか差していない侍のようなもの。
社会の中で何らかの競争にさらされた時、小太刀だけで大刀を持った相手と戦ったら、最初から勝負は見えている。

若者はこの大刀と小太刀を両方使える、そういう意味で「両刀使い」ばかりなのだろうと思っていた。
ところがお金がないから小太刀しか持てない、使えないというのなら、デジタル・ネイティブの定義が根底から変わってしまう。

若者層の低所得、貧困がそういう形で表れているのなら、政府の成長戦略にも深刻な影響をもたらす。
今の大人世代の若者のイメージはデジタル・ネイティブで、かつ「両刀使い」だからだ。

若者のキャリア形成にも悪影響が出かねない。
スマホなどの使いこなしは素晴らしいが、フルスペックPCを使いこなせない場合、雇った方は「話が違うじゃないか」と感じてしまう危険がある。

スマホなどの携帯端末は、読む、聞く、見る、といった受動的なサービスを受ける分には充分な機能を持っているだろうが、書き込む、記録する、検索する、といった能動的な行為を行うには、フルスペックPCにはかなわない。

前述のOECDの調査で若者の順位が低いのは、フルスペックPCを持てないが故に、能動的なネット利用に慣れていないからではないだろうか?

そうだとすれば自分の、あるいは親の経済水準の違いによって、同じ若者層の内部で、デジタル・ネイティブ世代が、フルスペックPCを持っていていつでも使える「相対的情報強者」と、スマホなどしか持っていない、使えない「相対的情報弱者」に二極分解し始めている事になる。

こうとでも考えないと、OECDの調査の結果が説明できない。
だとすれば早急に対策を取らないと、日本社会全体が非常にまずい状況に陥る。

これまで「情報弱者」と言えば、PCを使いこなせない高齢者だけの問題だと思われてきた。
だが、デジタル・ネイティブである若者の中で相対的な強者と弱者への分解が起きているのなら、情報技術関連の企業が将来必要とする人材が、劣化している事になる。
政府のクール・ジャパン戦略も破たんしかねない。

手遅れになる前に、一定以下の所得の若者には無料のPC講座を受講できるようにするなどの対策が必要だ。
手遅れになる前とは、親から子への格差の世代間連鎖が起きる前に、という事だ。

所得水準のみならず、IT活用能力の格差までが世代間連鎖を始めたら、この国の未来はお先真っ暗になる。

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2013/10/12 11:42
(;´▽`A``一戸建てに住んでいながら、固定電話をひいていません。
普段、家に居ないから、いらないかな?
不便を感じることはたまにありますけどね。
携帯から、かけられないときは、不便を感じますが、急を要しないので、何とかなります。

note PCの持ち運びの便利さを取るか、スペックの要領で、deskをとるか、悩むのよね。
deskは、場所をとるけど、見やすいしな~。と、いまだ、7年前のPCを使っております。
車を買ったら、お金がなくなって、次は、冷蔵庫を買わねばならず、いつ買い換えるだろうか?

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2013/10/12 10:27
そうなんですよ!スマホはカキコできないの~
コロはスマホが嫌いになった奴です。
女子や男子はゲームばっかりで~そのゲームも操作のみ・・・orz
考えるとカキコが同じと思うコロにはPCの方が必需品ですし
情報量は読む調べるカキコで頭にはいるし~
スマホよりPCの方が調べて記録するのに適しているです♪
スマホのメールもキャラ貼りの短いモノばっかりで情報になりません。
気分だけならメールすんな!って感じなのはコロだけ?
スマホからガラケーに買いなおす女子や男子が日本だけじゃなく韓国でも増えているっスヨ~
コロもガラケーにしようかなぁ~って考え中~
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2013/10/11 20:36
 PCが優れている…というのが既に世代が古い発想の気もします。

 基本的に「道具は目的を果たせればいい」ので、スマートフォンによって、必要なドキュメントが参照できて、必要な情報を得られるのなら、それは「必要十分」であって、必ずしもそれ以外を必要としない。
 ニンジン切るのに大剣振り回すのもまた、「道具を適切に選べない」ってことだと思うのですよ。
 サブセットだろうと、必要なものを必要なときに必要な形で活用できる。それが「知恵」ってもんだと思います。

 そもそも…おもちゃであるゲーム機や、スマートフォンの維持費、価格を考えたときに「PCに手が届かないほど可処分所得が少ない」と考えることに無理がある。無駄に処理量の多いゲームでレイテンシでも気にしなければ、ハイスペックも大半の人が無駄にしてるわけですが。
 廃ゲーマー仕様のPCが標準ですかw多くの端末がもっとも多く実行しているプロセスはずいぶんと前から、Idle Processだと思いますが、そんなに高いものを想定されているのでしょうかね?

 固定電話が不要なのは、無線でもそれなりの速度が得られるようになったからというのも大きいですし、必要性を感じないものを維持することは無駄だと思いますし、必要だと、ほしいと思わないものを買おうと思うわけがない。
 あとから問題例を確認しましたが、PCを使わなくても、UIは似たようなものなので、書かれているような理由で使えないことは考えにくいと感じます。少なくとも、「それを理由に問題が解けないことはありえない。」という質の出題例が提示されています。

 どちらかといえば「デマゴギーを真に受ける」とか「情報を精査、検証する能力が欠けているとか」そういう「考える」という部分の基礎的なリテラシが腐っているから、バイトテロ発生とか、ツイッターが馬鹿発見器になってしまうことをはじめ「まともに道具を使えなくなる」のではないかと思うのですがね。それは同時に、「ろくな背中を上の世代が見せてない」って事でもあります。そもそもあの問題の有意性に首を傾げてますが、要求は単純な論理思考と作業なので、論理的な思考ができないから、単純作業がまともにできていないだけでしょう。問題解決が聞いてあきれるような問題でした。

 問題例を確認しましたのでリライトしました。
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2013/10/11 09:46
デザリング機能とか、、うまく使ってる方もいるんじゃないでしょうか?
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2013/10/10 23:55
昔はワープロさえ各家庭にあるものではなく、手書きで文書を作成するのは当たり前の話でした。
そうなると事前に頭の中で文書のバランス等を考えて、複雑なものは下書きをして確認してという工程が必要となってきます。
ワープロが普及して文書を作成できるようになったときには、下書きの紙がいらないだとか、文書の推敲が簡単にできるといった点に痛く感動したものです。

パソコンが一般に普及し始めた1995年前後のパソコンの機能は文書作成はワープロには及びませんでしたが、ネットにつないで必要な情報に触れられ、やり取りもできるという点に置いてやはり革命的でした。
昔なら図書館なりに出かけて調べなくてはならなかったことが書いてあって、同じ趣味嗜好を持つ人がホームページを介して容易に見つかり意見をやり取りできるというのですから。
接続料金も今より随分と割高だったので、格安な時間帯に必要な情報のみ素早く検索するのは当たり前。
ホームページを作成する人も重ければ中身を見る前に止められてしまうので、「軽くて且つ見て楽しいページ」をいかにして作るか智恵を絞っていました。

今の若者世代に欠けている点といえばこういった経験ではないかと思ってみたりします。
小学校からパソコン教育はしているので「パソコンに触れたことがない」人は少ないでしょうが、安価に多くの情報に触れられるため却って選択しにくかったり、時間を考えずだらだらと閲覧していたりする。
文書作成のソフトも進化し類型化してきたので自分で考える機会も減っている。
言うなら電卓しか使ったことがない人はそろばんを習っていた人が持つような感覚を持ってないみたいな。

あと気になるのは、スマホだけで全てを済ませる人に長文を書く人は少ないというところでしょうか。
短いやり取りを頻繁に行っているイメージ。
手紙ならそれなりの長さの文章を読み直してから出していたものですが。
短文メールは現在の以心伝心なのですかね。
短文しか発信する気がなければ、パソコンなんている時はネットカフェで済ませばいいとなるのかもしれません。

それが国の将来のためになるかというとおっしゃるとおり懸念があるわけですが・・・




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