ファントム専門学校生活5
- カテゴリ:自作小説
- 2013/10/17 07:23:05
「リリーお嬢様、マロック様。着きましたのでお起き下さいませ。」
と、世話係の人は
車内で喋り疲れた私達を起こして下さったので、
目をこすって車から降りた。
「「「お帰りなさいませ、お嬢様。それから、ようこそマロック様!」」」
18人のメイドさんや執事さん達が、横一列に並んで、挨拶する様子は、テレビや小説の世界だけだと思っていたので、
かなり驚いた。
「マロック様、お預かりします。」
「あ、はい?」
「マロック、近くにいるメイドに自分のカバンを渡して。」
リリーはカバンを預けるように言って指示した後、
私を自分の部屋に案内してくれた。
「ここが私の部屋だよ。」
「へぇ~。いいな~部屋が広くて。私の部屋の2倍ぐらい広い。」
素直な部屋の感想を述べた後、
コックが焼いてくれたクッキーをつまみつつ、家のことを話したり、恋バナしたり(私がまだ恋したことがないと聞いた時、リリーの目がニヤリと笑ったような気がする。)、隣の衣装部屋で私にリリーが昔着ていたドレスを着せた写真を撮って、「クラスの掲示板に載せたら、マロックモテモテかも♪」と冗談を言ってからかわれたりして、色々過ごしている内に
外が暗くなった様子を見て、マロックが
「ちょっと、お父様に連絡してくる」
と、言うのでベランダの方へ行ったら、
付いてきたのか、カバンから伝書鳩の鳥丸を取り出した場面を見て、不思議そうな顔をしていた。
「・・・それ、ハトだよね?」
「そうだよ。この子は、私の伝書鳩で名前は鳥丸というの。お父様は機械が嫌いだからいつも連絡しなければ行けない時は彼を使っているの。」
電話が一般的に普及しているこの世の中で、
伝書鳩を未だに使っているところがあるなんてと、
びっくりしたのだろう。
何を心配しているのか、分からないけど、本気で心配そうな表情をリリーはしていた。
とりあえず鳥丸の足に手紙を送ってから、
帰る用意して、私は帰った。
一応、学校へハトを持ってきて良いのか、と
疑問に思う方もいるので、誤解を解いておこうと思う。
このファントム専門学校では、「校則を変えて欲しい」と訴える時は、
校長先生と何かしらの対決で勝てば、遅くても6週間以内に校則を変えてくれるという、他校とは異なる方法が採用されている。
私は、その勝負に勝てたので了承を得ている。
でも、今年からの校長は、とても体力があって、頭が切れる二枚目な人なので、なかなか勝負に勝って、校則を変えてもらうことは出来ないらしい…。
と、窃盗実習でお世話になるドラッチェ先輩がおっしゃていた。
(窃盗実習について知りたい人は、
ファントム専門学校生活4を参照)
さて、家に帰ると、1番目の兄様であるヤナギ兄様が晩ご飯を作り終えていた。
家族そろって食事している時に、リリーのことを話していたら、
ヤナギ兄様が
「何というか、お前、結構な大物をよく仲良くなれたな~。相手はお嬢様だろう。ワガママに振り回されていないか?」
「そうです、けれど、大丈夫です。ヤナギ兄様。」
「まぁまぁ、いいじゃないか、兄貴。
相手が何者でも友達は大切にしなよ。
ただし、裏切られたら、迷わずみぞおちを一発殴ってどこかに捨て置いてこい。」
「はい!クロ兄様。」
「「嫌、お前妹に物騒なことを教えるな!!
マロック、お前もそれを理解するな!!」」
…3番目の兄様であるクロ兄様の
ぶっきらぼうな発言に
ヤナギ兄様と、2番目の兄様であるミロク兄様が、
お止めして下さり、ワイワイ騒ぎすぎた私達を
「早く、飯を食わぬか!」
と、お父様がお叱りになるのは
もはや私の家では、日常茶飯事である。
いよいよ窃盗実習の前半は
続きで!
転載しました
ご協力に感謝します
卒業生は怪盗になるのでしょうか^^
問題といえば、前回述べましたように、初期枚数で、登場人物二人目をようやく紹介という場面で早くもこのキャラ数での混乱の収拾をどうするか。校正のとき、エキストラとして、名前を消すなんて方法があります。例えば兄三人。メインとして活躍しないのであれば、兄たちは…として済ませてしまう。こういうことが友人キャラでもいえるかなあ、と思いました。