Nicotto Town


A Balearic Dinner


ジョージ・マクドナルド「ファンタステス」


映画化して欲しい作品と言う事で、前回アメリカ、日本の作品を紹介しましたが、
今回はスコットランドのジョージ・マクドナルドの作品を紹介したいと思います。

彼の作品では「リリス」「黄金の鍵」が傑作として有名ですが、
映画で観たいと思うのが
「ファンタステス-成年男女のための妖精物語-」(1858年)
この作品になります。

スコットランドに「ナルニア国物語」のC.S.ルイス
アイルランドにダンセイニ卿、W.B.イェーツという幻想作家の大御所が生まれた様に、
マクドナルドも幻想や英雄伝説を育むその土地で生まれ、
同世代の「不思議の国のアリス」ルイス・キャロルと同じ様に、
後世の作家に多大な影響を残した人物です(・ω・)ノシ
(ルイス・キャロルに「アリス」を出版するように勧めたのはマクドナルドと言われてます)

「ファンタステス」は妖精現象とアーサー王伝説を中心に、
主人公アノドスが夢の世界を旅する物語です。

大小の妖精たちの描写が生き生きとしており、
象徴的な挿話や挿入詩、引用の数々、
マクドナルドが力を入れた大作で、
エッセンスを多分に盛り込んで幻想世界に酔うような感覚も覚えます。

更に文化人類学に精通してる人であれば、
フレイザーの「金枝篇」、あるいはキリスト教以前のケルト、ギリシア、エジプトといった
根源的な信仰、死と再生の物語も感じられると思います。

あと映画化とは別の小ネタですが、
ちくま文庫版表紙にコナン・ドイルの伯父、リチャード・ドイルの妖精画が用いられてるのも
イギリス、スコットランド、アイルランドの魔法的な土壌を感じられますねw

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2015/02/16 00:16
>めぐめぐさん
紹介しておいてあれですが、やはり最高傑作の「リリス」「黄金の鍵」がおすすめですw

金枝篇は私もダイジェストでしか読んでないのですが、
「死と再生の神、王と豊穣、王殺し」の所は過去に何度も読む機会があり、
その植物神が死んでまた甦り、大地も復活するというモチーフがよく作品に組み込まれてます。

と言うか、金枝篇より30年ほど前の作品なので、寧ろ金枝篇が参考にした感じかもですw

H.J.フォードの挿絵は東京創元社の童話集で使われてるんですね
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488018627
マクドナルド、ドイルと同じヴィクトリア朝の挿絵作家さんで私も好きになりそうですw
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2015/02/16 00:04
>七海さん
お褒めの言葉ありがとうございます(〃ω〃)

でも文中にも書きましたが、「ファンタステス」はなかなか複雑で難解ですので、
機会が有ればマクドナルドの最高傑作「リリス」がおすすめですよ。
名作なので図書館にも結構置いてます。
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2015/02/15 19:46
時代を超えて人々を魅了する妖精って素敵ですね。
今回ご紹介頂いた作品、是非とも読んでみくなりましたφ(。_。*)メモメモ
「金枝篇」は昔途中まで読みました^^;
精霊信仰や王殺しの風習といった内容を所々覚えています。
根源的な信仰、死と再生とは…奥が深そうです。

妖精の挿絵と言えば、H.J.フォードもなかなか良いのですがネットでは出回ってないようで残念です。
“「小さな妖精と食料品屋」『ももいろの童話集』画:H.J.フォード”で検索すれば小さい絵が出て来るかもしれません。
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2015/02/15 16:14
masamiさんの解説は、とても分かりやすくて、
読んでみたくなります(..◜ᴗ◝..)
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2015/02/15 14:22
と、追加
一度「小説/詩」の所で紹介していましたね(汗

でも今回の方は更に詳しく
個人的にそれだけ好きな作品、と言う事で(*´∀`*)ノシ



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