Nicotto Town



鹿のステーキ

昨日、久々に外食して鹿肉のステーキを食べてきた。
肉そのもののうまい、まずいはステーキやローストのような単純な調理法の方がよく分かる。以前から食べたいと思っていたのだが、鹿肉をステーキで出すレストランがなかなか見つからなかった。

我輩がネットで調べた限りでは鹿肉のステーキをメニューに載せている店は東京中で2軒しかなかった。そして行ってきたのは意外や、東京都庁のすぐそばの高層ビルの展望レストランだった。

さて味なのだが、これが旨いのである。
文章で説明するのは難しいが、牛肉の赤みの部分の脂を抜いて味をギュッと凝縮したような感じだ。
固いわけではないが、歯ごたえ、噛みごたえがあって、なんともヘルシーな感じだった。

害獣駆除などで狩猟か捕獲された鹿の肉なのだろうが、野生動物の肉は固くて不味い、という思い込みは吹き飛んでしまった。

過去の新聞記事によると、2004年度とちょっと古いデータだが、日本全国で一年間にイノシシ26万頭、鹿17万頭が有害動物駆除として捕獲され殺処分されている。今でもこの数字は変わっていないだろう。

ところが、環境省によればこの大部分が食肉として利用されることなく、埋めるか焼却するか、つまりゴミとして廃棄されているらしい。
ボタン鍋などに利用されるのは一部の地域でごく一部が利用されているに過ぎないという。

最近、一部の自治体で鹿やイノシシの肉をハムやソーセージに加工する試みを始めたそうだが、東京のような大消費地でも見つけるのは至難の業だから、広く流通しているとは言えないだろう。

これはまったくもって、もったいない話である。
農作物や貴重な自然環境を食害から守るために鹿、イノシシを駆除しなければならないというのは分かる。

しかしやむなく殺すのなら、肉をきちんと有効利用するべきである。でないと殺された鹿やイノシシの霊も浮かばれない。

そもそも日本で「獣肉」と言えば、鹿とイノシシの事だった。肉と言えば牛肉、豚肉と相場が決まったようになってしまったのは明治時代に欧米の食文化を真似して取り入れたからだ。

また日本では明治維新まで宗教上の理由で鳥、魚以外の動物の肉を食べる習慣がなかったと一般に信じられているが、これは必ずしも正しくない。
獣肉を忌避するようになったのは、平安時代の貴族階級であって、中級以下の武士階級は戦闘訓練として鹿狩り、猪狩りを行う風習がずっとあった。
獲った獲物は当然みんなで食べたはずだ。

東北で「マタギ」と呼ばれる狩猟民の村落は日本中あちこちにあって、この人たちは当然肉をよく食べていただろうし、周辺の農民に多少は提供していたはずだ。
それが証拠に、江戸時代の商売をリストアップした古文書に「ももんじ屋」なるものがはっきり記載されている。これは、牛、馬、鹿、猪などの肉を売る店である。
これが江戸の街に少なくとも2,3軒あったそうだ。

ただし普段食べるものではなく、大けがや大病をした時に、特別に薬として食べる物だったようだ。回復にはたんぱく質が大量に必要な事を、昔の人も経験的に知っていたのだろう。

だから、江戸時代まで年に数えるほどではあっても、獣肉を食べる習慣はひっそりと続いていたのだ。貧しい庶民は食べたくても滅多にありつけなかっただけだ。
だから明治時代になると途端に「牛鍋屋」が雨後のタケノコのごとくあちこちに出現した。
本当に肉食を忌避していたのなら、幕府から天皇の御世に変わったからといって、そんなに急に肉食を受け入れはしなかったろう。

だから鹿肉やイノシシ肉をおいしく食べるためのレシピは日本各地に伝わっているかもしれない。完全に忘れられないうちに再発見、保存をするべきだろう。

野生の鹿、イノシシの肉のもう一つ良いところは、その肉だけで見れば「国内自給率ほぼ100%」の食品だということである。
また普段は野生の自然環境の中で自然の草を食べて育った肉だから、大量飼育の牛や豚の肉よりヘルシーで健康にもいいのではないだろうか?

とにかく、ステーキという単純な調理法で十分人間様のお口に合うのだから、なんとかその大量の鹿、イノシシの肉を一切れ残らず有効利用すべきである。

フランス料理では狩猟の獲物を使った料理が「ジビエ」というジャンルとして確立している。
これだけの鹿やイノシシを殺してゴミとして捨てるのは罰あたりである。
日本ももっといろんな動物の肉を食べる事を考えた方がいい。
その方が、その鹿やイノシシも成仏出来るというものではないだろうか?

#日記広場:グルメ

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2009/11/04 23:02
知り合いに狩人がいるおかげで都内在住ですが
シシ肉と鹿肉はよく食べます。お肉はタンパクで味が濃いですね。
野生なので肥満率低いから霜降りは期待できませんけれど。
もちろんさばいて肉になった物を毎回頂いています。

それらは多分都内で捕れたものだと思います。
でも、野生だけに処理が大変らしいです。
…あんがい皆様の周囲にも居ると思いますけどねぇ…
少なくとも、都内の普通の家庭で食することは可能ですよ。
お店に無いとはビックリですね。
鹿はユッケにしたりシチューに入れたりもします。
赤ワインで煮たりもおいしいです。
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2009/11/04 11:43
埋めてしまうんだったら 食べましょうよ!!
鹿肉っておいしんですか!?
食べたことないです
ちなみに 鹿タン なんて あるんでしょうか?←なぁんて あるわけないですよね....
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2009/11/03 09:02
奄美地方ではヤギですね
関西はイノシシですが

その土地土地の生き物なんでしょうね
ゴミではなく食べるというのは私も賛成です
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2009/11/02 23:06
鹿肉は確かに珍しいですね☆
青森ではシシ肉専門店があるんですよ~♫
行ったことないんですけど^_^;
無意味な死を減らすためにも、食肉利用は賛成です✿
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2009/11/02 21:35
グルメ雑誌やミシュランガイドで特集してもらうと、
どっと混むのでしょうか?
箱根の方にもありましたよね。
テレビの取材で見たことがあります。
流通がうまくいってないだけかも知れませんし。



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2009/11/02 11:58
美味しいんだ・・・
なんとなくイメージ的に獣臭さがありそうで敬遠していました。
ラムも苦手ですし(^^;)
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2009/11/02 02:14
鹿肉は確かにおいしいですねぇ~、だいぶ前に青山のロシアレストランで鹿肉のステーキ食べた覚えがあります。
確かにメニューとして乗っている店は、ほとんど見たことないですね。
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2009/11/02 00:39
こんばんは。

名前はしかですけど食べたことありません。地元ではイノシシ狩りは会社の接待などでも行われるほどの

ポプュラーぶりです。

食料危機とか起きたときのためにもいろいろ視野を広げたほうがいいんでしょうね。
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2009/11/01 23:31
鹿肉、ですか~!
害獣として駆除されてしまった鹿さんたち、そのまま捨ててしまうのは確かにもったいないですね。
美味しくてヘルシーなら、今後もっと流通していく可能性ありますね。


>日本ももっといろんな動物の肉を食べる事を考えた方がいい。

ちなみにうちの地元ではヤギを食べる習慣があるのですが、
ヤギの肉はあまりに臭いので、全くポピュラーじゃないですw
馬は美味しいですよね^^ 駝鳥はまだ食べたことないけど。。。
国産の鹿肉。。。いい響き~♪
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2009/11/01 19:45
おお〜^^実は今日会社のBBQ大会で、鹿肉がでたそうです。。趣味で猟をしてる方が差し入れしたそうです。残念ながら、私が到着した頃には、ありませんでしたが。。。そして、みなさん出来上がってました。。

やきそばとビールと豚汁で、あとはおかたずけでしたが。。。。

そんなにおいしいのかぁ〜^^馬肉とかも、油が少なく鉄分豊富でヘルシーだと聴いています。

おっしゃるとおり、もっと有効活用して、怪しげな牛肉とか、減らして欲しいですね。。

もったいないです。。
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2009/11/01 19:18
縄文クッキーとか、動物の脂、血、肉を使用して作っていますしね。。。古すぎますか(笑

北海道では、増えすぎたエゾ鹿対策に、鹿肉の食用使用を進めているとラジオで聞きました。
鹿肉は食べた事ないですが、イノシシは食した事があります・・・独特の匂いがあり好き嫌いが出そうですね。

いろんな肉(生き物)を食べたほうが良いといえば・・・外来種の駆除にもそれらを食べてあげようという機運が
あるそうです・・・アカミミアメはすっぽん風・アメリカザリガニはイセエビ風とか?!




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