労組今昔物語
- カテゴリ:ニュース
- 2009/12/02 18:09:56
東京でキャバクラ嬢の労働組合が出来るらしい。「フリーター全般労組」という独立系の組織の下で結成に向けて準備中だそうだ。
売春が合法であるヨーロッパの国では文字通り「売春婦の労働組合」も存在して堂々と活動している。
キャバクラ嬢の労組なんて可愛いもので大いに結構。
そもそも日本の労働組合というのは、現状のままでは前世紀の遺物になる恐れがある。
労働組合の組織率、つまり全労働者の何%が労組に加入しているか、という数字はなんと2005年時点で18.7%、5人に1人にも満たない。
これにはいろいろ原因があるが、一つには正社員が大幅に減った事。
日本の労組は大半が企業別労組と言って、一つ一つの会社に別個に労働組合が設立されてきた。ただし加入資格があるのはいわゆる「普通の正社員」だけである。
たとえばスーパーマーケットなどではパートの方が正社員より圧倒的に多い。それで正社員しか加入出来ない労働組合しかなかったら組織率が下がるのは当たり前だ。
かくいう我輩の勤める会社でも、ここ15年ぐらいの間にいろんな労働契約形態の従業員が増えたが、昔から会社にある正社員の組合はそういう人たちを加入させてくれない。
従って正社員の組織率としては100%近いが、全従業員の中での組織率となるとそうとう低いんじゃないだろうか?
もう一つの原因は「御用組合化」である。
大企業の労組は結束を保つため、ユニオンショップという制度を採っている所が多い。
その会社に正社員として就職すると、本人に意思とは関係なく強制的に企業内労組に加入させられる。組合員費も給料から天引きされる。
一度加入すると、管理職に昇進した場合を除き、その労組から脱退出来ない。労組を脱退したかったら会社を辞めねばならない、という仕組みである。
これは1960年代ぐらいまではそれなりに有効に機能していたのだが、近年では労働組合が労働者である正社員の利害をそっちのけにして、経営者のいいなりになる、という傾向の原因になっている。
たとえば、どこの会社とは言わないが、任期中一度もストをやったり経営者と正面から衝突したりしなかった組合役員はその後、普通その人たちの学歴や社内キャリアではあり得ない出世をする。
逆にストでもやった組合役員は任期後、地の果ての支社に左遷されて二度と本社には戻れない。
経営陣がその後の出世をエサにして組合役員を飼いならす、そのテクニック、ノウハウが見事なまでに確立してしまっているのである。こういう組合を「御用組合」と呼ぶわけだ。
ユニオンショップだと、経営者の言いなりになって賃下げ、労働条件切り下げ、労働強化、何をやらせようと組合員は脱退出来ない。いくら文句があっても会社を辞めない限り労組から抜けられないし、組合員費も給料天引きだから支払いを拒否する事も出来ない。
こういう労組では一部の幹部が特権階級化して「労働者の代表」とは言えない存在になってしまう。平の組合員である正社員は自分たちの労働組合であるにも関わらず、組合の活動自体に無関心になる。
だから大企業の労組は概して無気力で、ユニオンショップでない会社の労組には若い人ほど加入したがらない。派遣などの不正規雇用者に至っては、加入したくても入れてくれる労働組合が存在しない。これがおおむねの現状である。
この点、近年個人で加入出来るタイプの労働組合組織が誕生してきているのは、新しい風と言える。たとえばキャバクラ嬢の組合なら、どこの店に雇われているかに関係なく加入出来るし、その労組が自分のためにならないと思ったら自由に脱退出来る。
本来労働組合というのは、あまりふざけた事ばかりやっていると組合員に逃げられてつぶれてしまうという存在である方がいいと思う。
そのためには昔は有効な手段だったとしても、ユニオンショップのような仕組みではなく、個人単位で加入、脱退出来る労組の方が望ましい。
現在はまだ、派遣やキャバクラ嬢など、こう言っては失礼だが、底辺の労働者が関わっているだけだが、こういう個人単位の労働組合がどんどん広がっていけばいいと思う。
その動きが大企業の正社員にまで波及すれば、少しは世の中も変わるかもしれない。
そうでないと、連合などの巨大組織の傘下の特権的労働者と、経営者に好き勝手に扱われ放題の労働者に二極分化してしまう。
その時の従来の労働組合は「前世紀の遺物」以外の何物でもなくなるだろう。
とても勉強になりました!!
うーん・・・
不思議な時代ですネ^^
ところで
改造人間だったんですね^^;・・・・ドテッw
そもそも組合の役員も自分達の仲間内で立候補させて形だけ選挙というパターンだし、上への要望も毎年同じ原稿用意して使いまわしてるんじゃなかろうかというくらい変わらないし。組合費もどのような割合で何に使われているのか組合総会で説明聞いてもさっぱり理解できません。あっちこっちお金をたらいまわししたら消えましたみたいな感じ。上部組織に収めているらしい金の使い道に至っては全く不明です。
組合で上に尻尾振ってた人は仕事できなくても出世というのもありますね。
そんな状態に愛想つかしてか、最近出世しなくても組合辞めてしまう人が増えています。
非正規職員も増えている現在、現在の組合の形骸化が進む可能性はかなり高いように思われます。
が、従来の組合が非正規職員を受け入れない理由は間違いなく「自分たちの生活確保のため」でしょうね。非正規職員の待遇をよくして正規職員の給料アップなんてことができる企業なんてほとんどないでしょうしね。
キャバクラ嬢の組合も話題だけにならないと良いんですが・・・
でも あるべきでしょうね
賛成です
今度どうなるのか、期待したいですね~
民間労組(電機連合)出身の閣僚が、懲戒処分歴のある社保庁職員の
分限免職に積極的に反対する姿に強い違和感を感じます。
「問題職員の分限免職を積極推進しろ」とは言いませんが、
他所の組合員(しかも処分歴あり)の雇用を心配する前に、
電機連合は自分のところの組合員の雇用確保に全力を挙げるべきではないのか?
周りに合わせろの「全体主義国家」みたいだから
正面切って、反対するとか意見するってのが
実社会で行われないんでしょう。
(インターネット出てから、ようやく日本人の''本音''が噴出し始めたけど)
この状況を変えないと
何百年経っても「資本主義」のお墨付きを
この国は貰えませんぜ。