日米安保不要論についての考察
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- 2009/12/09 19:01:16
鳩山政権が予定していた「日米同盟深化のための交渉」をアメリカが延期すると言ってきた。普天間飛行場の移転に関する結論を日本政府がいつまでも出さないので、あちらも堪忍袋の緒を切ってみせたのだろう。
在日米軍基地に関しては、「何でもいいから無くなって欲しい」という声も多いが、防衛省の政務官が、それは無責任な考え方だと発言したと報じられている。そしてこれは一理ある意見であろう。
そもそもなぜ米軍基地がいくつも日本にあって米軍部隊が駐留しているのか?
これは当初は日本政府側がそう望んだから、なのである。これはもう歴史の一部と言っていいほど昔なので、今の若い人たちはそもそもの経緯を知識として知らないんじゃないだろうか?
太平洋戦争後、日本をどうやって復興させるかについては、いくつかシナリオがあった。
当時の首相であった吉田茂が採った選択肢は「国土防衛はアメリカにお任せして、日本は経済大国になることに専念する」というものだった。
この線で1951年の日米安保条約を1960年に衣替えしたのがいわゆる60年安保体制、そしてこれが現在の日米安保あるいは日米同盟の原型である。
もとはと言えば、日本側が頼んだ話なのである。
60年安保によって、日本は軍隊を持たず(実際には後日自衛隊が出来たが、今でも自衛隊は「軍隊」ではないという建前になっている)、万一戦争を仕掛けられたらアメリカに守ってもらう。
その代わりに日本国内に米軍が基地を置く事を認める。
結果だけで見れば、吉田茂の戦略は成功した。
1991年のソ連崩壊まで、世界中でアメリカをリーダーとする西側陣営と、ソ連に率いられた東側陣営の、いわば陣取り合戦の戦争があったが、日本は常に蚊帳の外でいられた。
自衛隊は自国防衛の必要最低限の規模で良かったから、日本は経済発展に国家予算も人材も集中的に投入する事が出来て、おかげで世界第2位の経済大国になれた。
この両陣営の陣取り合戦としての戦争でもっとも悲惨だったのが朝鮮戦争とベトナム戦争だった。米軍が日本に駐留していなければ、日本がソ連により侵略される可能性はあった。
さて、ところが冷戦が終わり、東側陣営が消滅すると、日米安保の意味も変わってくる。
米軍に基地を提供して日本を守ってもらう、という安保条約の趣旨は、少なくとも表向きは変わっていない。
問題は、何から守ってもらうのか?だ。
今考えられるのは北朝鮮だが、いくらあの国でも単独で日本に軍事侵攻してくるほど馬鹿ではあるまい。はっきり言って、憲法9条の制約なしに全面戦争したら、自衛隊は北朝鮮軍に勝てる。
将来の中国から守ってもらうのだという人たちもいる。
現在中国は軍隊の近代化を進めており、現在の米軍のような世界規模で展開する海軍を育成している最中だ。航空母艦も建造中である。
もし中国が日本を属国化しようと考えたら、軍事的には日本単独では太刀打ち出来ない。
だから日米安保は引き続き必要で、したがって米軍基地も引き続き必要だ、という考え方である。
ただし、実際に冷戦という現実があり、ソ連という仮想敵国が存在していた1980年代までと違い、アメリカの方でも、日本はもはや国際的陣取り合戦の陣地ではない。
自国の国益を犠牲にしてまで日本を守る義理はない。アメリカとしても、今ではそれなりに見返りがないと日本を守る義理はない。
近年その見返りとして日本が提供してきたのが、例えば湾岸戦争での莫大な資金提供だった。自衛隊を参加させるわけにはいかないので、せめてお金だけでも、とどこの国より多額の資金を出した。
ところが、解放後のクウェート政府が世界各国の新聞に「イラクの侵略から救ってくれてありがとう」というメッセージを載せたが、そこに名前が並んでいる国の中に日本の名はなかった。
これは当時の日本政府にはきわめてショックで、これがその後の自民党主導政権のトラウマになってきた。「汗も血も流さないで金さえ出せば済むと思っている国」と世界から思われている、と感じたわけである。
そこでその後は積極的に国連のPKOに参加したり、法律の解釈上の無理を承知でイラクに自衛隊を、人道支援とはいえ、派遣したりしてきた。
インド洋での他国の軍艦への燃料補給活動も、ソマリア沖の海賊対策への参加も、その流れの延長戦上にあるのだ。
しかし、憲法9条の縛りがある自衛隊が海外で、戦闘になるかもしれない場所で、活動するには米軍の協力が必要だ。
米軍が日本に基地を置いて置きたい本当の理由が日本を守る事ではなく、東アジアでの自国の軍事的優位である、というのは確かに当たっているだろう。
しかし、米軍に出て行ってもらうという事は、様々な軍事的行動を日本が単独で行わねばならない事を意味する。当然、自衛隊も完全な軍隊にグレードアップしなければならなくなる。米軍不要論を唱えるなら、そこまで考えた上でなければならないのだ。
しかし海外派遣は、昨今のグローバル化に、よるものだと思われる。
自衛隊にも無駄な金がある。段数を無駄に使っている場合いも多い。さらに、戦争はインフレが起こり、今現状は危ない状況でもある。
それらを未然に防ぐためにも米軍は必要だと思う。
その正体は
吉田首相の決断が日本の経済的繁栄をもたらしたのも事実ですが、一方で他国では当然の「自分の国を自分で守る」という考えを失わせるきっかけにもなった気がします。
アメリカにとって、今の米軍基地の位置づけは「中国への牽制」レベルではないでしょうか。
日米安保はアジア圏域で有事があった場合の最低保障くらいの役割はあるかも知れませんが、実際に日本のどこかの都市が爆撃されて日本人が逃げ回っている中、米軍だけが犠牲を出してまでも戦ってくれると考えるのは無理があります。
将来中国国内にアメリカの権益を保障する場ができたら、あるいはアメリカの国際的影響力がかつてのイギリスのように減退していったとしたら米軍基地は役立たずになる可能性すらあります。
自衛隊は今のところ他国で軍事行動をとるような装備は持っていませんが、本気で自衛する気があるのならそれなりの装備と訓練(つまり軍事費増)が必要になってくるはずです。いざという時に「助けてくれると思ってたのに~」では話になりませんから・・・
ただ、今の政権が統一した見解を持ってこの問題に対応しているかといえば、はなはだ疑問ですね。
アメリカの関心が中国及び係争地域が散在するシーレーンにあるなら沖縄以外に基地を移すなどありえない話ですしね。
「政権内でも結論出てないけど話したい」と言われて相手するほどアメリカもひまではないでしょう。
防空戦の能力しかない)ので、完結した戦力とは言えません。
攻めるにせよ守るにせよ、軍事活動を行うには米軍との
協力が必須となる、そういった軍隊であるということは事実です。
他の閣僚はともかく、鳩山首相はこういった処を認識できてないように見えます。
だから外相・防衛相は駐日大使に大声でドヤされて
(きびしい表現の文書を渡されたのではなく、本当に怒鳴られた)
も何も言い返せない。
お互い自国の利益が追求されています。
ブッシュ大統領に大人のコースでといわれているので、
大人としての自覚ある行動を求められているのでしょう。
日本が国際社会で大きな顔をしていられる、というのは紛れもない事実です。
また米軍基地がなくなったら、生活が成り立たなくなる人が多数いるのも事実です。
「憲法9条で日本を守ることができる」などと本気で考えている連中が多数いる国が、
単独で国を守れるわけがありません。
前に住んでいた日本海側は、海上自衛隊がすぐ近くにあって、
見学に行ったりもしました。
武器や船や設備に、すごいお金がかかってるんだろうなあ、と実感しました。
ロシア海軍などの船が寄港することも多く、
町にもどこか緊迫した空気が漂っていました。
米軍基地ならなおさら・・・と思います。
かといって、米軍なしで自衛隊ががんばるとなると、
それはそれで大変なことなのでしょうね・・・
グアム移転とか 素人の私が考えても無理だと思うのに、揉めちゃうのね。
しかし、現在アメリカ軍に対しての、「おもいやり予算」は、なんだか納得できません。
(警察・検察・消防団が''怖い''って思ったことな~い?)
自衛隊の影響力が弱すぎる。
テレビ・新聞といった''巨悪による暴政''は
ダーパ(国防高等研究計画局)の開発したインターネットで
かなり薄らいだみたいだけど・・・
http://www.defense.gov/
-尋ね人-
探してます。
小沢一郎さんを知りませんか?
そろそろ、基地代(保険料)の見直しを・・・。