民主党の事実上のボスである小沢一郎氏の政治資金疑惑の捜査がかなり進展してきたようだ。秘書だけでなく、元秘書の現職の国会議員を、通常国会開会直前のこの時期に逮捕するとは検察も気合の入り方が違う。

我輩は小沢氏が不正蓄財していたかどうかにはあまり関心はない。
あの人は現在の政治家の資金集めの原型を作ったとも言える田中角栄の直弟子だった。政治家としての金の作り方、管理の仕方も継承しているだろうし、他にもそういう政治家はいっぱいいる。

小沢氏が「なぜ僕だけが・・・」とよく発言しては庶民をムカつかせていたが、確かに小沢氏が狙い撃ちされているような感がなくもない。
ここで一つの仮説を立ててみた。

政治家である以上、金の流れに関して程度の差はあれすねに傷を持たない方が少ないだろう。だから小沢氏に違法な行為があったかどうかは一切横に置いておいて、小沢氏が言うように捜査当局に狙い撃ちされている、という言い分が正しいと仮定しよう。

では何故、小沢氏を狙い撃ちするのか？
これは完全に我輩の個人的な憶測だが、小沢氏がかねてから主張してきた「外国人に地方参政権を与える」という政策を阻止したい勢力が、権力者の中にいるのではないか？

今は民主党が政権を持っていると言っても、政府や権力機構というのは国会議員と内閣だけで成り立っているわけではない。野党議員だって権力者の端くれだし、民主党の中にも反小沢派と言われる党員はいくらでもいる。

そして、自民党はもちろん、民主党の中にも外国人に参政権を与えるのは絶対反対という人は多い。いわゆる学者や識者と呼ばれる人たちも多く反対の声を上げている。
一般市民のレベルではまさに国論を二分する問題だろう。

小沢氏のプランでは特別永住者（これはほとんどがいわゆる在日韓国・朝鮮人）と一定の要件を満たす一般の永住者にまず地方参政権を与えようという事のようだ。
最近の報道によれば、特別永住者が約４０万人、一般の永住者が４９万人程度らしい。

賛成派は、その程度の人数に参政権を与えたからと言って日本が外国人に乗っ取られる事はあり得ないと主張している。
特に特別永住者の在日韓国・朝鮮人の場合、年に１万人ぐらいの割合で日本に帰化しているので、今は４０万人でも今後だんだん減っていくはずだ。

反対派が心配しているのも一般の永住者の方で、こちらは中国人が多数を占めているからである。
現在４９万人「しか」いないと言っても、これはちょっとした地方都市の人口に匹敵する。
また将来的にこの「参政権を持つ中国人」が増えないという保証はない。出生率が日本人より高ければ、国内の有権者に占める割合は将来増大する可能性が無いとは言い切れない。

鳩山首相に至っては永住外国人に国政選挙、つまり国会議員の選挙の参政権を与えるとまで公言している。
これに危機感を持った政府内部の、あるいは何らかの権力者グループが小沢潰しに動いているのではないか？
これが我輩の推理である。

確かに一部の外国の中には、外国人永住者に地方参政権を与えている国はある。
だが、それは例えばEU加盟国同士のように将来実質的に一つの国家にまとまろうとしている国だったり、オーストラリアのように今でも移民を欲しがっている国などである。

日本をそういう国と同列に論じるのは無理がある。
確かに税金を払って日本に溶け込んでいる永住者に参政権を、という主張は「友愛」の精神からは正しいと思う。

しかし、日韓、日中の間には過去の戦争と植民地支配に起因する感情的しこりがまだ根深く残っている。
また韓国は日本と同じ民主主義国家だから、仮に在日の人たちが韓国の利益のために日本の選挙権を行使したとしても、日本が滅ぶほどの事にはならないだろう。

だが中国は民主主義国家でない上に、アジアの覇権国家の座を狙っている国である。
そして今でもしつこく反日教育をやっている国でもある。
中国からの永住者に参政権を与えたら「日本が中国の植民地にされる」と危惧する識者はけっこう多い。

永住外国人に参政権を与える事が正しい選択かどうかは別として、小沢氏の主張を快く思わない日本国内の勢力は当然存在するだろう。
もし小沢氏の「何故僕だけ？」という言い分に一理があるとすれば、彼を政界から抹殺する事によって外国人参政権を潰そうという動きがあってもおかしくはない。

そこで政治家なら多少なりとも必ずあるはずの違法な金の流れを検察に追及させるよう何らかの権力者グループが仕組んだ。
これが我輩の個人的憶測である。どんなものだろうか？